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アナログ跡地の「携帯向けマルチメディア放送」は誰が何に使う?(COLUMN)
 地上デジタル、BS、CS、ケーブルテレビ、ワンセグ、IPTVなど、放送の細分化は際限なく続いている。2011年7月に地上アナログ放送が停止された後、跡地の電波を利用してさらに「携帯向けマルチメディア放送」が開始される予定だが、細分化の流れの先に展望はあるのだろうか。
 現在の地上アナログ放送はチャンネルナンバーで1から12チャンネルまでがVHF帯域の電波を使っている。そして13から62チャンネルがUHF帯域である。これまで1から12チャンネルの周波数帯域を使っていたテレビ局は、デジタル放送ではすべてUHF帯域内に移動して放送している。
 現在はアナログとデジタルの両方で地上波を流しているが、アナログ放送が11年7月24日に予定どおり完全停止されれば、VHF帯域は空きスペースになる。これを利用した新しい放送として計画されているのが携帯向けマルチメディア放送である。
■携帯キャリアが主導
 計画では、VHF帯域のうちVHF-Lowと呼ばれる1から3チャンネル帯域は地方ブロック向けの放送に割り当て、VHF-Highと呼ばれる4から12チャンネルでは全国向け放送を行う方針になっている。
 VHF-Highでは少なくとも2つの陣営がサービスを予定している。1つがNTTドコモフジテレビジョンなどが中心となり、ソフトバンクも参加予定の事業会社マルチメディア放送で、「ISDB-Tmm」という技術方式を採用する。もう1つが米クアルコムKDDIが中心となって設立したメディアフロージャパン企画で、方式は「MediaFLO」である。
 ここで展開される予定のサービスは、携帯電話に内蔵された受信機を使って見ることになる。つまり11年以降の携帯電話には、かつてカメラやワンセグチューナーが徐々に搭載されていったのと同じように、新サービス用の受信機が内蔵されるわけだ。
 ところがワンセグはどの携帯キャリアの端末であっても同じ放送を見ることができるのに対し、この2陣営の放送には技術的に互換性がない。しかも、携帯キャリアがそれぞれの陣営を主導しているため、1台の携帯電話ではどちらか一つしか見ることができない可能性が高い。
 携帯向けマルチメディア放送は、放送波を利用した一斉同報機能と携帯電話網を利用した通信を組み合わせながら多彩なサービスを提供する計画で、通信機能なしでは成り立たない。そのため携帯キャリア系列での企業グループが形成されているのである。
 ちなみにVHF-Lowでは、東京FMを中心としたV-LOWジャパンが名乗りを上げている。技術方式は「ISDB-Tsb」である。またIPDCフォーラムという団体は放送波でIPパケットを送る方式を提唱している。
■多機能だが複雑な事業形態
 現時点はまだ各陣営が参入表明をしたばかりの段階だが、それを差し引いても複雑な構造で、サービスの中身の話をする以前に理解が追いつかないほどだ。
 かつての放送は地上波テレビやAM、FMラジオに限定されたシンプルな時代だったが、BS、CSに始まってシステム・サービスの多様化はどんどん進み、そこにインターネット、ワンセグが加わった。今回はさらに携帯向けマルチメディア放送である。マルチメディアという一般用語が新しい放送サービスの名称に使われ、さらに事業者名にもなっていることがややこしさに輪をかけている。
 放送事業者はこうした細分化や多様化により多機能性を手に入れるわけだが、一方でメディアとしての1つひとつの影響力は小さくなる。それが悪いということではないが、一極集中とは完全に別の方向にある。
■大型投資が必要 事業性はあるのか
 携帯向けマルチメディア放送は、そのサービス内容や市場見込みと比較して投資金額がかなり大きくなるとみられる。全国規模で新たに電波を出そうとすれば当然だろう。数百億円単位の投資が必要だとすれば、それを回収するモデルを構築するのはかなり困難であるに違いない。
 比較的最近の例では、携帯向け衛星放送サービスのモバイル放送、蓄積型放送サービスのイーピー放送などがあるが、今回の携帯向けマルチメディア放送も先行きは決して明るくない。マーケティングブランディングワンセグのように一つではなく、利用者に認知させることすら一苦労だろう。
 事業モデルとしては、BtoCやBtoBtoC、つまり視聴者からの受信料金と広告を組み合わせることなどが考えられるが、複雑なサービス体系やキャリアごとに市場が限定されるという制約があるなかでの事業は簡単ではないはずだ。とすれば、この伝送路は完全にBtoB向けに利用し、放送というよりむしろ一斉同報型のインターネットとして既存のウェブ上の様々なサービスを取り込んだほうが現実的ではないかと考えている。
 たとえば、チューナー内蔵のデジタルフォトフレームデジタルサイネージ端末で既存のウェブ上にあるコンテンツを部分的に切り出して表示させる。VHFの放送波で大量のIPパケットを送る一方向の配信でも、店舗や企業、家庭のニーズはさまざまにある。チラシやクーポンなどはわかりやすい例だ。あるいは災害時などを想定して、地上の有線・無線ネットワークをバックアップする役割を担わせたり、道路の信号機や鉄道の運行管理などに応用することも考えられる。
 マルチメディア放送という言葉には、「動画+音声+テキスト+双方向」あるいは「放送と通信の融合」といったイメージがあるが、果たしてそんなニーズがこれまであったのかどうかをまず考えた方がいい。「マルチメディア(放送)」のあり方は、決して多機能モバイルエンターテインメントサービスだけではないはずだ。



サッカーW杯、日本はオランダ・カメルーンデンマークと同組
 【ケープタウン南アフリカ)=武智幸徳】サッカーの2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会1次リーグの組み合わせ抽選会が4日、当地で行われ、4大会連続4度目の出場の日本はオランダ、カメルーンデンマークと同じE組に入った。シード国のオランダは世界ランク3位、カメルーンは同11位、デンマークは同26位で、いずれも同43位の日本より上位に位置する。
 日本は6月14日にブルームフォンテーンカメルーンと、同19日にダーバンでオランダと、同24日にルステンブルクデンマークと対戦する。開幕戦は同月11日、ヨハネスブルクでA組の開催国、南アフリカとメキシコが激突する。
 岡田武史・日本代表監督の話 ようやく明確な目標ができた。オランダ、カメルーンと、やりがいのあるグループ。僕らより力が上かもしれないが、十分対応できる範囲。そんなに悪くない。ベスト4という目標を変えるつもりはない。



トヨタ、米中で工場建設再開 年産20万台、10年度稼働へ
 トヨタ自動車は米国と中国で新工場建設を再開する。両工場の年産能力は計20万台で、ともに2010年度中に稼働させる計画。トヨタは昨秋の金融危機後の販売急減を受け、大型投資案件を凍結。一部工場の生産ラインを休止するなど、余剰生産能力については削減する方針。ただ成長市場の中国と、急激な円高で日本からの輸出採算が悪化している米国での戦略投資は、競争力維持に不可欠と判断した。
 米国で建設を再開するのはミシシッピ工場。07年4月に着工し、当初は約13億ドルを投じ、10年からハイブリッド車プリウス」を生産する計画だった。金融危機で稼働時期は未定となっていた。建屋はすでに完成しているが、生産設備は納入していない。



米の雇用減、大幅に改善 11月1万1000人、失業率は10%に低下
 【ワシントン=御調昌邦】米労働省が4日発表した11月の雇用統計によると、失業率(軍人を除く)は10.0%となった。前月に比べて0.2ポイント低下し、4カ月ぶりの改善となった。非農業部門の雇用者数は1万1000人の減少にとどまり、前月の改定値(11万1000人減)からマイナス幅が縮小した。市場では予想を上回る改善を受け米株やドルが買われる展開となっている。
 11月の失業率は市場予測の平均(10.2%)を下回り、雇用者数の減少も予測(12万5000人減)より少なかった。
 雇用者数の減少は23カ月連続となったが、このうちで11月のマイナス幅が最も小さかった。米企業は依然として従業員を増やすことには慎重な姿勢を崩していないが、新たな失業者の発生は減ってきている。失業者数は1537万5000人で、前月に比べてわずかに減少した。



JT木村社長、たばこ増税で消費動向懸念
 日本たばこ産業(JT)の木村宏社長は4日、政府税制調査会が2010年度に1本あたり2〜3円規模のたばこ税引き上げを検討していることについて「民営化後、最大の増税幅で消費への影響は見通せないほど大きい」と語った。
 仮にこの規模の増税が決まれば平均的なたばこ1箱(20本入り)の価格は現在の300円が340〜360円になる。木村社長は「消費が縮小した分を増税幅以上の値上げで補う」と改めて強調した。



中国のオンラインゲーム売上高、2012年は約9500億円に
 香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は4日、中国のインターネットゲームの売上高が2012年に731億元(約9500億円)に達する見通しだと報じた。今年の売上高は約260億元の見込み。
 同紙によれば、ネットゲームのプレーヤーは現在の1億700万人から来年は1億3900万人、12年には2億7220万人に増える見込みだという。



【産経主張】普天間問題 年内決着へ再考が必要だ
 鳩山由紀夫首相はいったい、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題をどう決着したいのか。最近の発言はこれまで以上に揺れ動いており、真意のほどもわからない。
 米国側も表面上はともかく、途方に暮れるばかりだろう。日米同盟の信頼性を損ない、日本の安全保障をきわめて危うくしている。これで国民の安全と繁栄を守る国家の責務を果たすことができるのだろうか。
 年内に決着させるべきだ。再考を強く求める。
 11月13日のオバマ米大統領との首脳会談で、首相は「私を信じてほしい」と訴え、早期決着の必要性で一致した。
 先月30日の沖縄県仲井真弘多知事との会談では「日米両政府の作業部会の結論を待って対応したい」と、早期決着を目指す姿勢を示していた。
 ところが首相は3日、日米合意であるキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)以外も検討するよう、岡田克也外相や北沢俊美防衛相ら関係閣僚に指示した。
 さらに4日には記者団に対し「日米合意は重いが、辺野古しかないのか」「あらゆるものを検討しろと言っている」などと語り、嘉手納基地への統合案に言及したほか、新たに沖縄駐留海兵隊8000人と家族9000人が移転するグアムも検討対象に挙げた。
 その一方で、「辺野古は生きている」と日米合意も選択肢として残した。
 発言が揺れる背景には、社民党が連立離脱をほのめかしたこともあった。現実的な選択肢として、日米合意の一部修正案などが有力視されると、4選となる党首選を控えた社民党福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)が「重大な決意をする」と発言して首相を牽制(けんせい)した。国民新党も同調した。
 国内政治の要因に外交・安保政策が左右されてはならない。政権の中心をなす民主党が責任をもって意思決定すべき案件だ。
 米側から見れば、さらなる迷走を重ねた上、国家の安全よりも連立政権の内部事情を優先させるかのような選択は二重の意味で失望と不信に拍車をかけただろう。
 来年は1月の名護市長選、11月の沖縄県知事選や夏の参院選がある。決着の遅れは事態を複雑化し、決断を難しくする。そうなる前に鳩山首相が責任をもって結論を出さなくてはならない。