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KDDI、マルチキャリア化によりEV-DO Rev.Aを高速化――LTE導入までの競争力を確保
 KDDIの小野寺正氏は、LTE(Long Term Evolution)導入を前にEV-DO Rev.Aをマルチキャリア化することで、現行ネットワークを高速化することを明らかにした。
 KDDIは2012年のLTE導入を計画しているが、競合のNTTドコモが2010年秋のLTE商用サービス開始を目指ているほか、ソフトバンクモバイルイー・モバイルも2012年前後のLTE導入を前に、HSDPA/HSUPAを高速化したHSPA+(HSPA Evolution)と呼ばれる通信技術を採用するとみられている。
 KDDIはこうしたLTE導入までの競争環境を踏まえ、現在提供している下り最大3.1MbpsのEV-DO Rev.A方式をアップデートして、「次世代通信規格が始まるまでの競争力を確保する」(小野寺氏)考えだ。
 またLTEの導入時期については、KDDIが望む帯域幅10MHzの800MHz帯が、2012年の周波数再編まで空かないため、前倒しできない。再編以前でも帯域幅5MHzの周波数を使うことができるが、小野寺氏は「5MHz幅で始めてあとからスピードを上げるくらいなら、初めから5MHz幅で行いたい」と導入の前倒しがないことを示した。
 マルチキャリア化はパケットを複数の変調波(マルチキャリア)に乗せて伝送するもので、EV-DO Rev.Aの上位規格「EV-DO Rev.B」の技術を応用したもの。なお、KDDILTE採用とともにEV-DO Rev.Bの導入計画を解消している。
 EV-DO Rev.Aのマルチキャリア化は基地局設備のソフトウェアアップデートで済むが、端末については対応機種の登場が待たれる。小野寺氏は「投入時期やどれくらい高速化するかは検討中だが、マルチキャリア化への移行は低コストで済むうえ、周波数の利用効率も向上する。(マルチキャリア対応の端末は)現行方式やLTEとの互換性も持たせるため、ユーザーはスムーズな移行が行えるだろう」と説明した。



KDDI小野寺社長「端末販売、1000万台は維持する」 
 KDDIが23日発表した2009年3月期の連結決算は、売上高が前の期比3%減の3兆4975億円、営業利益が11%増の4432億円だった。
 記者会見での小野寺社長との主な一問一答は以下の通り。
――2009年3月期は携帯の端末販売が落ち込んだ。今期はどうなるか。
 今期の1000万台という目標は厳しい数字かもしれないが、いい端末を出すなど努力すれば可能だ。夏モデルではいい端末を出せそうだ。1000万台は、来期以降も販売店やメーカーとの共通の目標となる。割り込まないためにどうするかを考えることが課題になる。
――中期計画では2011年3月期に売上高4兆円、営業利益6000億円を目標としていたが。
 達成は無理だろう。ただ、固定通信を黒字化する目標は堅持する。業績が未達成となった原因のひとつは私の見通しが甘かったこと。端末の販売方法の大幅な変更などはさすがに想定外だった。携帯電話事業の売上高、利益が下回る分、未達成になる。次の中期計画は検討を始めている。2010年10月のKDDI10周年に合わせて発表したい。
――2010年3月期の発売機種数は。
 減らすつもりはない。極端に増やすことはないと思うが、顧客の好みが多様化していることに対応する必要はある。1機種あたりの販売台数は伸びないが、プラットフォームにKCP+を採用したのは、開発コストを抑えて多くの端末を出すという狙いもある。KCP+のコストはKDDIが負うので端末メーカーの支援策と言えるのではないか。
――そのKCP+が端末の魅力を下げていたのでは。
 春モデルでは機能、スピードで他社に劣らなくなった。プラットフォーム共有によるメーカー側の開発コスト削減効果はあるはずだ。ただ、最近の端末は画面が大きくなったり、機能を増やしたりしているため相殺されている。コスト削減効果は徐々に出てくるだろう。
――通信事業者間で発生する接続料についての考え方は。
 ルール化の必要はない。競争が進んでいる移動体通信だけで議論するのではなく、固定通信について議論すべきだ。基地局から交換局までのほとんどが光回線で、この部分は地域系の事業者から借りるしかない。NTT以外の選択肢がない場合もあり、今後NTTグループの独占が強まれば接続料は高止まりし、携帯電話の料金引き下げができなくなる懸念がある。長期的に日本の通信事業をどうするか、という視点から議論するべきだ。



中国、ITソースコード強制開示強行へ…国際問題化の懸念
 中国政府がデジタル家電などの中核情報をメーカーに強制開示させる制度を5月に発足させることが23日、明らかになった。
 中国政府は実施規則などを今月中にも公表する方針をすでに日米両政府に伝えた模様だ。当初の制度案を一部見直して適用まで一定の猶予期間を設けるものの、強制開示の根幹は変更しない。日米欧は企業の知的財産が流出する恐れがあるとして制度導入の撤回を強く求めてきたが、中国側の「強行突破」で国際問題に発展する懸念が強まってきた。
 制度は、中国で生産・販売する外国製の情報技術(IT)製品について、製品を制御するソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示をメーカーに強制するものだ。中国当局の職員が日本を訪れ製品をチェックする手続きも含まれる。拒否すれば、その製品の現地生産・販売や対中輸出ができなくなる。
 どの先進国も採用していない異例の制度で、非接触ICカードやデジタル複写機、金融機関向けの現金自動預け払い機(ATM)システムなど、日本企業が得意な製品も幅広く開示対象になる可能性がある。



ルネサス、携帯の動画処理マイコン 初のフルHD対応
 ルネサステクノロジは24日、携帯電話の動画処理用では初となるフルハイビジョン(HD)対応のマイコン「SH―MobileHD1」を開発したと発表した。最大動作周波数を従来比で約2倍にするなど処理能力を6倍に高めた。電源管理の適正化で消費電力も抑えた。携帯電話をデジタルテレビに接続し、撮影した動画を再生する使い方などを想定する。
 最大動作周波数は500メガヘルツ。内部バスの構造を改善する工夫などで、フルHDの動画像を録画・再生できる処理能力を確保した。携帯電話の電池を有効に使うため、低消費電力も追求。内部の電源管理を強化したほか、音声処理専用の半導体も複数搭載して単体にかかる負荷を軽減した。



ペルーが地デジで日本方式導入を決定
 ペルーが地上デジタル放送(地デジ)で、日本方式の放送規格を採用する。ガルシア大統領がリマ市内の大統領府で23日(日本時間24日未明)、同国を訪問中の山口俊一首相補佐官に伝達した。
 日本方式は電波障害や干渉に強く、山間部の多いペルーに適している点などが採用の決め手になったもよう。地デジの日本方式採用は、ブラジルに次ぎ2カ国目。ペルーには、同国と関係の深いブラジルとも連携し、採用を働きかけていた。
 南米人口の約57%にあたる2国で導入されれば、今後他の南米各国でも日本方式が採用される可能性が高まる。総務省は現在、エクアドル、チリ、ベネズエラなどでも日本方式での試験放送などを行っている。
 政府が地デジの海外普及を進める背景には、関連する通信機器やテレビを生産する日本企業の南米市場開拓を後押しする狙いがある。地デジの場合、中継局用の送信機のほか、地デジ対応のデジタルテレビやDVDレコーダー、さらにワンセグ対応携帯電話などの需要が見込まれる。
 地デジは主に日本、欧州、米国の3方式あり、各陣営が各国への売り込みを図っている。欧州方式が約50カ国、米国方式は大市場の米国のほか、中米でも採用が進んでいる。



研究開発費、減税の条件を緩和 繰り越し、投資減少でも適用
 政府は日本企業の競争力強化に向けた投資を後押しするため、研究開発減税の適用条件を緩和する方針だ。これまでは単年度で消化できなかった減税の枠を翌期に繰り越すには研究開発投資額をさらに増やさなければならなかったが、投資額が一時的に減っても繰り越しを認めるようにする。世界同時不況で投資環境が悪化するなかで、優遇税制をより使いやすくして、企業の成長を支援する。
 政府・与党は今月まとめた追加経済対策に、企業の研究開発減税や個人の贈与税の減税などを明記。政府内で詳細を検討していた。税制改正関連法案を今国会に提出し、減税措置の4月からの適用を目指す。



1300万人対象に中国が職業訓練 失業者の4割をカバー
 【北京=尾崎実】中国人事社会保障省は23日、年内にのべ1370万人を対象に大規模な職業訓練を進める方針を明らかにした。金融危機の影響で出稼ぎ労働者(農民工)の失業問題や新卒大学生の就職難が深刻化したため、雇用対策を一段と加速する動きだ。地方単位ではこれまでも職業訓練を手がけてきたが、中央政府が具体的な数値を掲げた全国事業として取り組むのは初めて。
 同省は2009年1―3月期の都市部の登録失業率が昨年10―12月期より0.1ポイント上昇し、4.3%に達したことも発表。中国では農民工の1割を超える約2300万人と、都市部の労働者880万人以上が失業しており、今回打ち出した職業訓練は、最大で失業者総数の4割以上をカバーする。



日経社説 危機脱却なお見えぬ日米の金融機関(4/24)
 米大手金融機関の2009年1―3月期決算が出そろった。証券化商品の損失減少や証券売買の復調で業績は改善したが、米景気の悪化で融資の焦げ付きが膨らむ危険も大きく危機脱却とは言い難い。日本の3メガバンク保有株式の値下がりなどで09年3月期に最終赤字に転落する見通しだ。金融収縮が世界景気を圧迫する脅威は薄れていない。
 米金融機関の1―3月期は経営危機に直面したシティグループが6四半期ぶりに黒字転換した。JPモルガン・チェースも前年同期比の減益率が昨年10―12月期より縮小し、収益悪化に歯止めがかかった。
 貢献したのは証券部門の復調だ。ゴールドマン・サックスは金融市場の変動をとらえて債券や為替などの売買収益が四半期で過去最高となり、全体の利益も黒字に復帰した。株価回復を追い風に増資に踏み切り、公的資金返済にも言及している。
 一方、銀行部門は不振が続く。個人や企業に対する融資の不良化が進み、バンク・オブ・アメリカの貸倒引当金は前年同期の2倍に膨らんだ。米景気指標は一部に下げ止まりの兆候があるが、経済の正常化とはほど遠い。失業率の上昇や倒産の増加が続けば新たな不良債権を生み、貸し渋りに拍車をかけるだろう。
 米銀が不良資産の損失を確定し、切り離し、必要な資本を注入することが貸し渋りの克服には不可欠だ。米政府は景気悪化で金融機関の財務内容がどの程度傷むのかを査定しており、来月にも結果を公表する。
 だが、資本注入の原資となる公的資金枠は当初の7000億ドルから1000億ドル強に減っている。資金枠が足りなくなっても米議会が追加拠出を認めるかどうかは不透明だ。財政赤字の急増や公的支援を受けた保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の巨額賞与問題で公的資金投入に対する米世論の抵抗が根強いためだ。米銀の損失処理が先送りされる恐れもあり、先行きの不安はぬぐい去れない。
 警戒すべきなのは米国発の不安だけではない。国内では、みずほフィナンシャルグループが09年3月期に最終損益が5800億円の赤字になったようだと発表した。農林中央金庫野村ホールディングスも巨額の赤字決算が見込まれる。
 保有する証券化商品や株式の価格下落に加え、取引先企業の業績悪化による不良債権処理がのしかかっている。資本増強などの対策を講じなければ、信用収縮が景気の足を引っ張り、不良債権がさらに膨らむ悪循環の構図は残ったままになる。