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新日石九州石油を合併・10月メド、元売シェア3割
 石油元売り首位の新日本石油は17日、同7位の九州石油を吸収合併する方針を固めた。新日本製鉄や丸紅などの株主から九州石油株を取得し、10月をメドに傘下に収める。国内ガソリン市場が縮小しているうえ原油相場が連日最高値を更新するなど石油元売りの経営を圧迫している。新日石は厳しい事業環境が続くとみて合併で規模を拡大、製油所の整理統合など経営の効率化を進める。急速な原油高を背景に、国内石油業界の再編が再び加速しそうだ。
 新日石のガソリン国内販売シェアは約25%で首位。九州石油を傘下に収めることでシェアは30%近くに高まり、2位のエクソンモービル(約19%)、3位の昭和シェル石油(約16%)を大きく引き離す。



円高、輸出企業に影・自動車、2ケタ減益も
 自動車や電機など輸出企業を中心に2009年3月期の減益懸念が一段と強まっている。17日の東京市場では一時、円相場が12年7カ月ぶりとなる1ドル=95円台に突入。特に為替変動による影響度が大きい自動車では収益悪化が確実視されており、2ケタ減益の可能性もある。日本の株式市場では米景気減速や原燃料高などの悪材料も織り込む格好で、昨年1月以降の安値を更新する企業が相次いでいる。
 円相場は、前週末に1ドル=100円を突破し、今週に入ってさらに円高が加速した。野村証券によると、1ドル=95円で推移した場合、金融を除く主要企業347社の来期の経常増益率は1.4%と予想。原油高など他の収益圧迫要因が拡大すれば、減益もありうるという。一方、ゴールドマン・サックス証券は同106円でも、東証一部企業の経常利益が5%減ると予想。足元の円高を考慮すると、減益幅は一段と拡大する。



EPA締結の工程表を・諮問会議、民間議員が18日提案
 政府の経済財政諮問会議の民間議員は18日の会合で、経済連携協定(EPA)締結の推進に向けた2010年までの工程表を策定することを提案する。EPA締結国との貿易額の割合を全体の25%以上に高める政府目標を実現するための目安にする狙い。「骨太方針2008」に盛り込むよう求めるほか、欧州連合(EU)との経済連携の強化も要請する。
 EUとの連携強化では現在、日欧の経済界が民間どうしの研究会を設け、EPA締結をにらんだ意見交換を進めている。民間議員は政府間でも意見交換などの取り組みを進めるべきだと要求する。韓国やオーストラリア、米国との間でもEPA交渉を加速するよう求める。このほか農業構造改革の推進を提唱。企業と若者が参入しやすくなるように農業経営に参入する法人の多様化を促す。



FRB議長「将来、最悪の危機と評価」・米金融不安拡大
 【ロンドン=欧州総局】米連邦準備理事会(FRB)のグリーンスパン前議長は17日付の英フィナンシャル・タイムズ紙への寄稿で「現在の米国の金融危機第二次世界大戦後、最悪との評価を将来受けるだろう」と指摘し、現在の信用不安は短期的なものでなく深刻と警鐘を鳴らした。
 米国の住宅市場が安定を取り戻すまで危機は続くとの見通しを示したうえで、「危機は多くの犠牲者をもたらし、信じられないと驚く事態を覚悟すべきだ」と金融機関の経営危機が今後も続出すると予測。今回の危機を踏まえて、金融機関監督・規制システムの抜本的な見直しが必要になるとの見通しを示した。



伸び悩む家計収入、教育費やりくり難しく・私大生へ仕送り最低
 首都圏の私立大・短大に昨春入学した新入生が実家から毎月受け取る平均仕送り額は、前年より3300円少ない9万5900円であることが、首都圏の私大で構成する教職員組合団体の調査で分かった。調査を始めた1986年以降で過去最低額。調査団体は「家計収入の伸び悩みなどで子供を抱える世帯の可処分所得が減ってきているとみられ、教育費負担が重くなっている」と分析している。
 授業料や入学金、家賃など自宅外通学の学生に1年目にかかる教育費総額は、世帯収入の31.4%に当たる302万円で、前年より1.6%減った。企業の業績回復が家計収入の増加になかなか結びつかない中、保護者が仕送りを抑えていることが教育費総額のマイナスにつながったとみられる。97年の仕送り額は月12万2000円で、10年で2割以上減ったことになる。



スク・エニニフティ、業務提携・ゲーム市場で顧客拡大狙う
 ゲーム大手のスクウェア・エニックスニフティは17日、インターネットを使ったオンラインゲームの開発・運営で業務提携すると発表した。専用のポータル(玄関)サイトを共同で立ち上げ、初心者でも気軽に遊べる「カジュアルゲーム」を中心にラインアップをそろえる。2次元の仮想空間サービスも提供する。
 スク・エニが2月末に全額出資で設立した子会社のスマイルラボ(東京・渋谷、伊藤隆博社長)が、今夏をメドにパソコン向けサービスを始める。動画作成技術「フラッシュ」を使ってオンライン対戦ができるゲームなどを用意する。基本料金は無料で、アバター(ネット上の分身)用のアイテム課金や広告などで収益を得る。



日銀人事案、政府が候補差し替えへ・再提示、18日以降に持ち越し
 政府は17日、次期日銀総裁人事を巡り、参院で不同意となった武藤敏郎副総裁の昇格案に代わる人事案の国会提示を見送った。同日朝に打診した福井俊彦総裁の再任案を民主党は拒否。政府は正副総裁候補を差し替える方向で調整に入ったが、結論がでなかった。18日にも人事案を与野党に示す。福井氏の任期満了を19日に控え、人事の方針や段取りが二転三転する異例の事態になっている。
 福田康夫首相は17日夕、記者団に「空白はつくりたくない」と語った。同時に「民主党の考えがよく分からない。いま調整中だ」とも指摘。円高・株安など金融市場の動揺が続くなかで総裁ポストの空白回避を優先し、民主の意向にも配慮する姿勢を示した。



TSUTAYA・ゲオ、ブルーレイ対応ソフトをレンタル
 音響・映像ソフトレンタル大手のTSUTAYAとゲオが相次ぎ新世代DVD「ブルーレイ・ディスク(BD)」対応ソフトのレンタルに乗り出す。ゲオは4月12日から全約800店で一斉に導入、TSUTAYAは今夏までに全約1300店で扱う。東芝の「HD―DVD」撤退で規格が一本化されたことなどを受け今後、BDの需要が高まると判断した。
 両社ともまず、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」などワーナー・ホーム・ビデオ(東京・港)が発売する45―48作品をそろえる。TSUTAYAは19日から東京、大阪など主要都市の10店で扱いを始め、導入店を順次拡大。グループ企業で手掛ける宅配レンタル事業でも19日からBDを扱う。
 レンタル料金は地域で異なるが新作1泊2日の場合で、TSUTAYAは360―520円、ゲオは400―500円を予定している。両社とも通常のDVDソフトと原則同値という。



米財務長官、為替介入明言せず・「強いドル」政策は変わらず
 【ワシントン=米山雄介】ポールソン米財務長官は17日午後、ホワイトハウス前で記者会見し、外国為替市場で進むドル安に関連し「為替介入の仮説には言及しない」と述べた。同長官は「強いドルは米国の国益」と引き続き強調。「長期的には米国経済は底堅い」と語った。



日経社説 金融有事に日銀総裁人事なお迷走とは(3/18)
 19日に任期切れとなる福井俊彦総裁の後任人事が、なお迷走している。株安、ドル安の震源地である米国は事態収拾の抜本策をとるべきだが、日銀総裁人事の決着も急務だ。福田康夫首相と小沢一郎民主党代表は、金融市場の危機増幅の共同責任を問われている。
 週明け17日はアジア、日本の株式が急落し、日経平均株価終値で1万2000円を割り込んだ。ドルへの信認が揺らぐなか、円は1ドル=95円台に急伸し、12年7カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。
証券救済を迫られた米
 3月決算期末を控えた急速な株安は企業や金融機関の保有株の評価額を下げる。対ドルで2ケタ台になった円相場も、日本企業の輸出採算を悪化させる要因となる。
 国際的な金融市場動揺の根幹にあるのは米国の金融危機だ。米連邦準備理事会(FRB)は16日、金融機関に資金を供給する際の金利である公定歩合の引き下げを決めた。日曜日の緊急利下げ決定が、今の米国が直面する危機の深刻さを示す。
 問題は米国で第5位の証券会社、ベアー・スターンズの危機という形で表れた。資金繰りが急激に悪化していた同社を大手米銀JPモルガン・チェース救済合併することになったが、買収価格は1株当たり2ドル。FRBが約2億4000万ドルの買収資金を事実上提供し、売れ残った在庫資産を投げ売りせずにすむよう最大300億ドルの緊急融資も実施する。
 ベアーはプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)の資格を持ち、本社ビルだけで約10億ドルの資産価値はある。それを大きく下回る買収金額は、保有証券の価値が著しく傷つき、事実上の債務超過になっていた可能性を示唆する。
 サブプライムローン関連の金融資産は売るに売れない状態となっており、今週相次いで12―2月期の四半期決算を発表する大手証券会社に対しても市場の疑心暗鬼が広がりつつあった。FRBは今月に入り相次いで緊急の資金供給策を発表、その総額はFRBのバランスシート(貸借対照表)の半分にも達した。
 それでも信用不安は広がる一方で、ついにFRBが大手証券会社の救済に動かざるを得なくなった。
 注目すべきは、プライマリーディーラーへの公定歩合貸し出しを認めるという形で、FRBが決済を担う銀行ばかりでなく証券会社の資金繰りの面倒も見る方針を打ち出したことだ。証券化商品の急速な信用収縮を踏まえ、「広範な投資適格証券」を公定歩合貸し出しの担保に認めたことは、FRBが市場参加者に代わって商品の値付けをしたうえで、一手買いすることを意味する。
 FRBはさらに短期金融市場の指標となるフェデラルファンド(FF)金利の大幅引き下げに踏み切る見通し。だが、市場機能がマヒするなかでの効果は疑問で、むしろ米金利低下を機にドル相場が一段安となり、ドルへの信認の揺らぎから内外の株安が進む悪循環が懸念される。
 サブプライム問題の傷が小さいはずの日本だが、国際金融の安定役からはほど遠い。日銀総裁人事が暗礁に乗り上げ、経済と金融の安定化に動くべき時間を空費している。
 17日に政府・与党は福井総裁と武藤敏郎副総裁の再任案を打診したが、民主党は拒否した。新たな総裁候補を示して決着を急ぐのではなく、参院で総裁就任を否決された武藤副総裁の再任を持ち出したわけだ。首相のメンツの問題もあろうが、収拾策としては理解しづらい。民主党に拒まれると、その後の調整に手間取って時間を費し、結局この日は新たな案を提示しなかった。
政治がリスクを増幅
 首相の存在感が希薄で、指導力も弱い――政治の迷走がさらに続く懸念が市場の不安をあおっている。
 日銀総裁が政府の言いなりになってはいけないという民主党も、国際金融不安に際してどのようなかじ取りをすべきかの具体論なしでは、政治責任を放棄しているに等しい。民主党は日銀による国債買い切り増額を批判したが、その政策は2003年1月時点で民主党自体がデフレ対策として提案していたのだ。
 今また日本の景気が変調をきたし、米国発の金融危機で日本経済の行く手の暗雲が増している。直近までの円安を考えれば円の価値が持ち直すのは好ましいが、実態は「ドル不安」の裏返しの円の上昇だ。日本だけでは流れを止められない。
 次期日銀総裁は、国際金融の動揺を克服するためにも、バーナンキFRB議長やトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁と早急に意見交換しなければならない。深まる金融危機を米国だけで鎮めようにも限界があり、真の国際協調が必要な段階に差しかかっているのは明らかだ。日銀総裁の空白が生じかねない事態は、最低限の国際的責務を日本の政治が放棄していることを意味する。