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ソフトバンク、次世代PHS通信に中国方式 世界最大手と組む
 携帯電話の世界最大手、中国移動通信集団(チャイナモバイル)が普及を進める通信方式を、ソフトバンクが次世代のPHSサービスで導入することが26日、明らかになった。機器や基地局の調達コスト軽減で端末や通信料金の引き下げにつながるとともに、日本と中国の契約者は1つの端末を両国で使えるようになる。勢力を拡大する中国方式が初めて日本に入ることで、国内に閉じてきた携帯関連市場は国際競争の波にさらされる。
 ソフトバンクは会社更生手続きを進めているPHS大手ウィルコムを支援中。今夏にも同社から引き継ぐ次世代PHSの通信規格で、中国移動の方式を導入する。
 次世代PHS規格で端末を開発するメーカーは京セラなど一部に限られ、商用サービスを展開するのもウィルコムだけ。基地局や端末の調達コストが高く付いていた。
 中国移動が2011年以降に導入する次世代通信方式は携帯電話の規格だが、ウィルコムの次世代PHS規格と要素技術が同じで、規格の改良を通じて共通化できる。ソフトバンクは免許条件に抵触しないように総務省などと調整して進める。
 中国移動は加入者が5億人を超す携帯サービスの世界最大手。ソフトバンクは中国移動向けに開発された端末や基地局などを大幅な手直しなしに利用することで投資負担を抑えられる。通信をつながりやすくする対応にも資金を充てられる。
 エリクソンスウェーデン)など世界の通信機器大手も中国市場を狙い、中国移動の次世代方式に対応した基地局や端末を開発中。これが進めば、ウィルコムの契約者は端末や通信料金の低廉化がさらに期待できる。ウィルコムと中国移動の契約者は同じ端末のまま中国と日本でデータ通信を利用できるようになる。
 ウィルコムは日本でデータ通信を開拓してきたが、音声でも携帯電話に対抗したため、経営が悪化。NTTドコモやイー・モバイルもデータ通信で存在感を高めている。



中国、ハイテク規格を主導
 中国移動が次世代の携帯電話サービスを巡る合従連衡で注目されてきたのは、13億人の市場を抱える中国がハイテク分野の規格で存在感を増してきた象徴といえそうだ。
 中国移動の次世代通信規格は、インドでも導入を検討する通信会社がある。同方式が広がれば、NTTドコモがサービスを始める予定の次世代規格への対抗勢力として育つ可能性もある。
 電気自動車の充電方式でも、日本勢は中国などとの連携を視野に入れている。東京電力など5社は3月に協議会を設け、方式の国際標準化で協力を進める。各社は米国企業とも連携を探るが、アジア諸国の政府機関とも協力して規格の世界標準化に乗る構え。ハイテク分野では日米欧で規格を統一するか、互いに争う構図が続いてきたが、今後は中国などが軸となって競争が激化しそうだ。



au、通信速度を下り最大9.3Mbpsに高速化へ
 KDDIは2010年度中にau携帯電話の通信速度を下り最大9.3Mbpsにまで高速化する計画であることを明らかにした。複数の周波数帯を束ねて使う「マルチキャリア化」という技術を使う。
 現在はEV-DO Rev.Aという技術を使い、下り最大3.1Mbpsの速度を実現している。マルチキャリア化により、これを3倍に高速化する考えだ。
 「マルチキャリア化は(基地局の)ソフトウェアの変更で対応できる。周波数の効率的な利用が可能になるほか、LTE導入までの競争力維持にも有効に働く」と小野寺氏は狙いを語った。
 このほか、増加するデータ通信量に対応するため、無線LAN対応機種を増やす。「携帯電話は夜、自宅での利用が多い」(小野寺氏)といい、無線LAN経由でモバイルインターネットを利用してもらうことで、回線の負荷を下げたいとした。
 また、フェムトセルと呼ばれる小型基地局も今夏に提供開始する。基地局を設置するには固定の通信回線も必要になることから、KDDIにとって固定、移動体事業両方での収益が見込めるという。
 「モバイルブロードバンドが進むほど、固定ブロードバンドはビジネスに欠かせないものになる。もともと移動体通信の収入は落ち込むと見込んでおり、固定通信の増収が必要だと考えてきた。これまで採ってきた戦略は間違っていない」(小野寺氏)。なお、フェムトセルについてはNTTドコモソフトバンクモバイルも取り組んでおり、ソフトバンクモバイルは5月10日から無料フェムトセルの申し込みを受け付ける予定だ。



「しずかちゃんの入浴」「ワカメちゃんパンチラ」はOK 2次元児童ポルノ規制条例で東京都
 「しずかちゃんの裸はOK−」。子供の性行為を描く漫画など「2次元児童ポルノ」規制に向け、東京都が可決を目指す青少年健全育成条例の改正案で、都は26日、都民らから多数寄せられた質問25問と都側の見解をまとめ、都HPに掲載した。
 規制対象“外”の一例として、「ドラえもん しずかちゃんの入浴」「サザエさん ワカメちゃんのパンチラ」「新世紀エヴァンゲリオン レイやアスカのヌード」といった具体例を列挙するなど踏み込んだ内容となった。
 「改正案質問回答集」によると、「『表現の自由』の侵害ではないか」との懸念には「(規制対象となる作品を)創(つく)ることや出版すること、18歳以上が買ったり見たりすることはこれまで通り自由だ」とし、定義が曖昧(あいまい)と批判された「非実在青少年」について「年齢、学年の明確な描写やセリフ、ナレーションで明らかに18歳未満に設定されているキャラクター」と規定した。
 一方、規制対象は「いわゆる『エロ漫画』のうち、子供との性行為がメーンとなっているもの」。「(非実在青少年の)悪質な性行為シーンを『売り』にしたものに限られ、(近親相姦や婦女暴行といった)通常の子供が経験する性交と明らかに別物」とし、性交や類似行為の種類についても「性交はセックス。類似行為はフェラチオ手淫、アナルセックスなど」と明記した上で「裸の2人が折り重なる」などの性交を示唆する描写は対象外となるとした。
 このほか、小説を規制対象としない理由を「小説はその表現に用いられる言葉がさまざまであり、それを読んだ人の年齢、性別、経験、読解力などにより、とらえ方や感じ方が千差万別で、絵のように一律・具体的・客観的な印象を与えるものとはいえない」と説明。また、コミックマーケットでの販売には「個人の趣味の範囲でのやり取りで、同人誌ショップとは違い『青少年に販売しないよう自主的に取り組む』対象とはならない」とする一方、「販売会の主催者には条例の趣旨を理解し、子供への販売には適切に対応するよう協力を願う」とした。
 都は「あまりにも問い合わせが多く、継続審議となり都民への周知が不十分だったとの指摘もあった。条例の文言にこだわらず、分かりやすい表現に努めた」としている。
 質問回答集の詳細は、都青少年・治安対策本部HP(http://www.seisyounen−chian.metro.tokyo.jp/)。



「TSUTAYA」に中古本スペース CCC、6月から
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、6月から独自に中古本事業を始める。これまで中古本最大手のブックオフコーポレーションと協力して同事業を手がけてきたが、同社がCCCのポイントサービスを離脱することを受け、自社での買い取り・販売に切り替える。来年度から年間50店ペースで売り場を開設する。
 CD・DVDレンタル店「TSUTAYA(ツタヤ)」に中古本を取り扱うスペースを開設する。まず6月に都内の直営店で買い取り・販売を始め、今秋以降にフランチャイズチェーン店舗にも広げる。ツタヤは全店の4割にあたる約600店で書籍を扱っており、中古本も品ぞろえして集客力を高める。
 CCCはこのほどインターネット上で中古本事業を手がけるネットオフ(愛知県大府市)に30%出資した。出資額は明らかにしていないが、自社展開を控えて、中古本の仕入れなどに関するノウハウを吸収することが目的だ。
 ブックオフとツタヤは併設する形で約10店舗を出店してきたが、ブックオフがCCCのポイントサービス「Tポイント」を「売り上げに寄与しない」として9月末に扱いを停止する方針。CCCも新刊本との相乗効果が期待できる中古本事業を拡大するのに、ブックオフの出店計画に縛られることは不都合な面があった。



三洋、家庭用エアコン開発・生産撤退へ
 三洋電機が家庭用エアコンの開発・生産から撤退する方針を固めたことが26日、分かった。親会社のパナソニックとの重複分野を解消する一環で、中国での自社生産を中止し、同社を含む他社からの調達に切り替える見通し。販売は継続する。一方、炊飯器などでは「コラボ商品」という名称で両社の強みを結集した白物家電を共同開発し、早期に相乗効果を高める。
 三洋は昨年末に親会社となったパナソニックとの間で、今年初めから重複分野解消に向けた協議を本格化。類似商品の多い白物家電は、三洋が売却方針を決めている半導体とともに焦点の一つだった。三洋は物流子会社やモーター事業も売却する方針。
 三洋の家庭用エアコンは国内向けの全量を他社から調達。海外は中国・瀋陽工場で自社生産し、同国や欧米市場に供給している。今年度中にも開発・生産から撤退し、全量を他社調達に切り替える。業務用空調機器の開発・生産は続ける。
 一方、炊飯器やホームベーカリーなど三洋の強みを生かせる白物家電では、パナソニックとの共同開発品を2012年度までに商品化する計画だ。炊飯器の場合、釜内をまんべんなく加熱できる機能など三洋の独自技術とパナソニックの高い生産効率を生かして相乗効果につなげる。



繊維輸出1兆円目標 経産省研究会、アジアに照準
 ファッション業界の将来について議論する経済産業省の「今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会」が26日、最終報告書をとりまとめた。今後の市場拡大が見込めるアジア地域にターゲットを絞り、テストマーケティング事業や中小企業の支援策などを強化する方針を盛り込んだ。
 強くて軽い炭素繊維といった、日本が高い技術力を持つ商品の展開も進める。2009年は約6800億円だった繊維・ファッション関連品の輸出額を今後3年間で8000億円以上に高め、将来的に1兆円を目指す。



アジアの研究者 ビザ免除
政府検討、先端分野で交流支援
 政府はアジアからの外国人研究者がビザ(査証)なしで日本に入国できる制度の導入を検討する。国際的な共同研究や学術交流を促進するためで、環境や医療など先端分野では数十億円規模の新ファンドを通じた支援も進める。アジア地域とのヒト・モノ・カネの交流を通じて科学技術分野の活性化を目指す。
 内閣府文部科学省など関係省庁と調整に入った。6月中にまとめる新成長戦略で「アジア科学技術エリア構想」として示す。ビザ免除はアジア地域から入国する、90日以内の短期滞在の研究者らが対象。現状では学会出席などでビザなし入国が認められるのは欧米や韓国などの研究者に限られ、中国や東南アジアの研究者らはビザの取得に原則5日程度が必要になる。
 先端分野の共同研究を活発化するため、日本を中心に「アジア研究ファンド」を創設する。まず数十億円規模で運用を始め、中国や韓国などの幅広い国・地域にも出資を呼びかけて多国間研究の枠組みを整える。
 温暖化対策や食料・水資源の確保を重点分野と位置付けるほか、感染症や自然災害への対策にも資金を拠出する。日本の研究施設をアジア地域に移して共同研究を進める計画もある。このほか、人材交流を加速するため、日本での留学生の受け入れを増やすほか、大学間の連携協定も広げていく方針だ。



NPOバンクは適用除外 改正貸金業法の総量規制
 金融庁は26日、6月18日に完全施行される改正貸金業法の運用改善策として、非営利金融の「NPOバンク」は、借入残高が年収の3分の1を超える貸し付けを禁じる「総量規制」の適用除外とすることなどを盛り込んだ内閣府令の改正案を発表した。5月25日まで意見を公募し、決定する。
 NPOバンクは、総量規制の前提となる指定信用情報機関の利用義務付けについて、費用負担が重いことや、NPOバンクの融資が消費者金融からの借金と同一視され、融資先の不利益となると主張していた。
 適用除外を認めるNPOバンクは、貸付金利が年7・5%以下で、貸付残高が過剰とならないことが条件。「生活困窮者向け」だけでなく、環境や福祉分野など公益性のある活動をするNPOバンクを幅広く認めた。
 改正案ではこのほか、多重債務問題の解決を促すため、月々の返済額が減るローンへの借り換えは総量規制の例外とした。個人事業者の事業所得の一部も総量規制の基準となる年収として認め、融資を受けられやすくする。



日経社説
統合だけでは片づかぬ関空
 前原誠司国土交通相大阪府橋下徹知事が関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港を経営統合することで大筋合意した。2つの空港の運営を一体化したうえで、民間に売却したいとしている。
 関西にはこの両空港と神戸空港の3空港があり、空港の過剰が指摘されてきた。経営状態が比較的良い伊丹の運営を国が手放し、空港間の初の再編が進むことは歓迎していい。全国に98もある空港を再編・効率化する先駆けにもなる。
 だが、単に両空港の経営を統合するだけでは意味がない。
 国交省はかつて、関空救済のため成田、中部、関西の3空港の土地や施設を統合する「上下分離」の再編を試みた。3空港の収支をごちゃまぜにし、実質的に成田の利益を関空に回そうとして批判を浴び、撤回した経緯がある。今回も、伊丹の利益を関空の赤字の一部穴埋めに回すだけなら問題解決にならない。
 現実的な問題として、リニア中央新幹線が大阪まで開通したら、東京との空の便の利用客減少に伴い伊丹は廃港になる予定だ。いずれなくなる伊丹と関空の統合会社に、民間から出資を募ることは可能だろうか。
 1兆円を超す負債を抱える関空の経営が、統合で改善に向かうかも疑問だ。会社更生中の日本航空関空発着の路線や便を大幅に減らす方向で検討している。利用率がさらに低下するのでは、新会社もすぐに壁にぶつかる。関空自体の立て直しの青写真を早く示す必要がある。
 関空は2本の4000メートル級滑走路を持ち、海上空港なので国内では唯一、離着陸を24時間認められているが、空港へのアクセスが悪い。国交相と知事の合意は、期限を設けて空港へのアクセスをどれだけ改善するかなどの具体策に触れていない。リニアと関空の接続を期待する向きもあるが、それは20年も先だ。
 関空の利用を増やすには、海外から「LCC」と呼ばれる低コストの運航会社を積極的に誘致するなどの戦略も必要だ。思い切って、アジア・太平洋地域の低コスト運航会社用ハブ空港にするような、新しい発想があってもいい。そのためには、着陸料引き下げなど空港政策全般の見直しも求められる。