ヾ(゜Д゜)ノ"新聞

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「端末調達力」のすごさ見せつけたソフトバンク冬モデル <COLUMN>
 30日、ソフトバンクモバイルが冬商戦向けモデル13機種を発表した。そのうち、タッチパネルモデルが4機種。さらに8メガピクセルカメラ搭載機、同社初参入となるカシオ計算機製などバラエティー豊かなモデルが揃った。
 まさにソフトバンクモバイルの「端末調達力」の凄さを見せつけられた記者会見だった。
 今年、ケータイ業界は「端末販売数が2〜3割減」(国内メーカー関係者)とも言われているほど勢いを失っている。そんななか、同社はデータ端末やプリペイドモデルを含む13機種(発売済みの機種、ディズニー・モバイルの端末を含めれば16機種)をラインアップしてきた。「果たして、これほどの在庫をきちんとさばいて売れるのか」と少々不安も感じるが、これだけの機種を揃えたことで、改めてソフトバンクは話題づくりがうまい会社だと思った。
■注目はシャープのフルタッチ、サムスンOMNIA
 やはり注目は、タッチパネル4機種だ。
 ハイスペック路線を突き進むシャープはスライド型のフルタッチパネルモデル「931SH」を投入した。世界最大クラス3.8インチのハーフXGA液晶(1024×480ドット)で、パソコン向けサイトを横スクロールすることなくそのまま表示できるのが魅力だ。
 ワンセグフェリカGPSなど日本市場で考えられるほとんどの機能を搭載する。日本語入力においては、「iPhone 3G」で実現できていない「コピー&ペースト」ができたりと「日本メーカーがつくった日本人のためのタッチパネルケータイ」に仕上がっている。
 一方、「韓国メーカーが日本市場向けに本気で作った」と感心させられたのがサムスン電子の「OMNIA」だ。すでに海外ではWindows Mobile版のOMNIAが販売されており、製品発表当時から「日本には年末商戦向けに独自OSで投入する」という情報が流れていたが、実際に製品化された日本版OMNIAは予想を超える出来となっている。
 タッチパネルのインターフェースは、比較的気持ちよく操作ができる。フォントも鮮やかで美しい。ワンセグが搭載され、録画も可能。5.1メガピクセルのカメラを搭載し、撮影画像をタッチパネルで様々に加工できる。絵文字にも対応するなど、サムスン電子の並々ならぬ気合いが伝わってきた。
 iPhone 3Gに関しても、これまでの弱点を克服するためにワンセグチューナー内蔵の小型充電バッテリーを年内中に発売する。ワンセグ電波を受信して無線LANで飛ばすことで、iPhone 3Gでテレビを見ることができるようにした。ほかにも年内中に絵文字に対応することを発表するなど、売れ行きに勢いがなくなりつつあるiPhone 3Gを年末商戦で再び盛り上げていく算段のようだ。
■初参入のカシオ製は「auっぽい」のが特徴
 タッチパネル以外にも魅力的な商品群をそろえたのが、今回のソフトバンクモバイルの特徴だ。
 シャープの「930SH」は8メガピクセルのカメラを搭載したモデルだ。すでに8メガ超のカメラ付きケータイはauからカシオ計算機製の「EXILIMケータイ W63CA」が発表されているが、シャープはCCDによる高感度、低ノイズを売りとする。2つのモデルの撮影画像を実際に比較したわけではないので、どちらが美しいかはいまのところ判断できないが、今後、メディアなどでも「8メガケータイ対決」として盛り上がりそうだ。
 カシオはau向けにおいて「顧客満足度」などで高い評価を得てきたメーカーだが、ついにソフトバンクモバイルにも参入してきた。
 孫正義社長は「他社のケータイについて調査しているが、auではカシオが使いやすさで常に顧客満足度トップにきている。カシオがなぜうちにないのかと、エンジニアに言い続けてきた甲斐があってついに今回登場することになった」と語る。
 その参入第一弾となる「830CA」は、本当に「auっぽい」のが特徴。端末を開くとau向けで大人気となったペンギンのキャラクターが登場するし、本体カラーにオレンジがある。メニューのデザインテイストもそのままだ。カシオを使うauユーザーがソフトバンクモバイルに移行しても違和感なく使えることだろう。
 ただし、メニュー画面の構成をよく見ると、冬商戦向けにソフトバンクモバイルに供給していないあるメーカーに酷似しているようだった。CDMA2000方式をメインとするカシオにとって、W-CDMAを手がけるのは相当に高いハードルであるため、他のメーカーの力も借りたのかもしれない。
■スペックに追いつかないサービス
 端末調達力の高さを見せつけた一方、物足りなさを感じたのがサービス関連の発表だ。
 インターネット上の情報をリアルタイムに待ち受け画面にアイコン状で表示する「モバイルウィジェット」が目玉の新サービスではあるが、コンセプトは決して「ソフトバンクモバイルならでは」のものではない。すでにauも「au one ガジェット」として提供しているし(ただし使い勝手はかなり悪い)、11月5日に製品発表を行う予定のNTTドコモからも同様のサービスが発表される見込みのようだ。
 他社はキャリアのサービスとして複数の機種で同時に提供する方式だが、ソフトバンクモバイルの場合は「モバイルウィジェット」に対応したモデルはまだ931SHの1機種のみという状態である。
 記者会見では「mixi」を運営するミクシーや「モバゲータウン」のディー・エヌ・エー、「ニコニコ動画」のニワンゴマイスペースやヤフーの経営トップが集結し、自社のサービスをアピールしたが、最初の数カ月は1機種のみという展開では盛り上がりに欠けるだろう。ソフトバンクモバイルはタッチパネル機種としてほかにOMNIATouch Diamond、Proを用意しているのだから、これらの機種でも展開するような準備はほしかったところだ。
 931SHの納入台数と、NTTドコモが複数メーカーで同時にウィジェットサービスを開始する台数とを比べると、何十倍もの市場規模の差になる。コンテンツを作る側とすれば、市場規模の大きい方を優先的に開発し、サービス提供するのが当然の流れとなるだろう。
 孫社長は「チャイナモバイル、ボーダフォンとの合弁会社によって世界展開をしていく。いずれは日本のサービスが世界に進出し、さらに世界のウィジェットが日本にやってくるだろう」とサービスの将来性に自信を見せるが、まずは国内向け端末の台数を増やし、足元を固めて早期に実績を作ることが先のはずだ。
 もう一つ、気になったのはメールの添付容量サイズだ。いまだに300KBに据え置かれている。8メガピクセルの930SHでどんなに高画質の写真を撮影できても、メールに添付するなら300KBまで小さくしなくてはならない。
 KDDIEXILIMケータイを投入するのに合わせて、メール添付容量を2MBまで拡大したのとは対照的で、端末のスペックにサービスが追いついていない印象がある(ただし、メール容量を大きくすれば、それだけパケットARPUの上昇が期待できるだけに早晩、改善されると思われるが)。
■ラインアップ増だけでは潤わないメーカーの懐
 サービス面ではつっこみどころもあるが、やはり、これだけの機種を揃えたソフトバンクモバイルの努力は立派なものだ。あとは、端末の買い換え需要が冷え込み、新スーパーボーナスの2年間の完済ユーザーが増えるなか、いかにiPhone 3Gを盛り上げつつ、他のモデルも売っていくかが重要になってくる。
 端末発表前日の決算会見で、孫社長は「これまで端末の利用期間は二十数カ月だったが、三十数カ月になった」といい、スーパーボーナスのテストケースではすでに2年が経過したが、「解約には繋がっていない。割賦が終了すると特別割引がなくなり、収益にはプラスに貢献する」と語った。
 確かに、割賦が終了したユーザーが増えて特別割引が減ることで収益にはプラスになるだろうが、半面、機種変更需要は落ちることになる。
 ソフトバンクモバイルの収益は端末売り上げに依存している部分も大きく、機種変更が減るとなると成長するには新規契約をさらに獲得し続けなくてはならない。
 新製品発表の場で、あるメーカー関係者は「これ以上、買い換え期間が延びるようだと本当につらい。死活問題」と本音をこぼしていたのが印象的だった。
 端末ラインアップを増やすことも重要だが、いかに冷え込む需要を喚起させて新規顧客を増やすか、さらにメーカーの懐もどうやって潤わせていくか。これからのソフトバンクモバイルの課題と言えそうだ。



日銀、0.2%利下げ 決定会合4対4、総裁が裁定
 日銀は31日の金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を年0.5%から0.2%引き下げ、0.3%とすることを決めた。最近の円高・株安など世界的な金融市場の動揺で日本経済の下振れ懸念が急速に増しており、利下げによって景気を下支えする。政策金利の引き下げは量的緩和金利をゼロ%に誘導した2001年3月以来、7年7カ月ぶり。
 今回の利下げは政策委員8人のうち賛成4人、反対4人の同数となり、最終的に議長の白川方明総裁が決めた。日銀は決定会合後の公表文で国内経済の現状について「景気の下振れリスクが高まっている。当面停滞色が続く」との認識を表明。これまでの「停滞している」との景気判断を下方修正した。
 今回の決定会合では10年度までの経済・物価情勢の展望(展望リポート)についても議論しており、午後に内容を公表する。経済成長率の予想を下方修正し、08年度は従来の1.2%からゼロ%台前半に、09年度は1.5%からゼロ%台後半にする方向だ。



クライスラー、GMとの合併の場合「4工場閉鎖も」 米社予測
 【ニューヨーク=武類雅典】米会計・コンサルティングのグラント・ソントンは30日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と合併協議中の米クライスラーで合併後に4工場が閉鎖される可能性があると分析した調査を発表した。車種数は現在の26モデルから7モデルに削減されると予測した。両社の合併後に大規模リストラが起きるとの予想が高まる中、ミシガン州知事などは自動車業界への支援を要請した。
 グラント・ソントンによると、クライスラーは現在、14工場のうち3工場は閉鎖決定を公表済み。GMと合併すれば、残る11工場のうち7工場しか存続の可能性がないという。従業員約6万7000人のうち、3万―4万人が削減されるとも試算。さらに取引先の部品メーカーなどで5万人の人員削減が起き得るとも予測した。
 合併で増える車種の整理では、「ジープ」ブランドの車やクライスラーが強いミニバンなどが残ったとしても、残りの車種は廃止が濃厚という。これらのリストラにより、GMとクライスラーの合併によるコスト削減効果は60億―100億ドルになると推測している。



モトローラ、3千人削減、携帯電話の不振響く
 米通信機器大手モトローラは30日、社員の4・5%に当たる3000人を削減する計画を明らかにした。うち2000人は競争激化などで不振が続く携帯電話の端末部門で減らす方針。
 同日発表した2008年7〜9月期決算は売上高が前年同期比で15%減の74億8000万ドル(約7400億円)、3億9700万ドルの純損失だった。前年同期は6000万ドルの純利益。リストラにより09年に8億ドルのコスト圧縮が期待できるとしている。今年4月にも約2600人の削減を決めた。
 7〜9月期決算では、携帯端末の出荷台数を前年同期比で約32%も減らしたのが響いた。携帯事業は世界的な景気減速の影響で09年前半も苦戦する見通し。また今春に決めた携帯事業の分離・売却も難航している。


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