(ノ゜Д゜)ノ新聞

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ドル基軸維持へ努力 金融サミットで首相提案
 金融と世界経済の安定化策を話し合う緊急首脳会合(金融サミット)が14日夜(日本時間15日朝)、米ワシントンで開幕する。麻生太郎首相は国際通貨基金IMF)の出資総額の倍増などを柱とする包括的な提案をする方針。国際的な通貨システムを守るため、ドル基軸通貨体制の維持も訴える。バブル崩壊の教訓を踏まえ不良債権の早期処理も促す考えで、危機克服に日本として積極的に貢献する姿勢を打ち出す。
 各国首脳は14日夜の夕食会から討議を開始。2日目の15日午後(日本時間16日未明)に共同声明を採択する見込みだ。



金融サミット、IMF改革に温度差
 【ワシントン=矢沢俊樹】14日夜(日本時間15日朝)開幕する緊急首脳会合(金融サミット)で、国際通貨基金IMF)改革が大きな争点に浮上してきた。欧州側は米国主導で運営されるIMFの抜本的な改革を迫る構えで、距離を置く米国との対立が鮮明。日本政府の後押しなどで新興国向けの緊急支援という短期的な対応では各国の足並みがそろっているものの、将来像を巡る議論の行方は不透明だ。
 IMFは第2次世界大戦直後の「ブレトンウッズ体制」のもとで、同じくワシントンに本拠を置く世界銀行とともに創設され、国際金融監視体制の中核を担ってきた。だが、昨夏以来の世界的な金融危機への対処が遅れ、「機能不全もはなはだしい」(日本政府筋)との批判が噴出。日本政府が新興国向け緊急融資制度の導入を求めたことなどでようやく重い腰を上げつつあるといった見方もされている。



北米液晶TVシェア、ソニーとシャープが堅調な伸び
 【ニューヨーク=小高航】米調査会社ディスプレイサーチがまとめた北米の2008年7―9月の液晶テレビの出荷台数シェア(速報値)で、ソニーとシャープが堅調な伸びを見せた。船井電機もほぼ1年ぶりに5位圏内に浮上した。
 首位は韓国・サムスン電子の18.8%。2位ソニー(13.9%)、3位シャープ(10.2%)と、上位3社の顔ぶれは4―6月と変わらなかった。シェアの増加幅はソニーとシャープとも2ポイント以上で、首位サムスンとの差を縮めた。ただ値下げ攻勢でシェアを拡大した側面が強く、収益面では苦戦が続いているとみられる。



トヨタの米新工場稼働、11年以降に延期 販売低迷で
 トヨタ自動車は米国ミシシッピ州で建設中の完成車工場の稼働時期を延期する方向で調整に入った。金融危機などを背景に北米販売が急減しているためで、これまで2010年としていた稼働時期を11年以降に先送りする。州政府に今後、意向を伝える。トヨタは09年3月期の連結営業利益が前期比で74%減る見通しになり、工場建設など投資計画の見直しに着手していた。ミシシッピ工場の稼働延期は具体策の第1弾となる。
 ミシシッピ工場はトヨタにとって北米8カ所目の完成車工場。07年に建設を決定、約13億ドル(約1200億円)を投じて10年から多目的スポーツ車(SUV)「ハイランダー」を年間15万台生産する計画だった。



グリーがマザーズに上場へ。売上高は2008年6月期で約29億円
 SNSGREE」を運営するグリーが、東京証券取引所マザーズ市場に12月17日付で上場することが明らかになった。
 GREEは、グリー代表取締役社長の田中良和氏が2004年2月に開始したSNS。その後、本格的な事業展開を目指すため、2004年12月に楽天と共同でグリーが設立された。現在の第1位株主は68.62%(1448万株)の株式を保有する田中良和氏で、次いでApax Globis Japan Fund, L.P.が10.80%(228万株)、リクルートおよびKDDIが各7.58%(160万株)、山岸広太郎グリー取締役 執行役員副社長が5.41%(114.2万株)になる。
 サービス面では、2006年11月にKDDIと共同でau携帯電話向けの「au one GREE(当時EZ GREE)」を開始。NTTドコモの「iモード」やソフトバンクモバイルの「Yahoo!ケータイ」でも、公式サービスに認定されている。GREE会員数は2008年10月末時点で716万人。月間ページビュー(PV)は、PC版が1.1億PV、モバイル版が82.7億PVと、モバイル版の利用割合が極めて高い。



中古車販売5%減、10月では88年以来の低水準
 日本自動車販売協会連合会(自販連)が13日まとめた10月の中古車登録台数(軽自動車除く)は、前年同月比5.3%減の37万1734台となった。2カ月ぶりの前年割れで、10月としては1988年以来の低い水準という。米国発の金融不安による消費者心理の冷え込みや新車販売の苦戦を受け、引き続き中古車の動きが鈍くなっている。
 車種別では普通乗用車が0.6%減の15万2869台、小型乗用車は9.1%減の16万2405台。普通トラックは1.4%減の2万468台で、小型トラックは8.2%減の2万5071台だった。バスも含め、すべての車種が前年を下回った。



ドイツ、2期連続のマイナス成長 7-9月期実質GDP0.5%減
 【ベルリン=赤川省吾】ドイツ連邦統計庁が13日発表した2008年7―9月期の国内総生産(GDP)が実質ベースで前期比0.5%減となった。年率換算では2.0%前後の減少。個人消費は底堅かったが、「輸出が弱まった」(独統計局)。欧州最大の経済力を持つドイツが2期連続でマイナス成長となり、欧州景気が後退局面に入ったことが濃厚になった。
 ドイツの景気後退は03年以来、ほぼ5年ぶり。外需の冷え込みでドイツの自動車大手は生産体制を相次いで縮小する計画を打ち出した。独政府は石油危機後に「ケインズ主義と決別した」(独ツァイト紙)とされてきたが、経済政策を転換し、09年から総額500億ユーロ(6兆円規模)の財政出動に着手する。
 個別に景気対策を打ち出す米国やアジアとは異なり、同じ経済圏の欧州では各国に権限のある財政政策や金融監督でも異例の政策連携に踏み切り、市場安定化策や景気対策で足並みをそろえた。



ブラジルのヴァーレ、鉄鉱石の再値上げ撤回 国際相場急落で
 鉄鉱石世界最大手であるブラジルのヴァーレ(旧リオドセ)が新日本製鉄など鉄鋼大手に求めていた鉄鉱石の追加値上げ要請を撤回した。ヴァーレは今春に続き、9月に12%の再値上げを提示していた。国際相場の急落や、鉄鉱石需要の減少を受け、追加値上げを断念する。資源他社の価格戦略にも影響を及ぼす見通しで、自動車や家電、建材向けなどの鋼材・鋼板価格の上昇傾向にブレーキがかかりそうだ。
 ヴァーレは2月、2008年度出荷分の鉄鉱石を前年度比65%値上げすることで日本や中国の鉄鋼大手と合意したが、その後、豪英系BHPビリトンが最大2倍の値上げを決めた。従来ブラジル産と豪州産の価格差はほとんどなかったため、ヴァーレは日中などの鉄鋼大手に9月以降、12―13%の追加値上げを要請していた。



米小売り・外食、消費不振で明暗 「高価格・高額」が苦戦
 【ニューヨーク=杉本晶子】個人消費の低迷が深刻化する米国で、小売りや外食大手で業績の明暗が大きく分かれている。ディスカウント店最大手ウォルマート・ストアーズの8―10月期決算が増収増益となった一方で、スターバックスなど高価格帯が主力の企業は軒並み大幅減益や赤字を計上。ファンド傘下に入ったり、経営破綻したりする例も相次いでおり、高価格店の劣勢が明確になっている。
 スターバックスは既存店比較の売上高減少に歯止めがかからない。7―9月期は前年比8.0%減となり、前四半期より約3ポイント悪化。1杯3―5ドルと高単価のコーヒーが敬遠され、客足と購入単価が一段と落ち込んだ。既存店売上高の前年割れは4四半期連続で、2009年9月期通期も5%程度減少する可能性があるという。



英経済にデフレ懸念 中銀総裁「日本を教訓に迅速対応」
 「英国は日本より早く対応している」。住宅価格の急落などでデフレ懸念が浮上している英経済について、英イングランド銀行中央銀行)のキング総裁は12日の記者会見でこう述べ、素早い対策で1990年代に日本経済が経験したような長期停滞を回避する姿勢を強調した。
 同総裁は米証券リーマン・ブラザーズの破綻で金融危機が深刻になった後、1カ月とたたずに英国が銀行への資本注入を決めたことについて「(公的資金投入の決断に時間がかかった)日本の経験を英国は教訓にした」と指摘。素早い対応の成功例として「スウェーデンは90年代前半の金融危機で直ちに銀行国有化に踏み切り、94年までに景気が回復した」と語った。そのうえで今後も金融・財政の両輪で景気対策を迅速に打ち出すことが重要だと強調した。



ホンダ社長「中国投資変えず」 能力増強など予定通り
 ホンダの福井威夫社長は13日、中国広東省広州市日本経済新聞記者と会い、中国での投資計画について「変更はない。予定通り進める」と話した。中国の自動車需要は減速しているが、研究開発拠点の建設や生産能力増強を予定通り実行する。
 中国全体の自動車販売台数は8、9月に前年割れしたが、ホンダの今年の販売は新型車効果などでほぼ計画に近い水準で推移している。経営不振の米ビッグスリーとの連携については「メリットがない」と改めて否定した。



政府税調、消費税上げの必要性明記へ 09年度税制改正
 政府税制調査会(首相の諮問機関)は14日、2009年度税制改正についての答申のとりまとめに向けて、会合を再開する。早ければ今月末にまとめる答申では、消費税について社会保障財源としての重要性を強調し、税率の引き上げを促す。相続税の課税方式を見直すことや、日本企業が海外で稼いだ利益を国内に戻しやすくする税制の創設なども検討する。
 政府税調は昨年の答申に、消費税率引き上げの必要性を3年ぶりに明記した。政府は09年度に基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げる方針で、社会保障費はさらに膨らむ。政府税調は今年の答申でも社会保障費の財源確保を念頭において、消費税率を引き上げる必要性を明記する見通しだ。



中国臓器仲介 移植できぬ国内状況も問題だ(11月14日付・読売社説)
 臓器移植を仲介する海外ビジネスは、どこまで広がっているのか。
 警察当局が、中国で日本人への臓器移植仲介事業を手掛けていた団体の捜査に乗り出した。
 臓器移植法は、臓器の提供や仲介によって利益を得ることを禁じており、国外での行為も処罰される。きちんと実態を解明しなければならない。
 日本の警察が捜査を開始した経緯は複雑である。
 中国でも昨年から臓器売買を禁じる法令が施行されており、仲介団体の日本人代表は、これに違反したとして中国で逮捕された。しかし、裁判では移植仲介の違法性は全く審理されずに虚偽広告罪で有罪を言い渡され、国外追放となって先日帰国した。
 中国では、年間1万件以上の臓器移植が行われ、提供臓器の大半が死刑囚のものだと指摘されている。不慮の事故で脳死となった人などからの善意の提供を前提としておらず、臓器の対価として金銭が水面下で動いていることは容易に推測できる。
 移植仲介が不問とされた背景にはそうした事情もあろう。中国側が裁かなかった以上、日本側で調べるのは当然だ。
 実際に刑事責任を問えるかどうかは、中国側の捜査協力が不可欠となる。今月末に発効する日中間の刑事共助条約が機能するか、今後の試金石ともなるだろう。
 こうした問題が起こる背景には国内ではほとんど臓器移植を受けられないという現状がある。
 1997年に臓器移植法が施行されて以来、実施された脳死移植は76例にすぎない。脳死した人からの移植に、世界で例のない厳しい条件を定めているからだ。
 脳死した本人が、カードなど書面で提供意思を残していることに加え、家族の同意も必要だ。提供意思の表示能力があるのは15歳以上、ともされている。乳幼児は臓器の大きさが合わないため、国内で心臓などの移植手術を受けることは不可能に近い。
 このため乳幼児から大人まで、多くの人が移植目的で海外に渡航しているのが現実だ。
 国会には、諸外国と同様に、本人の意思が分からない時は家族の承諾で移植を認める案など、複数の改正案が提出されている。ところが一向に審議されないのはどうしたことか。
 国内で脳死移植を制限しながら外国で臓器をもらう。いや、事実上買っている。この状況をいつまでも続けるわけにはいかない。


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