(゜д゜)ポカーン新聞

08年度発電用石炭価格2.3倍・鉄鋼向けは3倍で決着
 中部電力は8日、スイスの資源大手エクストラタと2008年度の発電用石炭の価格を前年度の2.3倍に引き上げることで合意した。他の電力会社も同じ上げ幅で決着する見込みで、電力料金の上昇につながる可能性が高い。新日本製鉄など鉄鋼大手も同日、鉄鋼原料用石炭の価格を3倍にすることで基本合意、鋼材価格を今後大幅に上げる考え。資源高による値上げ圧力が、自動車や家電、電力など幅広い最終製品・サービスに及ぶ。
 中部電は石炭使用量が電力会社で最も多く、同社の契約価格が業界の指標になる。世界的な需給逼迫(ひっぱく)を背景に、08年度の豪州産石炭価格を1トン125ドル前後とすることで合意した。07年度の55―56ドルを大きく上回って過去最高となり、石炭も石油に続き本格的な「100ドル時代」に突入した。



フィリップスの北米液晶TV事業、船井電機が取得へ
 船井電機はオランダの電機大手フィリップスから北米の液晶テレビ事業を取得する方向で最終調整に入った。9月をメドに「フィリップス」ブランドの使用権を譲り受けフィリップス製品の販売を開始。将来は船井が開発・生産する液晶テレビを同ブランドで発売する。フィリップスは段階的に北米事業を縮小する見通し。薄型テレビを巡り、世界の有力メーカーを巻き込んだ再編が加速しそうだ。
 フィリップス事業の取得により船井の北米での液晶テレビ販売台数は2007年のほぼ2倍の年約330万台、金額ベースのシェアは約3%から約10%に高まる見通し。船井は売上高に応じてフィリップスにブランド使用料を支払う。



東京海上、あおぞら銀株を売却・資本関係見直し
 あおぞら銀行の大株主である東京海上日動火災保険が、保有する同行株を売却する方針であることが8日、明らかになった。東京海上保有する同行の発行済み普通株式の9.1%分すべてについて、米ファンド大手サーベラスによる同行株のTOB(株式公開買い付け)に応募、結果的に3%強を売却する。
 東京海上は2000年、国有化されていたあおぞら銀の前身である旧日本債券信用銀行の受け皿として、ソフトバンクオリックスとともに3社連合を結成した。



JFEもブラジルに高炉・5000億円超投資、新日鉄に続く
 JFEスチールは8日、鉄鉱石から粗鋼を生産する大型高炉をブラジルに建設するための企業化調査(FS)を始めると発表した。現地企業などとの合弁で5000億―6000億円を投じ、2012年の稼働をめざす。資源高騰に対応、鉄鉱石生産国への直接進出でコスト競争力を高める。ブラジルでの高炉建設は新日本製鉄も計画するほか、JFE、新日鉄はタイでも検討中。新興国市場の開拓に向けた国内鉄鋼大手の海外大型事業が一斉に動き出す。
 これまでの国内鉄鋼大手の海外進出は自動車用鋼板など後工程の工場が中心。各種鋼材の母材をつくる自前の高炉は海外になく、今回のJFEや新日鉄の計画は同業界のグローバル化が新段階に入ることを意味する。



白川日銀総裁、9日決定・民主「渡辺副総裁」は不同意
 民主党は8日の役員会で、日銀総裁白川方明副総裁(58)を昇格させ、副総裁に前財務省財務官の渡辺博史一橋大教授(58)を充てる政府案についての対応を協議した。焦点となっていた渡辺氏の副総裁起用には党内では賛成論が多かったものの、「天下り全廃」を掲げる小沢一郎代表の意向を受けて反対を決めた。白川氏昇格は容認することも決定。9日の衆参両院本会議で同意を得て、白川氏が総裁に就く。
 衆参両院の議院運営委員会は8日、白川、渡辺両氏から所信聴取した。民主党国会同意人事検討小委員会は、白川氏の昇格案に賛成する方針で一致。渡辺氏の起用にも賛成する声が多かったが、最終的な対応を執行部に一任した。小沢氏、菅直人輿石東両代表代行、鳩山由紀夫幹事長らが協議し、「天下り人事はノーだ」という方針を確認した。その後、役員会で不同意とすることを正式決定した。



くいだおれ」、7月に閉店へ・大阪、売り上げ低迷
 「くいだおれ人形」で知られる大阪・道頓堀の大型食堂「大阪名物くいだおれ」が、7月に閉店することが8日、分かった。売り上げの低迷や建物の老朽化が理由。引退する人形の“処遇”は未定という。
 同店は1949年に開店。現在は洋食や和食、割烹(かっぽう)料理など様々な料理が楽しめる総合食堂になっている。機械仕掛けのくいだおれ人形は、創業の翌年から店頭に置かれ、赤と白の衣装で太鼓をたたくユーモラスな姿が人気を集めている。



首相、道路一般財源化「骨太に明示」を強調・諮問会議で
 福田康夫首相は8日の経済財政諮問会議で、道路特定財源の2009年度からの一般財源化を柱とした自らの新提案について「骨太方針2008に盛り込みたい」と述べ、6月にまとめる経済財政運営の基本方針に反映させる考えを改めて強調した。首相提案に対しては道路族議員らが難色を示すなど与党内にも温度差がある。骨太方針へ明示することで、首相提案を政府・与党の公式見解にする狙いだ。
 御手洗冨士夫日本経団連会長ら諮問会議の民間議員も首相提案の内容を支持。会議に提出した骨太2008に関する提案ペーパーにも「首相提案に基づいて議論を進めるとともに、骨太方針に明記する」と記した。
 首相はガソリンなどの暫定税率については「税率を維持しても、(税収が)国民のために使われることをよく説明することが必要だ」と強調。税率を期限切れ前の水準に戻すことが望ましいとの見解を示した。民間議員も「地球温暖化対策の観点からも税率は引き下げるべきではない」と同調した。



07年度の原発稼働率、前年度比9.2ポイント減・中越沖地震など響く
 経済産業省原子力安全・保安院は8日、2007年度の原子力発電所の設備利用率(稼働率)が前年度比9.2ポイント減の60.7%となったと発表した。昨年7月の新潟県中越沖地震や事故隠しなどの影響で原発停止が相次いだため。ここ20年間では、東京電力のデータ改ざん不祥事などで稼働率が60%を割った03年度に次ぐ2番目の低水準となった。
 今年3月末時点で営業運転中の原発は55基。東電は新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発が停止しているため稼働率は44.9%。北陸電力は臨界事故隠しの影響で志賀原発を停止し、稼働率は0%となった。
 原発による総発電電力量(10社合計)は運転停止の影響で、13%減の2638億キロワット時と2年連続で減少した。



3月の街角景気、景況感の低迷続く
 内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数は36.9と前月に比べ3.3ポイント上がった。2カ月連続の上昇だが、景気が良いと判断できる50以上の水準には届かず、5カ月続けて30台に低迷した。先行きの景況感を悪いとする見方も増えており、内閣府は基調判断を「景気回復の実感は極めて弱い」と前月から据え置いた。
 調査は3月25―31日に実施。景気動向に敏感なコンビニエンスストアの店主やタクシー運転手ら1850人から回答を得た。3カ月前と比べた景気の現状を「良い」から「悪い」までの5段階で評価してもらい指数化。50になると景気は横ばいとみる。
 3月の現状判断指数は家計、企業、雇用の全分野で上昇。春物衣料の売れ行きが比較的好調で、一部企業では採用意欲も旺盛だった。2―3カ月先の景況感を予測する先行き判断指数は1.3ポイント低下の38.2。身の回り品の価格上昇や円高の影響を懸念する意見が多く、2カ月ぶりの低下となった。



現代自、中国第2工場が稼働・戦略小型車を量産
 【ソウル=鈴木壮太郎】韓国の現代自動車は8日、中国法人の北京現代(北京市)の第2工場が完成、稼働を開始したと発表した。生産能力は30万台で、同日中国で発表した戦略小型車「エラントラ」(韓国名アバンテ)を量産する。中国市場では日本勢や中国メーカーの台頭で苦戦しているが、生産能力増強と新型車投入で巻き返しを狙う。
 第2工場は来年まで年20万台を生産し、フル生産は2010年の見通し。第1工場と合わせた生産能力は60万台、傘下の起亜自動車(年産43万台)を加えた中国での生産能力は103万台となる。
 新工場は当面、エラントラ専用工場とし、今後新型車を追加する。北京現代は06年に中国で29万台を販売、シェア4位(7%)に付けたが、07年は販売台数が23万1000台に減りシェア8位(4.6%)に転落した。新工場稼働を機に市場をてこ入れし、現代・起亜合わせて10年にシェア13%を目指す。



温暖化ガス削減の日本案、仏首相が支持表明・本紙と会見
 【パリ=野見山祐史】フランスのフィヨン首相は10日からの訪日を前に日本経済新聞と会見し、温暖化ガスの排出削減策で日本政府が提案する産業別積み上げ方式について「欧州の提案に整合する」と評価した。7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)参加国で日本案への支持表明は初めて。世界的に需要が高まっている原子力産業では「すべての民生分野で日本との協力を深める」と述べ、訪日時に高速増殖炉の研究開発などで協力を提唱する意向を示した。
 温暖化ガスの排出抑制に関し首相は「サミットで野心的な目標を掲げるべきだ」と強調した。産業や家庭など部門別に排出を削減する日本案について「(京都議定書の約束期間である)2012年より後には広く採用され、欧州連合(EU)の指令見直しなどもあるだろう」と説明した。



インド、「サミット」開催・アフリカ諸国と経済協力拡大
 インドがアフリカ諸国との経済協力の拡大に乗り出した。政府は8日、南アフリカ共和国など14カ国の首脳や閣僚をデリーに招き、初の「インド・アフリカサミット」を開催。資源保有国を中心に印企業の進出も相次いでいる。資源開発で先行する中国に対抗すると同時に、インド製品の輸出先として開拓する。
 9日まで開く「サミット」にはウガンダやナイジェリアなども参加。貿易拡大やアフリカへの技術支援などで合意するほか、国連安保理改革、地球温暖化対策での協調も宣言する見通しだ。



NATO 変わる欧州の安保環境(4月9日付・読売社説)
 欧州の安全保障環境の変化を微妙に反映した会議・会談だった、と言えるのではないか。
 相次いで開かれた北大西洋条約機構NATO)首脳会議と米露首脳会談のことだ。
 米国は無論、日本の同盟国である。日本は、NATOとの連携強化にも乗り出している。ロシアは大きな隣国だ。これら主要プレーヤーのつばぜり合いがもたらす欧州安保環境の変化に、無関心ではいられない。
 会議・会談は、米露関係が微妙になっている中で行われた。両国間には二つの懸案があった。
 米国が東欧に配備を予定しているミサイル防衛(MD)計画と、旧ソ連ウクライナグルジア両国のNATO加盟問題である。そのいずれに対しても、ロシアは反対の立場を鮮明にしてきた。
 ポーランドチェコへのMD配備について、米国はイランのミサイル攻撃から欧州を守るもの、と説明してきた。しかしロシアは、自国ミサイルを標的にするものと主張し、反発していた。
 今回、MD計画に関しては、その効果について消極的だった多くのNATO加盟の欧州諸国が、米国を支持した。ブッシュ大統領はこの支持を携え、プーチン露大統領との会談に臨んだ。
 MD計画に反対の姿勢を崩さなかったプーチン大統領も、米欧の対等なパートナーとして、ミサイルの脅威に対応するシステム構築への参加に関心を示した。
 NATO首脳会議は一方、旧ソ連2か国の加盟問題に関しては、両国の加盟推進を目指す米の意向を退けた。独仏を中心とする、いわゆる“古い”欧州が、ロシアへ配慮して反対した。
 米・露・欧の三者が、それぞれ主張し、折り合わない問題では妥協点を探った、ということだ。
 米露両首脳は、安全保障や大量破壊兵器の拡散防止などに関して長期的な関係安定を目指す「戦略的枠組み宣言」を発表した。
 エネルギー資源の高騰を追い風に、「大国」復活への道をたどるロシアを無視しての安定追求は非現実的、とする米国の認識の表れでもあるだろう。
 NATO首脳はまた、アフガニスタンに長期的に関与していく方針も明らかにした。NATOは旧支配勢力タリバンの復活で苦戦を余儀なくされているが、長期戦略の明文化で強い意志を示した。
 日本も、医療など民生面での3分野でアフガン協力方針を示してきている。NATOとの一層の連携強化策を探っていくべきだ。