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iPodに「著作権料」上乗せ 文化庁提案へ
 iPodなどの携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに「著作権料」の一種を課金する制度改正の骨子案を文化庁がまとめた。8日の文化審議会に提案する。抵抗するメーカーに対し、課金を求める著作権団体が「秘策」で揺さぶりもかける。同庁は4年越しの論議に決着をつけた い考えだ。
 著作権料の一種とは、一般の人が家庭で音楽や番組を録音・録画する行為に対して課金されている「私的録音録画補償金」のこと。すでにMDレコーダーやDVDレコーダーといった録音・録画機器には導入されている。実質的にはメーカーが機器の売り上げから著作権者に支払っている。金額は価格の数%。
 最近登場した携帯音楽プレーヤーなどについては、著作権団体の要望を受け、文化庁文化審議会にはかり、05年から本格議論してきた。実演家著作隣接権センターなど著作権団体と反対するメーカーの両者の意見を折衷した制度改正の骨子案をまとめた。
 同案では、携帯音楽プレーヤーとハードディスク内蔵型録画機器を挙げて「課金対象にするべきだ」と初めて明言する。一方で、メーカーに配慮して、録音・録画の機能がある機器でも、パソコンのような汎用性の高い機器や、携帯電話のように別に主な機能がある機器への課金は見送ることにした。
 課金予定額は案には記さず、メーカーなどに配慮して慎重に決める姿勢を強調する。課金が決まった場合、これまでと同程度かより低い率、金額では1台数百円前後、年間では計数十億円規模になると想定される。
 文化審議会私的録音録画小委員会の審議で、メーカー側委員は反対する公算が大きい。メーカーは、課金で機器の値上げはしにくく負担が増えるとの思いがあるためだ。
 一方、著作権団体の「秘策」は、6月2日から導入する方針の「ダビング10」の拒否だ。デジタル放送のテレビ番組を自宅のハードディスク内蔵型レコーダーなどに録画した後、DVDなどに9回複製できる新しい方式だ。
 著作権団体は導入の条件として補償金の賦課などを求めてきた。補償金を課せないなら、新方式に同意できないという考えで、ニーズの高まる北京五輪までにメーカー側が受け入れを決断する、というシナリオに期待している。
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 〈私的録音録画補償金〉 著作権法は、音楽やテレビ番組などについて、私的使用を目的とした家庭内での複製は認めている。ただ、デジタル方式の機器は、高品質の録音録画や複製が可能で、著作権者が得られるはずの利益を損なうおそれがあるとして、私的複製をする利用者に「補償金」の支払いを義務づけている。実 際には個別の利用者から徴収できないため、メーカーがまとめて補償金管理団体に支払っている。現在の年間の総額は30億円前後。



NY原油、122ドル台に・需給ひっぱく懸念で最高値
 【ニューヨーク=米州総局】6日午前のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は一時1バレル122ドルちょうどまで上昇し、最高値を更新した。ナイジェリアの情勢不安を受けた需給逼迫(ひっぱく)懸念やドル安などを手掛かりに買いが優勢となっている。



アジア開銀、食料高騰で5億ドルの緊急支援・年次総会閉幕
 【マドリード=遠西俊洋】スペイン・マドリードで開いていたアジア開発銀行(ADB)の年次総会が6日、閉幕した。黒田東彦総裁は記者会見で、コメなど食料高騰で財政難に陥ったアジアの加盟国に5億ドル(約500億円)規模の緊急支援を実施すると発表した。2009年の農業分野向け投融資も20億ドルに引き上げるなど、支援を拡大する。
 黒田総裁は、緊急支援先について「現在2、3の国から要望が出ており、今月中にも具体化する」との見方を示した。コメ、小麦価格がそれぞれこの1年間で倍になったバングラデシュタジキスタンといった国々と協議を進めているもようだ。このほか、食料高騰に関係の深い農業分野の重視を求める意見が総会で相次いだことを踏まえ、来年の同分野の計画額を今年の2倍に増やす。



NY原油、120ドル突破・企業収益の下押し要因に、NEEDS試算
 ニューヨーク原油先物相場が一時1バレル120ドルを突破した。この水準が長引けば企業収益や個人消費の下押し圧力になりそうだ。企業が原材料コストの上昇分を製品価格に転嫁する動きが強まり、それが消費を一層冷え込ませる悪循環の懸念もある。
 原油高騰で最も大きな影響を受けるのが企業収益だ。日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の試算では、2008年4―6月期以降、原油価格が1バレル120ドルで推移した場合、08年度の企業収益は1バレル100ドルの基準ケースと比べ収益は1.8%押し下げられる。1バレル130ドルになると、押し下げ幅は2.8%にまで広がる。



UBSの1-3月期、1兆1500億円の最終赤字・5500人を削減
 【フランクフルト=石井一乗】スイスの金融大手UBSが6日発表した1―3月期決算は、最終損益が115億スイスフラン(約1兆1500億円)の赤字となった。前年同期は30億スイスフランの黒字。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連で190億ドル(約2兆円)の損失を計上し、2.四半期連続で1兆円を超す最終赤字となった。併せて来年半ばまでに、約8万4000人いる社員の7%に当たる5500人を削減するリストラ策も発表した。
 1―3月期に計上した損失額は、4月1日に事前公表した額と同額だった。主な内訳はサブプライム関連で73億ドル、信用度の高いプライムと信用度の低いサブプライムの中間である「オルトA」関連証券で61億ドルなど。投資銀行部門の税引き前損益は182億スイスフラン(約1兆8200億円)の赤字を計上した。



日経社説 行財政の効率化へ地方分権の断行を(5/6)
 政府が最重点で取り組むべき課題のひとつは行財政の効率化である。そのカギを握るのが地方分権だ。中央省庁の抵抗は強いが、福田康夫首相は強い決意で取り組むべきだ。
 日本が国内総生産(GDP)の約1.5倍にのぼる主要国で最悪の長期債務を抱え込んだのは、国と地方による非効率な二重行政に一因がある。改革派市長だった埼玉県志木市の穂坂邦夫氏が設けた地方自立政策研究所の試算では、国と地方の仕事の重複をなくすだけで3兆8000億円を超す歳出を削減できる。
省庁に目立つゼロ回答 
 地方に権限や税財源を移した方が中央省庁の縦割り行政の弊害もなくなり、地域の要望とかけ離れた無駄な事業も少なくなる。分権は地域を活性化するうえでも欠かせない。
 当面の焦点は政府の地方分権改革推進委員会が5月末にもまとめる第一次勧告の扱いだ。国道や一級河川を管理したり、農地を他の用途に転用するのを認める権限などを地方に移すことが中心になる。特別養護老人ホーム保育所などの建物の基準や公営住宅の入居者基準を今は国が一律で決めているが、地方に移すことも勧告に盛り込まれるだろう。
 権限が自治体に移れば、各省庁が全国各地に設置している出先機関も統廃合しやすくなる。約33万人いる国家公務員の3分の2近くは出先機関の職員だ。道路建設や中小企業対策、福祉など幅広い分野で国の出先機関自治体は同じような仕事をしている。全国知事会は権限を整理すれば、国家公務員の2万人の削減と地方への5万5000人の移管が可能になると試算している。
 権限や人と併せてお金を地方に移すことも必要である。焦点である道路特定財源をみると、2008年度当初予算で5.4兆円に上る税収の内訳は国税地方税で3対1になる。国は集めたお金を譲与税や交付金補助金として地方に回すので、最終的な割合はほぼ1対2に逆転し、地方が国を上回る。最初から支出に応じた割合を地方税にした方が、自治体が自らの判断と負担で政策の優先順位を決めやすくなる。
 国土交通省が作成する道路計画も高速道路など広域交通網などに限定してはどうか。通学路の整備や踏切の安全対策のような自治体が街づくりの一環で取り組む事業は計画から外し、地方に委ねるべきだ。
 分権委が権限移譲や出先機関の見直しについて意見を聞いても、省庁側は「ゼロ回答」を続ける。国営公園の管理を国交省から都道府県に移す問題では、管理者が国と県では「木の育ち方が全然違う」という迷回答が飛び出すほどだ。業務に専門性があり、全国の連携が必要と省庁側はいうが、これでは説得力がない。
 分権は首相の指導力抜きでは実現しない。官僚任せでは小泉純一郎内閣が取り組んだ、国と地方の税財政に関する三位一体改革の二の舞いになる。民主党もこの問題では政府・与党と一致点が少なくないだろう。
 地方分権のゴールは道州制の導入である。国は省庁を再々編したうえで外交や防衛、金融行政、社会保障などに仕事を絞り、住民に身近な内政は道州と市町村に委ねる。政府の道州制ビジョン懇談会は3月にまとめた中間報告で「2018年までの移行」を目標として明記した。足元の改革が中途半端に終わっては道州制の実現などおぼつかない。
道州制実現の一歩に 
 分権と同時に、国、地方とも行革にまい進すべきだ。政府が昨年末に決めた独立行政法人改革は官僚の天下りや官業の肥大化に歯止めをかけるうえで不十分だ。都市再生機構住宅金融支援機構の民営化など、結論を先送りした問題に改めて取り組む必要がある。道路財源を巡る国会審議で公益法人の無駄遣いがあぶり出された。本当に公益のための法人か。国所管だけで6000を超す公益法人そのものの整理も欠かせない。
 地方も都道府県と市町村の業務の重複をなくし、全体の4割近くが赤字である第三セクターなどの処理を急ぐべきだ。分権を進めれば仕事が増えるのだから、自治体財政の規律が何よりも必要である。
 全国最悪の大阪府の財政状況を他府県と比べると、市町村や各種団体への補助金や貸付金が多い。府と大阪市が類似の施設をつくるなど二重行政の無駄も目に余る。橋下徹知事は4月にまとめた財政再建試案で補助金の削減に踏み込んだ。府と市町村の役割見直しは避けて通れない。
 政府は2011年度に基礎的財政収支を黒字にする目標を掲げている。景気が減速するなかで政府内でも達成を危ぶむ声があるが、黒字化は「小さくて強い政府」を作るための一里塚に過ぎない。国も自治体も歳出抑制の手を緩めてはならない。


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