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新型インフルのワクチン、全国民に用意・経済界要請へ
 日本経団連は、新型インフルエンザ対策の大幅強化を政府に要請する。インフルエンザの流行に備えたワクチンは今は2000万人分しかないが、これを全国民分用意し、事前接種を希望する人すべてが受けられる体制を整えるよう求める。ワクチン量産のため一定の企業負担も検討する。日本商工会議所も同様の要請を検討中で、経済界が政府に対策のテコ入れを迫る形だ。
 鳥類などのウイルスが変異し人に感染する新型インフルエンザは、強い感染力で大流行する懸念がある。国内で感染が広がれば経済活動に深刻な影響が及ぶ。経団連はこの新型インフルエンザの予防措置を政策提言として6月にも打ち出す。



三菱地所都心部オフィス15―20%値上げ
 三菱地所は大都市中心部に所有しているオフィスの賃料を15―20%引き上げる。バブル崩壊以降の賃料改定では最大の引き上げ率となる。企業のオフィス需要は都心の優良物件に集中し、空室がほとんどなくなっている。三井不動産森トラストなども値上げする方針。需要が低迷する大都市の周辺や地方では値下げの動きも出ており、都心部とほかの地域の賃料の違いが鮮明になってきた。
 三菱地所は約30棟を所有する東京都千代田区の丸の内地区のほか、大阪市名古屋市都心部で賃料を引き上げる。丸の内地区では貸付有効面積140万平方メートル分のオフィスを持ち、空室率は2008年3月末で0.19%と過去最低の水準になっている。



大型新薬、最終試験へ・武田薬品の新型抗がん剤など
 大手製薬各社が年1000億円規模の売り上げをめざす大型新薬候補の最終試験に相次ぎ着手する。武田薬品工業は肺がん向けの抗がん剤アステラス製薬は泌尿器系治療薬でそれぞれ最終段階の臨床試験(治験)に入った。これまで各社の収益を支えてきた主力製品の特許が米国などで期限切れを迎える。2、3年後をめざす商品化が実現するかどうかは今後の収益成長の行方を大きく左右することになる。
 各社が実施するのは「第3相治験」と呼ばれる最終試験で、1、2年程度をかけて効果や副作用の有無などを検証。その結果を基に厚生労働省米食品医薬品局(FDA)などに新薬としての承認を申請する。



中国移動、中国鉄通を吸収・通信社報道、通信再編が本格化
 【上海=渡辺園子】中国の通信業界が大型再編に動き出した。新華社は23日、携帯電話最大手の中国移動通信集団(チャイナモバイル)が固定電話3位の中国鉄通集団を吸収すると報じ、「通信再編の幕が切って落とされた」と伝えた。携帯2位の中国聯通集団(チャイナユニコム)も分割され固定大手2社と統合されるとの見方が強く、主要事業者は3社に集約されるとの観測が広がっている。
 中国では中国移動と中国聯通が携帯電話、中国電信(チャイナテレコム)、中国網通(チャイナネットコム)、中国鉄通が固定電話、中国衛星通信が衛星通信を提供している。携帯加入件数の急増を背景に固定加入件数は伸び悩み、2007年には初の減少に転じた。4月には第3世代携帯電話の試験運用もスタート。「固定・移動の一貫サービス」体制を構築するための再編が近いとの観測が出ていた。



あだち充>単行本累計発行部数が2億冊突破 「みゆき」「タッチ」などで人気
 「みゆき」「タッチ」などで知られる人気マンガ家、あだち充さんのマンガ単行本の累計発行部数が2億冊を突破したことが分かった。小学館発行のマンガ家で、単行本が2億冊を超えるのはあだちさんが初めて。28日発売の「週刊少年サンデー」(小学館)の26号は、「2億冊突破記念号」として、あだちさん描きおろしの特製ブックカバーを付けるほか、応募者全員サービスとしてあだちさんのマンガのキャラクターが勢ぞろいしたトランプをプレゼントするキャンペーンを行う。
 あだちさんは、二人の「みゆき」の間で揺れる三角関係を描いた「みゆき」高校野球をテーマに双子の兄弟と幼なじみの恋愛模様が展開する代表作の「タッチ」など数多くのヒット作を送り出し、現在も「週刊少年サンデー」(小学館)の看板作家として「クロスゲーム」を連載している。



食料高騰「もう戻らない」・農水省が商社と初の意見交換会
 農林水産省は23日、世界的に需給が逼迫(ひっぱく)する食料問題について、国内の商社8社との意見交換会を開き、穀物価格がかつての安値圏に戻らないとの認識で一致した。ここ数年で価格高騰が急激に進むなかで、商社で穀物を扱う担当者らと一堂に会して意見交換するのは初めて。輸入先の多様化や備蓄が重要といった意見が出たという。
 意見交換会には伊藤忠商事住友商事などの部長級の穀物担当者らが参加。農水省は輸入している食料の確保や、調達現場の情報提供などについて商社側に協力を求めた。
 商社側からは、干ばつなどで生産が落ち込んだことによる調達の難しさや、世界的に広がる農産物の輸出規制や投機マネーの流入が価格高騰の原因になっているとの声が上がった。中国の四川大地震ミャンマーのサイクロンの影響を指摘する担当者もいたという。



鉄道貨物活用広がる、引っ越しや農産物輸送など
 燃料価格の高騰に対応し鉄道貨物の活用が“復活”している。引っ越し専業大手の引越社(名古屋市)グループは輸送の一部をトラックから鉄道コンテナ貨物に置き換えたサービスを全国で展開する。農産物でも一部を鉄道コンテナに置き換える動きが出ており、急激な燃料高がモーダルシフトを加速させる可能性がある。
 引越社は出発地から貨物駅と、貨物駅から目的地までをトラックで輸送。中間部分を日本貨物鉄道(JR貨物)の鉄道コンテナで運ぶ。北海道から九州まで全国154の貨物駅を経由する。従来は出発地から目的地までを自社トラックで運んでいた。引越社によると、鉄道貨物の活用を前面に打ち出すのは引っ越し専業で初めて。



スズキ、東欧生産の世界戦略車を国内に投入・今秋
 スズキは東欧で生産する世界戦略車「スプラッシュ」を日本市場に輸入して今秋に発売する。同社が海外生産車を国内で販売するのは初めて。利益率の高い排気量660cc超の自動車(登録車)の商品群を拡充する。国内工場は新興国向け輸出車の増産でフル稼働が続いている。国内外の拠点を連動させて、需要動向に応じて柔軟に商品を供給する体制を整える。
 スプラッシュは排気量1000―1300ccの5人乗り小型車で、スズキの登録車では最小クラスとなる。日本や欧州などで販売している「スイフト」「SX4」に続く世界戦略車として開発し、まず欧州で3月に発売した。2009年以降にはインドなどでも生産する計画で、日本での生産も検討したが国内工場がフル稼働状態が続いているため、ハンガリー工場から輸入する。



東電、本格値上げ検討・原油価格高騰転嫁、上限撤廃も求める
 電気事業連合会勝俣恒久会長(東京電力社長)は23日の記者会見で、東京電力での本格的な電力料金引き上げが検討課題になるとの見方を示した。原油などの燃料価格の変動を料金に反映させる「燃料費調整制度」とは別に、柏崎刈羽原発の停止に伴うコスト上昇分を電気料金に反映させる狙い。勝俣会長は同時に最近の原油高騰に対応、燃料価格の上昇分の料金転嫁に上限を定めている現在の燃料費調整制度を見直す必要があるとの認識も示した。
 いずれも消費者の負担が一段と高まるため、反発も予想される。最終的に実現するかどうかは現時点では不透明だ。
 電力料金の見直しには3カ月ごとに燃料価格などを反映する燃料費調整制度に基づく変更と各電力会社の事情に基づく「本格改定」の2種類がある。東電は新潟県での地震後、柏崎刈羽原発が停止しているのに伴って不足している電力を石油などを使う火力発電の拡大で補っており、原油高騰で他社に比べてコストが大きく膨らんでいた。



療養病床、削減手詰まり・都道府県計画、厚労省目標を7万床超過
 厚生労働省社会保障費抑制のために進めている「療養病床」の削減計画が行き詰まりかねない雲行きとなった。療養病床は慢性疾患を抱える高齢者などが長期入院する施設で、同省は今の35万床を2012年度末に15万床まで減らす計画だった。ただ、日本経済新聞が実施した聞き取り調査によると、各都道府県が残す予定の病床数は約22万床に上る。同省は都道府県などに追加的な見直しを求める。
 「社会的入院」が多い療養病床は日本の医療費拡大の背景のひとつとされる。厚労省は医者による治療があまり必要ない患者の一定割合を介護施設などに移し、療養病床を15万床に削減。コストの高い病院から相対的に安い介護施設へ患者が移ることで、社会保障給付費を年3000億円節約できるとはじいていた。



四川大地震 防災の国際協力を考えよう(5月24日付・読売社説)
 発生から2週間近く、死者が約5万人、負傷者は30万人に迫る。二次災害も起きている。
 中国四川省の大地震による被害発表の数字は、なおも増え続けている。
 日本からは国際緊急援助隊の救助チームに続き、生存者への医療行為に主眼を移した医療チームが、成都の病院で活動中だ。
 反日感情が強い中国で、日本の医療支援活動に対する感謝の声が相次いだ。戦後、自然災害で日本人が中国人の本格的な救援活動を実施したのは初めてである。
 ただ、援助隊の派遣では、中国側の受け入れ決定が遅れ、生存者発見につながらなかったように、数々の問題も浮かび上がった。
 中国の地方政府に国際的な緊急支援を受け入れる体制が乏しい。日本の援助隊が具体的にどこで活動を開始するかを巡って、双方の意見が合わず、医療チームが、実際に活動を開始したのは、到着から3日もたってからだった。
 設備の乏しい被災地での活動を希望した日本側に対し、中国は市街地の大規模病院での治療にこだわった。危険地での災害を恐れたのだろうが、地震直後から連絡し合う制度があったら、もっと迅速に活動できたのではないか。
 福田首相アジア外交に関する演説で、「各国の緊急援助機関同士でネットワークを結び、大規模災害が発生した時、すぐに連携して緊急援助ができる体制づくりを検討したい」と語り、「防災協力外交」を提唱した。
 中国を含むアジア諸国間で緊急支援体制を協議することは、国際支援の受け入れに後ろ向きだったミャンマー軍政の態度を変えるきっかけにもなるかもしれない。
 今回の大地震での被災者は1000万人を超え、家屋を失った避難民は500万人に上る。
 中国では今、避難民用のテントが大量に不足している。胡錦濤国家主席がテント工場に出向いて生産を督励しているほどだ。
 四川省だけで倒壊した校舎が7000棟近くに上り、数多くの児童・生徒が生き埋めになった。犠牲者の父母たちは「手抜き工事が原因だ」と地元当局を訴え、抗議デモを行っている。
 北京五輪聖火リレー騒動で生じた愛国・民族主義の高揚は、今回の震災で一段とエスカレートしている。北京の天安門広場などでも、犠牲者を追悼するデモが、自然発生的に起きた。
 胡政権は、こうした大衆行動への対応を誤れば、さらに厳しい局面に直面するかもしれない。


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