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日銀人事、「武藤総裁」再提示は困難・福井氏継続も模索
 政府は17日、与野党対立が続く日銀の正副総裁人事で打開案を与野党に提示する。野党の反対により参院で不同意となった武藤敏郎副総裁を総裁に昇格させる案を再提示するのは難しい情勢。政府は新たな候補者の提示を模索しているが、民主党との調整次第では具体名を正式に示すことができない可能性もある。
 新たな人選が難航した場合などに備え、政府・与党は日銀法を改正して福井俊彦総裁に暫定的に職務を継続させる案の検討も続けている。福井氏の任期満了を19日に控え「総裁ポストの空席回避」に向けた調整は大きなヤマ場を迎えた。



政府、全国に「革新的技術特区」・再生医療など予算重点配分
 政府は科学技術の研究に補助金を重点配分し、規制も大幅に緩和する「革新的技術特区」を創設する。手始めに再生医療などの先端医療を研究する特区を2008年度中に全国に10カ所程度設ける。進歩の速い先端技術の研究で先行するため、産官学の連携を後押しし、日本の競争力強化につなげる狙いだ。
 政府の経済財政諮問会議の民間議員が近く提案するのを受けて、政府が直ちに具体策をとりまとめる。福田康夫首相は諮問会議が議論してきた成長戦略の一部を前倒しで実施するよう各閣僚に指示しており、新しい特区は4月初めにまとめる早期実施策の柱となる。



電気通信事業者協会、会長に孫ソフトバンク社長
 通信事業者の業界団体である電気通信事業者協会(東京・港)は14日、ソフトバンク孫正義社長が4月1日付で会長に就任すると発表した。任期は1年。副会長には田辺忠夫ケイ・オプティコム社長と中村維夫NTTドコモ社長が就く。同協会の会長職は大手企業トップが持ち回りで務めており、既存の業界秩序に異議を唱える孫氏にもお鉢が回ってきた。
 同協会は携帯電話の契約数などの統計をまとめるほか、通信にかかわる業者間の調整や一般への宣伝活動などを手がけている。3月いっぱいで任期が切れる現会長はNTTの三浦惺社長が務めており、孫氏も副会長に就いていた。



進む円高、個人マネー外貨預金へ・米ドル建て、残高増
 外貨預金に資金が流入している。外国為替市場では米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題をきっかけに昨夏以降、円が対ドルで上昇。外貨が割安になり、個人の投資意欲が高まったためだ。金融機関も低迷していた外貨預金の獲得に再び力を入れ始めた。
 円相場は今月13日、12年ぶりに1ドル=100円の大台を突破。ここへきて円高・ドル安が一段と進み、一時98円台で取引された。円が高い今のうちに、割安になった外貨で運用しようとする個人が増えている。



スタイライフ、「CanCam」と連携し通販
 アパレル通販のスタイライフ小学館と提携し、人気女性誌「CanCam」専用の通販サイトを開設する。誌面で紹介された衣料品などを手軽にネット上で購入できるようにする。女性誌との連携では同業大手のマガシークが先行している。婦人服は雑誌に掲載された商品が人気を集める傾向が強いだけに、アパレル通販業界での提携誌獲得競争が激しくなりそうだ。
 今月下旬発売予定の「CanCam」5月号にあわせ、専用通販サイト「CanCamファッションモール」を開設する。特集などに掲載された20程度のブランドの商品をモール上で販売する。ネット販売での売上高のうち5―9%程度を手数料として発刊元の小学館に支払う。



G20閉幕、温暖化対策で新枠組み・日本のかじ取り多難
 地球温暖化に関する主要20カ国閣僚級会合(G20)は16日、2012年に期限が切れる京都議定書の次の枠組み(ポスト京都議定書)のあり方などについて討議し、閉幕した。今回で最後となるG20の後の体制に関して、先進国と中国やインドなど途上国が参加する新たな対話と議論の場を創設する必要があるとの認識で一致した。
 参加国の温暖化ガス排出量は世界の8割を占める。会合では各国が同じテーブルで対話を続ける必要があるとの認識を共有。7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)議長国の日本が新たな対話の場の設置を近く関係国に提案し、同サミットでの合意を目指す。
 共同議長を務めた甘利明経済産業相は「先進国と途上国が協力して地球環境に貢献するという固い結束が確認された」と総括。鴨下一郎環境相は同日の演説で、鉄鋼やセメントなど産業ごと、オフィスや家庭など分野ごとに共通の指標を設けて、温暖化ガスの削減を進める「セクター別アプローチ」を検討するための国際的な検討会を5月に開く方針を表明した。



社長100人アンケート、「景気悪化」23%に・本社調査
 日本経済新聞社が16日まとめた「社長100人アンケート」によると、国内景気が「悪化している」との回答が23.8%に達し、昨年12月に実施した前回調査(7.5%)の3倍に増えた。円高の急進や米国経済の急減速に対する警戒感を強めている。同時に実施した「地域経済500調査」でも回答者の3割が景気は「悪化」に転じたと回答。原材料高も経営を圧迫しており、設備投資の意欲が鈍化するなど守りの姿勢が強まっている。(詳細は17日付日本経済新聞朝刊、日経産業新聞に)
 社長100人アンケートは国内主要企業の社長(会長、頭取などを含む)を対象に3月中旬に実施、134社から回答を得た。地域500は地元有力企業や事業所、団体のトップ422人から回答を得た。



財務省国債の需給管理で新手法導入
 財務省は2008年度から、長期金利の急激な変動を回避するため、新たな国債の需給管理手法「特別流動性供給入札」を導入する。市場での人気が高い銘柄の需給が逼迫(ひっぱく)し、金利が不安定になる懸念がある場合に、市場参加者からの要請を受けて緊急実施する仕組み。同省が19日に開く国債投資家懇談会で意見を聞いたうえで正式採用する。
 財務省は市場で人気の高い銘柄が不足するのを避けるため、同じ銘柄を追加発行する「流動性供給入札」を実施している。新制度は同入札でも対応しきれず、予期せぬ需給の逼迫が発生した場合の安全網としての役割を担う。



18日にFOMC、米追加利下げへ・下げ幅が焦点に
 【ワシントン=藤井一明】米連邦準備理事会(FRB)は18日、米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。インフレ圧力よりも景気への刺激を優先する姿勢を貫き、政策金利の追加の引き下げに踏み切る見通し。下げ幅を巡り市場などでは0.5%から1%まで見方が交錯している。終了後の声明で追加の金融緩和に含みを残すかどうかも焦点だ。
 一方、ブッシュ大統領は17日、ホワイトハウスバーナンキFRB議長やポールソン財務長官ら金融市場に関する作業部会のメンバーと会う。大統領直属の同部会が13日まとめた金融監督や規制の見直しに関する報告を受け、政府とFRBが協力して市場の安定化に注力する方針を確認するとみられる。



中国全人代温家宝首相を再選・格差是正など課題に
 【北京=佐藤賢】中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)は16日の全体会議で、温家宝首相(65)を再選した。15日に胡錦濤国家主席(65)を再選したのに続き、17日には副首相ら温内閣の布陣を決め、二期目の「胡―温体制」が発足する。インフレ抑制や貧富の格差是正などに加え、チベット問題も大きな課題として抱えたスタートになる。
 温氏への投票結果は批判票が有効投票の1.1%だった。2003年に選ばれた際の0.6%より多かったが、高支持率を維持した。15日に再選した胡国家主席への批判票は0.3%で、一期目の「胡―温体制」は高い信任を得た格好。温首相は調和社会の構築を推進する方針だが、経済政策や8月の北京五輪、国際社会との協調など課題は山積している。
 16日の全人代では、国家中央軍事委員会の副主席に郭伯雄(65)、徐才厚(64)の2人を再任。委員には国防相に就任する見込みの梁光烈氏(67)ら8人を選出した。



イラク戦争5年 米国の力の低下が心配だ(3月17日付・読売社説)
 開戦から5年。混迷が続くイラク情勢は、米国の重荷となっている。
 こうした状況が東アジアの安全保障に対する米国の役割、責任の低下につながってはいないか。日本にとっても重要な問題だ。
 米英が開戦の理由とした大量破壊兵器は、結局存在しなかった。米軍の死者数は約4000人にのぼる。イラク人の死者は、推計で10万人とも15万人とも言われる。それでもまだ、イラクで平和定着の確かな光明は見えない。
 ◆フセインが招いた戦争◆
 こうしたことから、イラク戦争を「大義なき戦争」とする批判がある。だが、開戦に至るまでの長い前段を忘れては、問題の本質を見誤る。
 2001年9月11日の米同時テロ後、米国は、大量破壊兵器の開発と拡散の疑惑がある「ならず者国家」への警戒を強めた。
 国連安全保障理事会の諸決議に違反し、湾岸戦争後10年以上も大量破壊兵器の廃棄検証義務を果たさないイラクフセイン政権に疑いの目を向けたのは当然だ。
 国連査察の拒否という義務違反をこれ以上続ければ「深刻な結果に直面する」とした安保理決議1441で、イラクはようやく受け入れに転じた。
 だが、その後も、査察には限定的な協力しかしなかった。米英の兵力増強という圧力がなければ、それすら実行しなかったろう。
 大量破壊兵器が存在しないのであれば、それを挙証して戦争を回避できたはずである。それをしなかったフセイン政権の側に、戦争を招いた非がある。
 世界中が、イラク大量破壊兵器保有していると考えていた。現に、イランや国内クルド人化学兵器を使用した前歴があった。日本では、開戦後、イラク化学兵器を使うな、といった社説を掲げた有力紙もあった。
 イラク戦争では、米英と仏露独との対立で、安保理が機能不全に陥った。当時の状況では、米英が武力行使に踏み切り、日本がそれを支持したのは、やむを得ない選択だったと言える。
 ブッシュ米大統領イラクを攻撃する米国の目的について、「イラクの脅威を取り除き、統治を国民の手に戻す」ことをあげた。
 5年後の今、イラク民主化はもくろみ通りに進んでいない。戦後統治の準備が万全であれば、今日ほどの混迷はなかっただろう。
 ◆甘かった戦後の見通し◆
 ブッシュ米政権は、異なる宗派、民族によるイラク国内の歴史的な確執を軽視し、すべてを軍事力で解決できると過信していた。
 昨年の米軍増派によって、治安悪化にはひとまず歯止めがかかった形だ。だが、14万人の駐留米軍の存在が依然として治安の要である状況に変わりはない。米軍駐留は長期化する可能性が高い。
 問題は、イラクの混迷が、国際社会における米国の指導力低下を招き、世界の安定に影を落としている点にある。
 米国は、イラクの安定化へ、本格政権の自立支援だけでなく、中東全体の安定に向けた外交の成果をあげる必要がある。それが次期政権の最優先課題でもあろう。
 イラクの安定は、原油の9割を中東からの輸入に頼る日本にとっても重要だ。人的貢献と復興支援は続けねばならない。
 イラク特措法の延長で、航空自衛隊の輸送業務活動が続いている。その内容や意義への国民の理解を深めることも大切だ。
 イラク戦争の影響は、東アジアの安全保障にも及んでいる。日本にとっては深刻な問題だ。
 イラク戦争と並行して、北朝鮮核兵器開発を公然と再開し、ミサイル発射や核実験を強行した。北朝鮮は、イラク核兵器を持たなかったために攻撃された、と自らの核保有を正当化している。
 日本の安全保障環境は北朝鮮の核実験で劇的に悪化した。
 東アジアでは、台頭する中国の軍事的な膨張も目立つ。中国軍の幹部が、米軍幹部に太平洋を分割しようと提案したという。そんなことが現実になれば、日本は中国の軍事的圧力にさらされ、国家としての存立も危うくなる。
 ◆日米同盟強化が大事だ◆
 米国がイラク情勢に足をとられ、東アジアでの影響力が減退していく状況は、日本として看過できない。米国の軍事力を背景にした圧力が、北朝鮮に核廃棄の決断を迫る重要なテコとなる。米国の力が弱まれば、北朝鮮は核廃棄に動くわけがない。
 日本は、東アジアの安定と繁栄をどう確保していくのか。そのためには緊密な日米関係を維持すべきだ。この地域での米国の力の弱体化は、日本の国益を損なう。
 東アジアの重要性について米国と認識を共有し、日米の連携が地域の発展に役立つことを確認していかなければならない。