エェェ(;゜Д゜)ェエ新聞

原油価格140ドル継続なら、産油国へ所得流出200兆円 08年推計
 原油価格の高騰で、石油の消費国から産油国への所得移転が進んでいる。原油価格が現在の1バレル140ドル前後で年内推移した場合、日本を含むアジアや米国、欧州から中東・ロシアなどの産油国に流れるお金は約200兆円にのぼる見通し。1970年代の2度の石油ショック時を上回る「富の移転」が生じる見込みで、日本からも原油代金として国内総生産(GDP)の5%強にあたる企業や個人の「稼ぎ」が資源国に流出する計算だ。
 所得移転の額は英BPの石油貿易統計などから推計した。原油の貿易量が2007年並みで推移し、原油価格が08年の残りの期間中1バレル140ドルで推移すると想定。原油輸入国の「米国」「欧州」「日本」「中国やインドなど他のアジア地域」から、「中東」や「ロシアをはじめとする旧ソ連圏」などに支払う原油代金を計算した。



流通・外食、「タスポ」対応急ぐ 「たばこ」成人識別、7月義務化
 たばこ自動販売機専用の成人識別カード「タスポ」の利用が7月1日から全国で義務化されることを受け、流通・外食大手が対応を急いでいる。すかいらーくは全国約1200店で利用の減少が予想される自販機の撤去を決めた。半面、販売拡大を見込むコンビニエンスストアでは、エーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm、東京・港)が主要店舗で、たばこの品ぞろえを4割拡大。イオンはスーパーでばら売りを始める。
 たばこ販売の国内経路は自販機と店舗がほぼ半分ずつ占める。タスポ導入でこの比率が変化するのは必至とあって、店舗数の多い流通・外食業が本格対応しはじめた。



関電など電力7社、料金見直し 09年1月以降値上げも
 関西電力など電力7社は27日、電気料金を見直すと発表した。燃料価格高騰を反映しやすくするため、料金の算定基準(基準燃料価格)を9月1日に引き上げる。各社とも年内は実際の料金は据え置くが、2009年1月以降は値上げする公算が大きい。これで東京電力など電力10社すべてが08年中に料金見直しを実施することになった。
 北海道、東北、関西、中国、四国、九州、沖縄の7社社長が会見で、料金見直しを実施するか検討中だと表明した。
 9月に実施するのは北海道、関西、中国、四国の4社。中国と四国は算定基準を上げる一方でコスト削減を進め、9月にまず料金を下げる。関電は「据え置きか引き下げのいずれかを検討中」としている。



ガソリン価格、7月に一部で180円台も 新日石など卸値上げ
 石油元売りの新日本石油と出光興産は27日、原油価格の高騰を受けてガソリンなど石油製品の7月の卸値を引き上げると発表した。新日石は6月に比べ1リットル8.4円、出光は7月前半分として同7.3円上げる。これにより一部の給油所では1リットル180円台をつけるとみられるが、消費者の買い控えが一段と強まり店頭での値上げが難しくなる可能性もある。
 ジャパンエナジー昭和シェル石油も7月の卸値を9.8―10円上げると表明済み。レギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は23日時点で1リットル172.0円と5月末比で11.7円上昇した。7月は「地域によって180円台が付く可能性がある」(新日石の中村雅仁常務)。



アジア株全面安 原油高騰でインフレ懸念強まる
 【香港=吉田渉】27日のアジア株式市場で、主要株価指数は大幅に値を下げた。中国の上海総合指数は前日比5.3%下落、インドのSENSEXも4.3%値を下げた。台湾加権指数は3.4%安。韓国総合指数、香港ハンセン指数の下落率は1%台後半に達した。原油相場の高騰を受け、インフレが景気悪化を招くとの懸念が強まった。
 上海総合指数終値は2748.432で年初来安値を更新。原油高の影響を受ける大手航空株が値を下げたほか、銀行株も大幅安となった。インド株も1万3802.22となり、昨年8月以来の1万4000割れ。金融、不動産、製造業など全面安となった。インド当局は金利引き上げなど物価抑制策を強めており、引き締めが企業の業績拡大を妨げるとの観測が高まった。
 台湾加権指数は7548.76と5カ月ぶりの安値。米国への輸出依存度が高いハイテク企業が値を下げたほか、金融引き締めを嫌気して銀行株も売られた。



鹿島や大成、民間にも工事費用の上乗せ要請
 鹿島や大成建設など建設各社は7月から、鋼材や燃料価格の高騰に伴う民間工事の費用上乗せを発注者に要請する方針だ。日本建設業団体連合会などは鉄筋・鉄骨の高騰で工事費全体が3.4―8.2%上昇したと試算、発注企業の業界団体などに契約後でも資材価格上昇分を上積みする協議に応じるよう求める。これを受けて建設各社は個別に3―8%程度の値上げ交渉に入る。
 公共工事では国土交通省が、契約後に資材価格が急上昇した場合、工事費用の上積みを認める「単品スライド条項」の発動を決めている。民間工事の契約にも同様の条項があるため、建設各社はこれに基づき工事費用の見直しを求めていく。



「iPhone」、中国本土導入への最大の障害が解消=中国移動
 中国最大の携帯電話オペレーターの中国移動は27日、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を中国本土に導入する上での最大の障害が解消し、現在では実務的な問題が残っている、と明らかにした。ただ、中国本土に導入する日程は決まっていないという。
 同社スポークスマンは「アップルはもはや利益分配を主張していない。そのため、我が社にとって中国に導入するための最大のハードルが解消した。だが、依然として実務的な問題が残っている」と述べた。



全国124行の前期最終利益、サブプライム響き37.5%減 全銀協
 全国銀行協会は27日、加盟124行の2008年3月期決算(単体ベース)を発表した。最終利益の合計は前年同期比37.5%減の2兆1246億円と3年ぶりの低水準。サブプライム問題に端を発する金融市場の混乱で、株式や証券化商品など有価証券の減損処理が響いた。不良債権比率(リスク管理債権ベース)は0.19ポイント低下した。
 本業のもうけを示す業務純益は5兆81億円と8%減った。貸出金利息の上昇で資金運用利益はやや改善したが、昨年夏以降の金融市場の混乱を受け、保有する投資信託証券化商品を減損処理したことが響いた。
 各行が新しい収益の柱に育てようとしている役務取引等利益は9.6%減少した。リスク性商品のより丁寧な説明を義務付ける金融商品取引法が施行されたことに加え、市場混乱で投信に対する需要が落ち込んだ。



5月の自動車輸出、9.5%増 34カ月連続増
 日本自動車工業会自工会)が27日にまとめた5月の自動車輸出実績は前年同月比9.5%増の52万8617台だった。2005年8月から34カ月連続で前年水準を上回った。ガソリン高を背景に、燃費性能に優れる日本メーカーの小型車などに需要が集まっている。
 地域別にはアジアやアフリカなど新興国が2ケタを超える伸び。市場全体が低迷する北米も、低燃費の日本車に対する購買意欲は高く、4.1%増えた。中近東は需要は底堅いが一部メーカーの物流停滞で一時的に減少した。メーカー別では全12社のうち9社が前年超えとなった。前年に低調だった日産自動車の輸出は約2倍に増えた。
 同日発表した5月の国内生産実績は6.8%増の92万4897台。好調な輸出に支えられ、乗用車、商用車ともに好調に推移した。



全農、肥料を値上げ 主要12品目は1―9割引き上げ
 全国農業協同組合連合会(全農)は27日、肥料を値上げすると発表した。主要12品目では2008年7月―09年6月の販売価格を現行より1―9割引き上げる。バイオ燃料の増産などを受けた世界的な肥料の需要拡大に、肥料原料の供給体制が追いついていないためで、食料価格にも影響しそうだ。
 コメや野菜など幅広い作物に使う複合肥料の「高度化成(一般)」は現在の価格より50%引き上げる。また低価格だった輸入複合肥料「アラジン」は89%の大幅値上げとなり、相対的に国産との価格差が縮小する。



金融庁法人税の非課税4条件を発表 対日投資を促進
 金融庁は27日、海外のファンドなどの投資家が対日投資した際、運用益にかかる法人税を非課税とする4条件を正式に発表した。日本の投資運用業者を通じて投資することが大前提となる。課税か非課税かを判断する際の「線引き」を明示し、海外の投資家が投資しやすい環境を整える。
 4条件のうち第1は、国内の投資運用業者に投資判断を一任する部分が多く、実質的に海外投資家が直接の投資行動を取っていないこと。次に委託先の国内投資運用業者で役員に占める海外ファンド出身者などの割合が5割未満にとどまっていることを挙げた。
 国内の投資運用業者が投資家と成功報酬契約を結んでいること、国内の投資運用業者が特定の海外投資家に依存せずに多角的な経営ができていることを第3、第4の条件とした。



日経社説 骨太方針は予算要求書に変質したのか(6/28)
 政府は2009年度の予算編成へ向けて、経済財政改革の基本姿勢を示す「骨太方針2008」を決めた。成長力の強化や国民本位の行財政改革など総論や看板には異論がないが、各論となると各省庁や政治家の要望を並べたところや、中身が薄いところが目立つ。骨太の名にふさわしい内容とは言い難い。
 01年の小泉純一郎政権時代に始まった「骨太方針」の本来の狙いは首相の指導力発揮によって、改革の障害を乗り越えることだった。各省庁任せの政策決定では、省益や政治家の既得権益の壁に阻まれる。このため、民間の有識者を含めた経済財政諮問会議を「改革の司令塔」として活用、首相が後押しする仕組みをつくった。
 小泉首相退陣後の07年の骨太方針からそうした性格は薄れてはいたが、今回はそれに拍車がかかったように見える。昨年夏の参院選敗北で自民党内から改革路線への反発が噴出したことが背景にある。福田首相も党内からの様々な圧力をはねのけられなかった。
 もちろん、首相の指導力が見えないわけではない。民主党との政治対立の中で生まれたものとはいえ、揮発油税などの道路特定財源一般財源化は1つの成果である。生活者・消費者が主役となる制度改革をうたっているのも「福田カラー」の表れだろう。
 だが、改革の要になるようなところでは、腰が引けている。
 例えば「国民本位の行財政改革」の柱と位置づけた地方分権改革。先にまとめた「推進要綱」に基づいて取り組むとしているが、その要綱の中身は、中央省庁などの抵抗で、地方分権改革推進委員会がまとめた第1次勧告よりも後退している。
 最大限の歳出削減を行うとする基本方針はいいが、本当にそれを貫けるのか疑問だ。農山漁村や地域商業の活性化から必要な道路の着実な整備まで、様々な要望が骨太方針に盛り込まれているからだ。各省庁はこれでお墨付きを得たと判断し、道路財源などをあてに予算配分を迫ってくるのではないか。
 消費税率上げを含む抜本的な税制改革の早期実現も盛り込んだが、福田首相自身が「2、3年とか長い単位で考えたい」と述べたことで、議論自体がしぼむ可能性もある。
 骨太方針が指摘するように、将来を見据えて、社会保障改革や地方再生、開かれた経済システムづくりを進めることは急務である。それを文章やびほう策で終わらせないことこそ首相の使命である。


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