ヾ(゜Д゜)ノ"新聞

素材各社、資源高で新技術 ガラス生産、燃料費半減
 原燃料高を受けて素材各社が製造手法の抜本的な転換に乗り出す。旭硝子は従来の半分以下の燃料使用量でガラスを生産できる技術を開発。三井化学などは原油の代わりに工場排ガスや大気中の二酸化炭素(CO2)から合成樹脂を量産する技術を確立する。いずれも100年単位で続いてきた従来製法と根本から異なる。実用化されれば生産コストやCO2排出量の削減が可能で、日本の素材産業の競争力強化と地球温暖化対策に寄与しそうだ。
 ガラス最大手の旭硝子物質・材料研究機構などと共同で、「プラズマ」と呼ぶセ氏1万度の炎などで原料を瞬時に溶かす技術を開発した。製造時の燃料費を半減できる。3年以内に量産手法を確立、2013年にも生産を始める。



幼児教育の無償化検討、特別会計改革を追加 骨太の方針原案
 政府が月内にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の原案が明らかになった。教育分野の対策を充実するため、幼児教育を将来は無償にすることと、就学前の児童がいる家庭への支援策を検討することを盛り込む。政府の機能見直しの一環として特別会計全般について「必要性・透明性の観点から総点検する」ことも明記した。
 原案は23日の経済財政諮問会議で議論する。17日の諮問会議で議論した素案に比べると、教育や農業、原油対策など与党の要望が強い分野での施策が加わった。



非鉄、有力鉱脈発掘急ぐ 住友鉱山、チリなど投資倍増
 非鉄製錬大手が銅などの探鉱活動を拡充する。住友金属鉱山はチリなど環太平洋地域での2008年度の探鉱事業費用を、前年度実績からほぼ倍増させる。三菱マテリアルは30億円を投じ、フィジー諸島で銅と金の探鉱を本格化する。中国など新興国向けの需要拡大で、金属価格は高騰。需給が逼迫(ひっぱく)した状態が今後も続く可能性もあることから、10年先をにらんだ資源の囲い込み競争が加速し始めた。
 住友鉱山はチリやペルー、豪州などで電線などに使われる銅の探鉱事業を強化する。08年度の探鉱費用を前年度実績の25億円から47億円に増額。探鉱区域も1割増の24カ所に増やす。同社は現在、銅鉱石の4割を自前で調達している。将来的にはこの比率を7割程度まで拡大する狙いがある。



大手運用会社、株主総会の3-7割で反対 野村アセットは500社強で
 今年の株主総会で大手運用会社が投資対象企業の3―7割に総会議案の反対票を投じることが分かった。野村アセットマネジメント大和住銀投信投資顧問はそれぞれ500社前後の一部議案に、反対票の送付を始めた。運用会社は国内外の年金基金から資金運用を受託。だが株安で運用成績は悪化しており、議決権行使を通じて企業価値向上につながることを期待している。
 野村アセットは「業績の長期低迷」「自己資本利益率(ROE)が3年連続5%以下」などを目安に、取締役再任に反対することを定めている。今年の株主総会集中日を前に、投資対象1800社のうち3割にあたる500社強の一部議案に反対票を送っている。経営陣に資産効率や企業統治コーポレートガバナンス)の改善を促す。



帝石と新日石、日中の東シナ海ガス田開発に参画へ
 帝国石油新日本石油は、日中両政府が共同開発で合意した東シナ海のガス田事業に参画する検討に入った。帝石は中国企業が単独開発してきた白樺ガス田(中国名・春暁)に出資、新日石は新たに設定される共同開発区域に参画する案が有力。資源高で収益性が高まるガス田開発事業の拡大を狙う。今後の日中両政府の協議を踏まえ、参画の枠組みを詰める。
 両政府の合意では、日中中間線の中国側海域にある白樺ガス田に日本企業が出資すると同時に、中間線をまたぐ北部海域で共同開発区域を設ける。両政府は今後、具体的な開発方法や収益の配分法を協議する。



郵便集配、「全国一律」確保へ新制度 総務省研究会
 総務省の研究会が20日、郵便や信書を全国一律に集配する「ユニバーサルサービス」を確保するための新制度創設を提言することを決めた。郵便事業会社と一般事業者を分けている法律の将来の統一も提案する。全国に信書を配るには厳しい参入規制があり、新規参入が1件もない。全国サービスを守りながら、新規参入を促す狙いだ。
 提言は郵便・信書便制度の見直しに関する調査研究会(高橋温座長)が7月にまとめる最終報告に盛り込む。
 新制度は不採算地域にも信書を集配する会社に対し、基金補助金を使って一定の資金を出す仕組み。一方で新規参入のハードルは下げる。



番組のネット転送、著作権侵害せず 東京地裁、TV局の請求棄却
 NHKと民放キー局5社が、テレビ番組をリアルタイムでインターネットを利用して海外などに転送するサービスの差し止めなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁(阿部正幸裁判長)は20日、「転送先は装置の所有者である個人であり、多数の人に送信していない」などとして著作権侵害を認めず、テレビ局側の請求を棄却した。



ゲオ、ライブドア傘下の宅配DVDレンタル会社を買収へ
 音楽・映像ソフトレンタル大手のゲオは20日ライブドアホールディングス子会社で宅配DVDレンタル事業を運営するぽすれん(東京・港)を買収すると発表した。ゲオは店舗に持つレンタル用DVDの在庫・品ぞろえを活用し宅配レンタル事業を拡大。同事業最大手のTSUTAYAグループを追撃する。
 ぽすれんの全株式を7月1日付でライブドアから取得する。買収額は5億6000万円。ぽすれんの2007年9月期の売上高は11億4000万円。経常損益は6800万円の赤字だったが、「直近の月次ベースでは黒字転換している」(ゲオ)。
 インターネットでDVDを予約し、郵送で受け取る宅配レンタルは市場が拡大している。ゲオは「ゲオランド」のサービス名で宅配レンタル事業を手掛けており、今後はぽすれんとの事業統合も検討する。



中国主席「ネット世論注視」 掲示板利用者と対話
 中国の胡錦濤国家主席20日共産党機関紙を発刊する人民日報社を訪ね、人民日報(電子版)の掲示板「強国論壇」を通じインターネット利用者との初の対話に臨んだ。胡主席は「ネット利用者の関心や考え方を知りたい。ネットの意見に非常に関心を持っている」と述べ、ネット世論を重視する姿勢を示した。
 強国論壇は反日的な書き込みが多い人気サイト。胡主席は強国論壇をよく見ていると明かし「人民の意見を幅広く聞かなければならない。ネットで国民の感情を理解するのは重要な方法だ」と強調した。
 「東シナ海ガス田問題の戦略は」などの質問が寄せられたが、個別のテーマには答えなかった。中国のネット上では自衛隊機の中国派遣や東シナ海ガス田開発を巡る日中合意に反発する書き込みが相次いだ。中国の政策決定におけるネット世論の影響力は高まっている。



アルゼンチン、農畜産団体の抗議が100日に 経済へ打撃
 アルゼンチンで3月から続く農畜産団体による大豆輸出税の引き上げに対する抗議活動が100日に達し、同国経済に深刻な打撃を与えている。断続的なストライキによる出荷停止や幹線道路の封鎖で食料やガソリンの供給に支障を来し、成長率の下振れ要因になるとの見方が強まっている。
 同国の民間経済研究機関、エコノメトリカは2008年の実質経済成長率の予想を8%から7.5%に、09年を6%から5%にそれぞれ引き下げた。8%割れは03年以降初めて。スーパーなどでの食料品不足や輸出税を巡る政治混乱で経済の先行き不透明感が増し、消費者心理が冷え込むとみている。



イスラエルがイラン攻撃演習 米紙報道
 【カイロ=安部健太郎】米紙ニューヨーク・タイムズは、複数の米政府当局者の話として、イスラエルがイランの核施設攻撃を想定し、100機以上の戦闘機を投入した大規模な軍事演習を今月第1週に行っていたと報じた。
 米国防総省の当局者は同紙に対し、イランのウラン濃縮停止に向けた外交努力が行き詰まれば、イスラエルは軍事行動をとる用意があるとのメッセージを米国などに伝えることも演習の意図にあると述べた。複数の米当局者は、イスラエルによるイラン攻撃が迫っているとは考えていないとの見方を示した。
 演習は地中海東部で行い、F16やF15など100機以上の戦闘機のほか、作戦機が撃墜された場合も想定し救援用ヘリコプターも参加。イランのウラン濃縮施設のあるナタンツまでの距離に相当する約1450キロメートル以上を飛んだという。



通常国会閉幕 政争ばかりの国会はご免だ(6月21日付・読売社説)
 戦後政治にほとんど類例をみない通常国会が、事実上、閉幕した。
 衆参ねじれの下、道路特定財源問題、日銀総裁人事、後期高齢者医療制度などをめぐり、与野党は激しく対立し、国会は混乱した。
 8月下旬にも、次の国会が召集される。過剰な“政争”の国会から、政策本位の“論争”の国会へと、切り替えていくことができるのかどうか。
 この国会は、与野党ともに手探り状態で始まった。
 1月末、与野党は予算案と税制関連法案について、「年度内に一定の結論を得る」との衆参両院議長の斡旋(あっせん)を受け入れた。だが、この合意は、民主党の審議引き延ばし戦術によって反故(ほご)になった。
 日銀総裁の同意人事は、政府が提示した人事案が、参院で2度にわたって、否決された。
 国民生活に影響する予算や税制、国際的威信にかかわる人事が、政争の具にされた形だ。
 政府・与党は、福田首相が主導し道路特定財源の2009年度からの一般財源化に踏み込んだ。だが、野党と合意できなかった。
 与党は、ガソリン税暫定税率の復活などで2度、衆院の3分の2以上の多数で再可決した。前国会で新テロ対策特別措置法を57年ぶりに再可決してから、再可決は福田政権下、計3例になった。
 憲法上の規定に基づくもので、これ自体、何の問題もない。必要とあれば、断固としてこのルールを行使するのが与党の責務だ。
 ただ、道路問題でも、日銀人事でも、福田首相らの後手の対応が混乱を広げた面は否めない。
 6月11日、参院で首相の問責決議が、戦後初めて可決された。民主党は、何度も提出を検討しながら、「審議拒否」戦術の批判を恐れて見送っていた。結局、問責決議は、会期末の単なる「儀式」で終わった。
 こうした中、与野党が歩み寄り、国家公務員制度改革基本法宇宙基本法などの重要法案も成立した。これらは、政策推進のための与野党の枠組みには結びつかなかったが、こうした政策協調の芽は、さらに伸ばしたい。
 首相と民主党の小沢代表による党首討論は、会期中、わずか1回しか開かれなかった。率直に意見を戦わせることが、2大政党の党首の務めだろう。
 衆院議員の任期が切れる来年9月までには総選挙がある。それを意識するあまり、与野党が、再び、政争まみれの国会を繰り返すことがあってはなるまい。


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