(′゜Д゜`)新聞

タタ自動車、英ジャガーとランドローバー買収・フォードから
 【ロンドン=清水泰雅】インド大手財閥傘下のタタ自動車は25日、米フォード・モーター傘下の英ジャガーと英ランドローバーを買収することで基本合意した。タタ自動車とフォードの交渉に参加した担当者が明らかにした。同日中にロンドン市内で合意書に調印し、26日にも正式発表する見通し。印メディアなどによると買収額は26億ドル(約2600億円)前後とみられる。タタはブランド力をテコに、欧州などで販売力を強化するとともに、技術を吸収する狙いだ。
 印自動車メーカーが欧州高級ブランドを買収するのは初めて。合意書の調印式にはタタグループのラタン・タタ会長と、フォードでジャガー、ランドローバーなどの高級車グループを統括するプレミア・オートモーティブ・グループ(PAG)のルイス・ブース会長が参加する。法的手続きを経て、正式に買収が完了するのは6月の第1週になる見込み。



全日空、アジアで格安航空・08年度にも、別ブランドで
 全日本空輸は25日、2008年度中にも格安航空会社をアジア地域に設立する方針を明らかにした。中国などアジアの航空会社との合弁を軸に検討する。アジアで乗務員を採用し、運航コストを抑える。アジアでは格安航空が台頭しており、シンガポール航空大韓航空など大手も相次いで専門の子会社を設立している。10年の羽田・成田両空港の拡張でアジアの格安航空との競争が激化するとみて、格安航空への参入を決めた。
 全日空は格安航空会社の設立に向け、4月に香港に「アジア戦略室」を設立。現地企業との交渉などを担当する。合弁で新会社設立を想定しているが買収に踏み切る可能性もある。社名やブランドは全日空とは別にし運賃やサービス面で全日空本体と差異化する。



企業年金、運用見直し・KDDIは世代別に分割
 大手企業が企業年金の運用改革に乗り出す。KDDIは年金資産を退職者や従業員など世代別に分割し、運用先や利回り目標を分けて運用効率を高める。松下電器産業は未公開株など新しい資産への投資額を1.6倍に増やして運用成績の向上を目指す。団塊世代の大量退職に伴う給付額の急増に備える一方、金融市場の混乱による株安の長期化など運用環境の悪化に対応する。日本株での運用比率が低くなるため、株式市場にも影響を与えそうだ。
 KDDI企業年金基金は4月から約2400億円の資産を、受給資格を持つ退職者、現役の従業員、剰余金の3つに分ける。退職者には約900億円を振り向け、運用は年金支払いに支障が生じないよう国内債券など比較的安全な資産に配分。運用利回りの目標も年2%と低めに設定する。



米グーグル、FCCに未使用TV周波数の開放要請
 【シリコンバレー=田中暁人】インターネット検索最大手の米グーグルは24日、米連邦通信委員会(FCC)に対し、テレビ周波数帯域の未使用部分の開放を求めたことを明らかにした。空いている帯域を活用し、全米で使える無線ネット接続サービスの普及を目指す。携帯機器からのネット利用者を増やし、主力のネット広告市場の拡大につなげる。放送業界は同計画に反発しており、実現するかは不透明だ。
 21日付でFCCに意見書を提出。「ホワイトスペース」と呼ばれる空き帯域を使った無線ネット接続サービス普及を目指すと表明した。サービスの詳細は明らかにしていないが、空き帯域を有効活用することで「すべての米国人に高速無線ネット接続サービスを低価格で提供できる」としている。



マイクロソフト高専のPCつなぎ「スパコン」――最大6500台
 米マイクロソフトの日本法人(東京・渋谷)と国立高等専門学校機構は25日、全国55校の国立高等専門学校高専)をネットワークで接続する「高専連携グリッドプロジェクト」を本格始動すると発表した。最大約6500台のパソコンを連結させてスーパーコンピューター並みの高速処理を実現する「グリッドコンピューティング」環境を構築し、教育や研究に活用する。
 複数のパソコンを連携させる基本ソフト(OS)「ウィンドウズ コンピュート クラスタ サーバー2003」を全国の高専55校のパソコンに搭載して、高速処理を実現する。2007年度は高専3校の16台のパソコンで試行。1年間の検証期間が終わったため、2008年度から本格的に利用を開始する。2008年度は25校の約2500台のパソコンを接続する予定で、09年度には全国55校が参加し最大6500台を接続した環境が実現する計画だ。



日本通信、今夏に携帯事業・ドコモ回線借りる
 通信ベンチャー日本通信は今夏にもNTTドコモの通信回線を借りて携帯電話サービスを始める。法人向けにノキア製の「スマートフォン」と呼ばれる高機能端末を販売、定額制の通信料を導入する。個人向けには料金先払い型のデータ通信専用端末を販売する。いずれも既存事業者にはないタイプの料金プランを売り物に、新規需要の掘り起こしを狙う。
 ノキア製端末は日本通信が提携している携帯販売代理店、兼松コミュニケーションズ(東京・新宿)を通じて調達・販売する。フルキーボードを搭載した高機能型の第3世代携帯。企業のサーバーと連動させ、スケジュール管理や資料の送受信に活用できる。



光ケーブル需要、国内3年ぶり減・07年度マイナス9.6%
 日本電線工業会は25日、2007年度の光ファイバーケーブルの国内需要が985万キロメートルと前年度比9.6%減りそうだと発表した。家庭向け光ファイバー通信サービス(FTTH)の需要が予想を下回り、3年ぶりの減少となる。
 FTTHの普及にはNTTが力を入れているが契約数が伸び悩み、光ファイバーの需要に響いた。NTTが昨秋に2010年度の普及目標を従来の3000万件から2000万件に引き下げたことを踏まえ、工業会は「今後、FTTH関連で大幅な需要増は期待しにくい」と分析。08年度は今年度比微減の975万キロメートルを見込む。
 光ファイバー国内需要は01年度に1732万キロメートルと過去最高を記録したがIT(情報技術)バブル崩壊で翌年度から減少。05年度以降はFTTHがけん引し増加傾向にあった。



貯金限度額見直し、2段階で・日本郵政社長
 日本郵政西川善文社長は25日、1000万円の限度額が設定されているゆうちょ銀行の貯金について、まず流動性貯金である通常貯金から限度額の見直しを政府に求めていく方針を示した。民間金融機関の反発が大きい定期性貯金の限度額見直しと切り離し、早期に1000万円を超える貯金を扱えるようにする。
 郵便貯金金融危機で民間金融機関からお金が流入した2000年3月には260兆円にまで残高が膨らんだ。ただ、その後は金融危機の収束と長引く低金利の影響で残高が急速に縮小。年間10兆円規模で資金流出が続いており、直近では180兆円程度にまで残高が減ってきている。



パート正社員化、74%が制度導入・日経調査、法改正にらむ
 正社員とパート社員の待遇差是正を目指す改正パートタイム労働法の施行を4月に控え、小売りや外食大手の74%がパートから正社員への登用制度を導入した。日本経済新聞社の施行直前調査で判明した。すでに正社員となったパートは約1万人。厚生年金制度や賞与制度を導入に取り組む企業もほぼ5割あり、パートの待遇改善を人材確保につなげる動きが広がっている。(詳細を26日付の日本経済新聞朝刊と日経MJに掲載)
 イオン、高島屋日本マクドナルドなど主要38社(雇用パート約50万人)の回答をまとめた。すでに7割強の企業が正社員への登用制度を持ち、導入予定や検討中を含めるとほぼ9割に達する。



アジアの運用資産、2007年は1兆5000億ドルに・前年比5割増
 アジアの運用資産が急速に膨らんでいる。2007年は1兆5000億ドルと06年から約5割増えたもようだ。米調査会社セルーリ・アソシエーツがまとめた統計で、経済成長を背景に11年には3兆2000億ドルに達する見通し。海外への投資も増えており、日本の株式市場でもアジアマネーの存在感が一段と増しそうだ。
 中国、インド、韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの10カ国・地域の年金基金投資信託の運用資産についてまとめた。



米企業、不振長引く・1―3月の大手500社
 【ニューヨーク=山下茂行】米主要企業の業績悪化が長期化の兆しを見せている。主要500社の2008年1―3月期の純利益は21日時点の集計で前年同期比7.9%減と、3.四半期連続で減少する見通しだ。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻化し、金融業の業績悪化に歯止めがかからないことが主因。企業業績の低迷が長引けば、雇用減などを通して一段と景気が悪化する可能性がある。
 米調査会社トムソンファイナンシャルがアナリストの予想を集計した。3.四半期連続での減益は、01年1―3月期から02年1―3月期まで5.四半期連続で減益となって以来、約6年ぶりとなる。08年4―6月期についても現時点で1.8%の減益を見込む。今後、決算の実績値が加味されるため、最終的な集計値は変動する。



日経社説 国民生活巻き込む政争は許されない(3/26)
 いまの国会の状況は異常である。与野党の協議は民主党の強硬姿勢で進展が見られず、ガソリン税暫定税率が今月末で期限切れとなる事態が不可避になりつつある。それだけではない。与野党とも異論がないオフショア取引や不動産登録免許税などの特別措置も暫定税率の対立のあおりで期限切れとなる恐れが強まっている。国民生活を巻き込む節度を失った政争は許されない。
 ガソリン税暫定税率道路特定財源の扱いをめぐって与党側は暫定税率を維持し、一般財源化は税制の抜本改革時に検討する旨の修正案を提案した。民主党暫定税率廃止と一般財源化の主張を譲らず、与党案を「修正に値する中身ではない」と批判し、修正協議は入り口で暗礁に乗り上げている。
 暫定税率を含む租税特別措置法改正案が2月末に参院に送付されたにもかかわらず、いまだに参院で全く審議が行われていない。参院の議事運営の主導権を握る民主党の審議も行わないという態度は理解に苦しむ。期限切れまでまだ時間があるのだから与野党協議と並行して一刻も早く参院の審議を行うべきである。
 与野党の激しい対立で暫定税率以外の特別措置の年度内成立も危うくなり、国民生活への影響の広がりが懸念される。オフショア取引の非課税措置が期限切れになると、資金が流出して市場の信頼が揺らぐ恐れが大きい。土地売買の登記にかかる登録免許税の軽減税率も期限切れになれば、税率は現行の2倍となる。輸入石油製品などの石油石炭税の減免措置の失効も影響が小さくない。
 こうした国民生活への影響が大きいと見られる7項目について、民主党暫定税率などと切り離した法案を参院に提出している。混乱回避のため、与党にこの分離法案の年度内成立を呼びかけている。与党側は分離法案が参院で可決された場合、暫定税率を含む残りの租税特措法案の部分は否決されたと見なして、衆院の3分の2以上の賛成で再議決することを検討しており、与野党の神経戦が続いている。
 民主党は与党が衆院再議決を行わないと確約しなければ、分離法案の年度内成立を見送る構えを強めている。国民生活の混乱を回避するのは政党・政治家の最低限の責務である。民主党参院第一党の責任をもっと自覚すべきであり、政争のために何をやってもいいという態度はとるべきではない。分離法案まで不成立になるような事態は最悪であり、与野党の責任で回避するよう最後まで努力を傾けてもらいたい。