(つд⊂)ゴシゴシ新聞

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AIG、米政府の管理下に FRBが9兆円融資
 【ワシントン=大隅隆】米政府・連邦準備理事会(FRB)は16日、米保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に最大850億ドル(約9兆円)のつなぎ融資を実施すると決めた。見返りとして同社の79.9%の株式を取得できる権利を政府が確保することにし、事実上、政府の管理下で再建にあたる。米国発の金融危機を防ぐ狙い。一方、FRBは同日、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現行の年2.0%のまま据え置くことを決めた。
 AIGへのつなぎ融資は2年間で、AIGの全資産を担保にする。金利ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の3カ月物に8.5%上乗せした水準。AIGはつなぎ融資で資金繰りをつけ、時間をかけて資産売却し融資を返済する。



AIG破綻なら「大惨事」 米政府、金融恐慌を警戒
 米連邦準備理事会(FRB)が保険最大手、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済に踏み切ったのは、同社の資産規模や取引金融機関などがあまりに膨大で、破綻すれば世界的な金融恐慌につながる恐れがあったためだ。ただ救済を拒否した結果、破綻した証券大手リーマン・ブラザーズとの違いは不明確。当局のダブルスタンダード二重基準)への批判が強まる可能性がある。
 米メディアによると、ポールソン米財務長官とバーナンキFRB議長は16日夕、民間金融機関の公的支援に批判的な議会有力者らを訪ね「AIGが破綻すれば大惨事になる」と説明、FRBの緊急融資に理解を求めた。



「冬商戦も端末販売は2割減」KDDI小野寺社長
 KDDIの小野寺正社長は17日に記者会見し、今年の冬商戦での総販売台数は「夏商戦と同水準の、昨年の8割くらいに落ち込む」との見通しを示した。割賦販売の導入などによるためで、合わせて始めた新しい料金プランについては「顧客に評価されている」と話し、契約純増数の目標については変更しない考えを示した。また、7月にサービスを始めた「じぶん銀行」については順調な立ち上がりを強調。クレジットカードやローンなどのサービス拡充に意欲を示した。
会見の主な一問一答は以下のとおり。
――初のスマートフォンを来春、法人向けに投入すると発表した。
 「具体的なことは未定だが個人にも販売する。ただスマートフォンはソリューションとセットにして企業に販売するのが基本と考えている。テンキー入力に慣れている利用者は多く、(一般的な)携帯電話に比べ付加価値をつける必要がある」
――iPhone発売から2カ月たった。ブームは一服したようだが。
 「アップルはマーケティングがうまいので、ブームにはなると思っていた。iPhoneは特定の需要がある一方で、多くの顧客にとって魅力的な端末かは疑問だ。こういう(ブームが長続きしない)流れも想定したとおり」
――NTTドコモは海外企業に積極的に資本参加している。KDDIはどうする。
 「海外、特にモバイル事業者の投資はリターンを考えると慎重にならざるを得ない。候補となる相手の時価総額が大きくなっているためだ。出資をする場合、株式の3分の1以上を保有するなど経営権をとるのが基本で、少額出資で(キャピタルゲインによる)リターンを得ることは考えていない」
――携帯電話の外装や画面表示を変える「フルチェン」「ナカチェン」が人気のようだが。
 「サザンオールスターズの携帯電話には限定数の10倍以上の応募があった。活用したいという企業からの引き合いは多い。時期や具体的な社名はいえないが、ソニーエリクソン以外のメーカーによる対応端末発売も検討している」
――NTTが光回線の契約数を伸ばしている。どう対抗するのか。
「NTTグループが1000万契約というが、もともと顧客が6000万いるうちの1000万だ。まだ光ならではのサービスがない。それを投入できれば加入者は伸ばせる。固定通信全体で2010年に黒字化する目標は実現可能だ」
――米証券大手のリーマン・ブラザーズが破綻したが、影響はあるか。
「リーマンとの取引はゼロではないが、事業への影響はほとんどない。(米金融機関の混乱は)日本がバブルのときに苦労した二重写しに見える」



米サンディスク、サムスン電子による買収提案を拒否
 [ソウル/サンフランシスコ 17日 ロイター] 米半導体大手サンディスクは16日、韓国のサムスン電子が提示した1株26ドル(総額約60億ドル)での買収提案を拒否すると発表した。
 ただ、サンディスクはサムスンが同社の「本質的な価値」を認める価格を提示すれば、買収交渉に応じる可能性があるとしている。
 サムスンのスポークスマンのジェームズ・チュン氏は、買収提示価格の引き上げに応じるかどうか、何も決定していないと述べた。
 サムソンがサンディスクの買収に成功すれば、同社に対する年間3億5000万ドルの特許料の支払いがなくなる上、半導体業界全体が供給過剰による値崩れに苦しむ中、サムスンは市場シェアを拡大させることができる。
 アナリストは、サンディスクが今回の買収提案を拒否しても、サムソンは1株26ドルでサンディスク株を機関投資家から株式を買い集め、経営権を取得できないまでも、サンディスクに対し買収に合意するよう圧力をかける可能性もあるとしている。



日銀、午後に1兆円追加供給 合計3兆円、連日の大量資金供給
 日銀は17日午前と午後に、臨時で短期金融市場に計3兆円を即日で供給する公開市場操作(オペ)を実施した。午前の2兆円の供給は1回の額としては量的金融緩和政策を解除した2006年3月以降で最大規模。米大手証券リーマン・ブラザーズが経営破綻するなど世界的に金融不安が高まるなか、国内への影響を最小限に食い止めようと連日の大量資金供給に踏み切った。
 金融機関同士が資金をやりとりするコール市場で無担保の翌日物金利は17日午前、日銀の誘導目標(0.5%)を上回る0.55―0.70%程度で推移。流動性懸念を背景に、各金融機関は手元資金の確保に動いている。短期金利急上昇をけん制するため日銀は異例の大規模供給を実施した。市場では「安心感をもたらすには至らない」(短資会社)との声もある。



英バークレイズ、リーマンの北米投資銀業務の買収発表
 【ニューヨーク=財満大介】英銀大手バークレイズは16日、破綻した米リーマン・ブラザーズの北米の投資銀行業務を、計17億5000万ドル(約1800億円)で買収すると発表した。株式、債券の引き受け、売買仲介、調査やM&A(合併・買収)仲介などの事業を取り込み、米国市場での収益力強化を図る。これに合わせ、10億ドルを増資して買収費用に充てる。
 リーマンの投資銀部門の資産と負債を2億5000万ドルで買い取るほか、ニューヨークの本社ビルなどの不動産の取得に15億ドルを支払う。従業員1万人も移籍する。
 買収により、バークレイズは債券関連業務で世界トップクラスの金融機関になる見込み。米国市場でのM&A助言業務、ヘッジファンド向けサービスなどでもシェアが拡大する。



「自動車ユーザーの負担は限界!」 自動車・石油団体が税負担軽減訴えるイベント
 日本自動車連盟(JAF)と自動車関係21団体で構成する自動車税制改革フォーラム、全国石油商業組合連合会、石油連盟は17日、東京都・新宿駅東口の新宿ステーションスクエアで、クルマやガソリンなどに関する税体系のあり方を考えるイベントを開催した。各団体の首脳自らが街行く人々にチラシを配りながら、納税者であるドライバーの立場に立った税論議の必要性を強く訴えた。
 道路整備を目的に創設された「道路特定財源」について政府は5月、平成21年度から一般財源化する方針を閣議決定。こうしたなかで自動車・石油関係団体は、道路整備によって自動車ユーザーが恩恵を受ける「受益と負担」の考え方を変えて使途を一般財源化する場合には自動車関係諸税が課税の根拠を失う、との立場を一貫して主張してきた。
 JAFの田中節夫会長はそうした姿勢を改めて強調し、「何に使うかという議論ばかりで、負担する側に理解を求めるという議論が全くない」と指摘。そのうえで「燃料の高騰と物価高で自動車ユーザーの負担は限界まできている」とドライバーの悲鳴を代弁した。
 日本自動車工業会の青木哲会長(ホンダ会長)は、自動車ユーザーに過重な負担を強いる一般財源化を批判。「課税根拠がなくなった自動車関係諸税は廃止すべき」と理解を求めた。



民主、18日にも国民新に合併提案
 民主党小沢一郎代表は17日午前、党本部で鳩山由紀夫幹事長、輿石東参院議員会長らと協議し、国民新党との合併協議を進める方針で一致した。18日の常任幹事会などで決定したうえで、同日中にも国民新党側に正式に提案する。
 民主、国民新両党の合併構想は、小沢氏が主導し、水面下で国民新党亀井静香代表代行らと調整してきた。国民新党民主党から正式な提案を受けてから対応を改めて協議する。政策など条件面の両党間協議も進める方向だ。
 国民新党綿貫民輔代表は17日午前の幹事会で「野合的なものにならず、立党の原点を忘れることのないよう対処したい」と強調した。党内は容認論が多いが、亀井久興幹事長らが慎重姿勢を示している。



【中日社説】
自公政権 嘆かわしい政治“空白”
2008年9月17日
 自民党総裁選が当事者の思惑を外れて盛り上がらない。折から汚染米北朝鮮情勢、金融危機などの相次ぐ緊急事案に自公政権は対応できているのか。“空白”が招く国民の不安を重く受け止めよ。
 福田康夫首相の退陣表明による事実上の「首相不在」が必要以上に長引いているのではないか。
 後継総裁選びは折り返し点を過ぎた。すでに麻生太郎氏が過半数を固める情勢で、政策論争も空回り気味だ。麻生氏は人事の一端も口にしている。「消化試合」になっているのに五候補の全国行脚は二十二日の投開票前日まで続く。
 国内外で難問が相次ぐ中、いかにも間の悪い総裁選だ。
 米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんを受け、候補者の与謝野馨経済財政担当相が選挙運動よりも職務の方を優先するらしい。世界的な株安連鎖で東京株式市場は大幅に下落。景気後退局面に入った日本経済への打撃を考えれば、当然のことだ。
 拡大の一途である汚染米問題は食の安全の根幹を揺るがした。
 チェック機能を果たせなかった農林水産省は対応が鈍い。大阪農政事務所の元課長が不正転売した業者から接待を受けていた問題まで飛び出した。あきれるばかりだ。政府はようやく汚染米の流通先約三百八十社を公表。首相は野田聖子消費者行政担当相を中心に原因究明と再発防止にあたるよう指示した。だが、国民には政府一丸となった取り組みと受け取られているかどうか。
 外交も後手に回っている。
 退陣表明のあおりで北朝鮮は拉致の再調査延期を通告した。一方金正日総書記の重病説は間違いなさそうで、統制の緩みに伴う不測の事態も懸念される。日本の安全保障にもかかわることだ。情報収集・分析や米・韓国との連携が不可欠だが、万全なのか。日中韓首脳会談も結局延期になった。
 不安感を募らせる混沌(こんとん)とした事態が続くとき、国民は指導者の「顔」をみる。本人は空白をつくっていないとの思いでも、どうしても“主”なき政権内は緩みがちになる。
 国会で議論があってしかるべきときだ。野党は閉会中審査を求めている。自公政権はここは積極的に応じてはどうか。政権が考えている以上に迎えている事態は深刻だ。真正面からのメッセージを発せられないのなら、政権与党は総選挙で大きなツケを払わされることになる。


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