失敗してもめげない米ソーシャルゲームの資金調達事情

失敗してもめげない米ソーシャルゲームの資金調達事情
 米国では、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で手軽に遊べるソーシャルゲームがここ3年ほどで急拡大したが、もちろん成功した企業ばかりではない。今回は、このブームのなかで、起業に失敗した米企業のケースから、日米におけるゲームベンチャーの資金調達事情を考えてみたい。
 米ゲーム業界で若手論客として知られたジャスティン・ホール氏は2006年8月、「PMOG(受動的マルチプレーヤーオンライン)」という新しいコンセプトのゲームを発表した。これはブラウザー「Firefox」のプラグイン(追加)機能を利用して、ユーザーが日常的にアクセスするウェブページの情報を反映しながら展開していくソーシャルゲーム的な要素を盛り込んだロールプレイングゲームだ。
 プレーヤーは決められた「お題」に合わせて、ウェブページの特定の情報を集めたりすることでレベルアップしていく。ブラウザーを使っているだけで自然にゲームになり、1日に多くの時間を費やさず楽しめることも特徴だった。
200万ドル以上を調達したが・・・
 このコンセプトの新規性に注目した英BBCが1万ポンド(現在のレートで約130万円)を資金支援することになり、ホール氏はサンフランシスコでGameLayersというベンチャー企業を設立した。その後約1年かけてPMOGに様々な機能を追加し、07年9月には創業間もない企業に出資するベンチャーキャピタルから50万ドルの資金を得た。
 このゲームの可能性は当時高く評価され、多くの米メディアで取り上げられ話題になった。ところが、手元資金は毎年急激に減少していく。支出の7割以上はゲーム運営用のサーバー費用で、毎月3万〜4万ドルが消えていった。08年6月には資金ショート寸前となり、ホール氏はサンフランシスコとシリコンバレーを行ったり来たりしながら、ベンチャーキャピタルと交渉を続けた。
 その結果、08年7月に新たにベンチャーキャピタルから150万ドルあまりの資金を調達することに成功。それを機に、ゲーム名を「The Nethernet」と変えて機能拡張も図った。しかし、ホール氏は結局、09年末には会社をたたむ決心をする。合計200万ドル以上集めた資金が尽きてしまったからだ。
話題の割にユーザーは集まらず
 メディアで話題となりながらも、実際に集めることができたユーザー数は惨憺(さんたん)たるものだった。 09年7月時点で登録ユーザーはわずか1万2000人。毎日アクセスするユーザーは2500人以下で、アイテム課金方式で得る収入は1日24ドルに満たなかった。
 ホール氏は今年3月に米サンフランシスコで開催された「ゲーム開発者会議(GDC)」で、「最後のころは、会社の資金が尽きていくなかでベンチャーキャピタルへの報告に追われ、一体自分が何をやっているのかわからない混乱した日々を送っていた」と心境を語った。
 ほぼ同時期に創業した米Zyngaは、世界最大のSNS「Facebook(フェイスブック)」向けのソーシャルゲームで成功し、1000万人以上のユーザーを集めるゲームを生んでいた。ホール氏のコンセプトは斬新だったが、Firefoxのプラグインを使うという習慣は定着せず、ブームを起こすことなく終わった。
 ではホール氏はどうなったかというと、今年3月にはアップルの「iPhone」向けゲームを開発・販売する米Ngmocoに入社。今年11月にプロデューサーとして最初の仕事であるペット育成型ソーシャルゲーム「Touch Pets Cats」を日本を含む世界にリリースした。Ngmocoは、今年10月に日本のディー・エヌ・エー(DeNA)が約4億ドルで買収すると発表した会社だ。
 ホール氏は起業失敗から得た教訓として、「お金と時間の投資を加速化する前に、中核となるインタラクションと体験をテストしなければならない」「パフォーマンスが悪いものを失うことをためらってはならない」と語っている。
「新しさ」に投資するシリコンバレー
 ホール氏のケースからわかることは2つある。1つは、成功するかどうかわからないプロジェクトでも米国では資金を集められるということ。もう1つは、起業の失敗が本人のキャリア形成にマイナスに働いていないことだ。
 特にシリコンバレーには、従来にない技術やサービスが登場したら、海のものとも山のものともつかなくても初期段階で投資しておくという伝統がある。「現代の二都物語 なぜシリコンバレーは復活し、 ボストン・ルート128は沈んだか」(アナリー・サクセニアン著、日経BP社)は、80年代のシリコンバレーについて「企業間の激しい競争があったがゆえに、新企業は独自の市場を見つけてそれを守っていく努力を惜しまなかったし、一方、競争と協力が複雑に絡み合ったなかから、技術革新が生まれていくことになった。個々の企業を見ると、こうした競争に生き残れなかったものも多かったが、地域全体としては豊かに花開いていった」と書いている。これは当時も今も変わらず、シリコンバレーの強さの原動力となっている。
 ホール氏のケースは、その強みがソーシャルゲームでも発揮されたことを裏側から示したに過ぎない。サンフランシスコからシリコンバレーにかけての地域では、ソーシャルゲーム企業の産業集積が急速に進みつつあり、多くの起業が登場するなかでイノベーションが加速し、それがさらに新たな企業を生み出している。
日本のコンテンツ投資の現状は
 一方、日本ではこうした資金の流れはなかなか起きない。
 11月24日、経済産業省関東経済局が開催したセミナーで、日本アジア投資の子会社で創業期の企業への投資や事業育成を手がけるJAICシードキャピタル(JSEED、東京・千代田)の鈴木英樹氏(デジタルコンテンツファンド統括)が日本のコンテンツファンドの実情について語った。
 JSEEDが運営する「大阪デジタルコンテンツファンド」は6億円のうち3億円を大阪府が出資し、すでに十数件のコンテンツ制作プロジェクトに投資している。ただ、投資を受ける企業側も一定額を負担する必要があるなどハードルは低くないうえ、「競争が激しく開発会社も多くなっているため、投資判断の目は厳しくなっている」(鈴木氏)という。
 ソーシャルゲームについて鈴木氏は「当たり外れが大きく、開発費が安価でも可能との認識から複数の案件でポートフォリオを組んで投資することが、投資家のリスク軽減につながると思われる」と語った。どれか1つが大ヒットすれば回収できるという考え方だが、現状については「コンテンツに投資してもほとんど回収できていない」と率直に述べていた。
 また、資金調達を受けるには「事業計画(ビジネスプラン)が必須である」と語り、ゲームの専門家ではないベンチャーキャピタリストを納得させ続けることの重要性を強調していた。
新たな投資の動きも
 話を聞きながら、日本とシリコンバレーの違いにげんなりした。ホール氏が獲得した資金の出所は、ITベンチャーとして成功し、その資金を再投資している企業や創業経営者たちである。ベンチャーキャピタルもIT分野に精通しており、失敗のリスクを負いつつ将来性に投資する決断ができる。ホール氏が作ったビジネスプランが裏付けの乏しいものであったことは想像に難くない。おそらく、彼が日本にいたなら資金調達は不可能だっただろう。
 ただ、日本でも新たな動きが出始めている。DeNAとサイバーエージェントグループは12月3日、日本を含むアジアのソーシャルゲーム開発会社を発掘・支援するため、DeNAが2つの投資ファンドにそれぞれ5億円を出資すると発表した。
 DeNAは、ソーシャルゲームベンチャーの育成により、「モバゲータウン」や「Yahoo!モバゲー」のコンテンツ拡充を目指すという。既存のベンチャーキャピタルではなく、ゲームやIT分野で収益を上げた日本企業の投資が活発になれば、デジタルコンテンツ分野の資金調達環境も少しはましになるかもしれない。



うわさ:PlayStationフォン「Zeus」 発売日は来年の3月、ドイツのCeBIT 2011に出展
 海外サイト「ITProPortal」が内部からの情報として、PlayStationフォン「Zeus」の発売日は来年3月になると報道した。
 また同記事によると、Zeusは2011年3月にドイツで開催される国際情報通信技術見本市「CeBIT 2011」に展示されるそうだ。
 コードネームに詳細なスペックと、最近になって全貌が明らかになりつつあるZeus。発売日の発表に関する噂はいくつかあるが、発売日を特定したレポートは知る限りこれが初めてだ。
 リーク情報から、かなり完成している事が予想されるZeus。仮に3月でないとしても、発売日は思ったより近いのかもしれない。



日本電産、三洋の小型モーター事業を買収
携帯向けも世界首位に
 日本電産三洋電機の小型モーター事業を買収する。2011年4月にも手続きを終え、国内外の拠点や従業員を引き継ぐ。三洋が強みを持つ携帯端末用の振動モーターはスマートフォン(高機能携帯電話)向けに需要が拡大中。日本電産は様々なモーターでトップを目指しており、携帯端末向けでもシェア4割強を握り世界首位に立つ。
 9日に両社が発表する。買収額は70億円前後とみられるが、詳細な資産査定を経て確定する。日本電産は、三洋の全額出資子会社で主に小型モーター事業を手がける三洋精密(長野県上田市)の全株を取得する。中国、インドネシアの工場などや国内の約300人を含む従業員を引き継ぐ。雇用は維持する見通しだ。
 三洋精密は振動モーターを中心に小型モーターを製造販売している。10年3月期のモーター部門売上高は230億円前後だが、生産効率が低く採算は悪化していた。
 振動モーターは着信通知などのバイブレーション機能に必要な部品。携帯電話やゲーム機に広く搭載されている。世界市場は約500億円。スマートフォンや多機能情報端末向けの需要が伸び、数年後には1千億円に近づくとみられている。
 三洋は半導体など不採算事業の見直しを進めており、三洋精密の売却もその一環。日本電産はモーター事業の強化にM&A(合併・買収)を積極活用している。



三洋、半導体事業で400人早期退職
3期連続最終赤字の公算
 三洋電機半導体子会社の従業員約1700人のうち、約400人が2011年1月をめどに早期退職することが分かった。三洋は同子会社を来年1月に米半導体メーカーのオン・セミコンダクターに売却することが決まっており、他工場への転勤などに応じられない従業員が退職する。三洋は計数十億円の退職加算金を支払うため、11年3月期の連結最終損益(米国会計基準)は3期連続の赤字になりそうだ。
 三洋半導体群馬県大泉町)の技術系や事務系の従業員が退職する。オン社への転籍や三洋の他部門への配置転換を迫られたが、転勤を伴うことなどを理由に退職を選んだ。三洋は通常の退職金とは別に加算金を支払い、転職支援も実施する。
 三洋は売却後の三洋半導体に対し、出向者の人件費肩代わりなどで2年間で最大250億円を支援することも表明済み。これら追加費用により11年3月期は最終赤字となる可能性が高い。前期の最終損益は487億円の赤字で、今期は50億円の黒字を見込んでいた。
 三洋半導体の残りの約1300人の大半がオン社に転籍し、約100人は三洋電機の他部門に異動する。



花王カネボウ、化粧品ブランド3割減 効率化急ぐ
商品数も削減 生産・営業を両社一体化
 花王は傘下のカネボウ化粧品と共同で、現在25ある化粧品の主要ブランドを2013年3月期までに最大3割減らす。商品数も同程度削減し、両社で工場の相互活用と営業拠点の一本化も進める。花王は06年にカネボウ化粧品を買収し、グループの化粧品事業は国内2位だが、効率化の遅れなどで営業赤字に陥っている。消費不振で市場が縮小に転じる中、事業構造を抜本的に見直す。

グーグル、PC用無償OSを来年半ばから提供

グーグル、PC用無償OSを来年半ばから提供
 【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルは7日、パソコン用無償基本ソフト(OS)「クロームOS」の提供を2011年半ばから始めると発表した。第1弾として台湾のエイサーと韓国のサムスン電子が対応製品を世界各地で発売する。パソコンOSは米マイクロソフトが圧倒的なシェアを握るが、その牙城をグーグルがどの程度切り崩すことができるかに関心が集まりそうだ。
 クロームOSはインターネットを通じて各種ソフトやサービスを利用するクラウドコンピューティングの利用を前提として設計。初期設定や起動に必要な時間を短くしたほか、セキュリティーや保守などの手間も従来型OSに比べて軽減できるとしている。
 エイサーとサムスンのほか東芝など日本メーカーも対応製品で参入する見通し。グーグルは近く、一部の法人や個人利用者を対象にクロームOSを搭載したノートパソコンの試作機を配布。利用者の意見を参考にソフトを改良する予定だ。
 グーグルは高機能携帯電話(スマートフォン)などモバイル機器の無償OS「アンドロイド」も08年から提供を始めた。米調査会社のNPDグループによると、10年7〜9月期の米市場におけるアンドロイドを搭載したスマートフォンのシェアは前四半期比で11ポイント高い44%になり、2四半期連続で首位を維持した。パソコンでも同様の成功を収められるかが注目点となる。
 グーグルは同日、ネット閲覧ソフト(ブラウザー)の「クローム」を通じて使うアプリケーションソフトを販売・配布する「クロームウェブストア」を米国で開設したことも発表した。グーグルはOSやブラウザーの提供でネットを快適に使える環境を整備。収益の9割以上を占めるネット広告の売上高拡大につなげる狙いだ。



ソフトバンクなど8社、AndroidスマートフォンNFC決済実験
 ソフトバンクモバイルオリエントコーポレーションクレディセゾン、ジェムアルト、共同印刷マスターカード・ワールドワイド、HTC、Trusted Logicの8社は、非接触IC規格「NFC」を用いた、Android搭載スマートフォンによる決済サービスの実証実験を2011年1月中旬より開始する。
 今回の実験は、クレジットカードアプリとカード情報を、NFC対応のUSIMカードに無線通信経由でダウンロードし、ショッピングなどでの支払い方法として利用するというもの。国際的な携帯電話関連団体であるGSMA(GSM協会)のPay-Buy-Mobile推奨規格(Single Wire Protocol、SWP)に準拠し、財布から利用するクレジットカードを選ぶように、クレジットカードアプリを選択できるという。
 用いる端末は、「HTC Desire X06HTII」をベースに、NFC関連APIを加えたもの。NFC対応のUSIMカードに、複数のクレジットカード情報などを扱えるAndroid用アプリを搭載する。USIMカードは、NFC用のアンテナを備え、USIMカード内にセキュアな領域を生成してアプリダウンロードなどを無線通信経由で実現する。オリエントのPayPass加盟店や海外のPayPass加盟店で非接触決済を検証する。
 ソフトバンクモバイル、オリエント、クレディセゾンNFC関連システム(Trusted Service、Manager、TSM)を提供する。またオリエントとクレディセゾンPayPassマスターカードの決済アプリ)のアプリや発行業務・アクワイアリング(加盟店管理)業務も担う。ジェムアルトは事業者向けTSMの提供やUSIMカードなどに関する開発・技術支援を、協同印刷はPayPassパーソナライゼーションのデータ生成など、マスターカードPayPass仕様の提供を行う。HTCはAndroid 2.2搭載スマートフォン向けにNFC関連API開発を支援し、Trusted LogicはNFC関連プロトコルスタックの組込開発を支援する。
 実験は2011年1月中旬に開始され、約3カ月行われる。参加企業の関係者が検討を担当する。


au、「LISMO Video DVDレンタル」がAndroid対応
 auは、au携帯電話とパソコン向けのオンラインDVDレンタルサービス「LISMO Video DVDレンタル」で、auAndroidスマートフォン用サービスを12月9日より開始する。
 アプリケーションで提供し、サービス開始は12月9日10時。対応機種はIS01IS03と今後発売予定のREGZA Phone IS04、IS05。auスマートフォンの「au one Market」→カテゴリ→エンターテインメント→映像からアクセスできる。提供料金は基本プランの4枚コースで980円。
 アプリケーションのデザインをスマートフォンのタッチパネルを活かしたものに一新し、予約リスト追加や並べ替えなどを容易にした。また、PCとのレンタル予約リスト共有やユーザーレビュー投稿、Twitter/YouTube連携などにも対応する。



モバゲータウン」のDeNA公取委が立ち入り調査
 ポータルサイトの「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーDeNA)は、公正取引委員会から立ち入り調査を受けていることを明らかにした。
 公取委では「立ち入り調査については公表していない」として、調査を行ったかどうかを含め、コメントを出していない。DeNAでは調査が行われたことは事実としているが、どういった違反の疑いをかけられているか、「(広報には)正式な文書がない」(DeNA広報)ため、現時点ではコメントはできない模様だ。
 携帯電話やパソコンで、いわゆるソーシャルゲームが人気となり、業界のリーダー的ポジションを占めるDeNAは、他社との競争が激しくなっている。今回は、DeNAが取引するゲーム製作会社との取引に関し、拘束条件付き取引が行われたという疑いで調査されたと見られる。今後についてDeNAでは「今は調査中で詳細が不明となっており、コメントは控えたい。調査には協力している」としている。


モバゲーもグリーも「仁義なき主導権争い」
 ゲーム開発会社の囲い込みを図った疑いで、公正取引委員会から独占禁止法違反(不公正な取引方法)容疑で立ち入り検査を受けた「ディー・エヌ・エー」(DeNA、東京)。
 1000億円規模ともいわれ、急成長するソーシャルゲーム市場を背景に、ともに会員数が2000万人を超える「グリー」(同)との間では、ヒットゲームの開発を巡る激しい主導権争いが続いが続いている。
          ◇
 「察して下さいよ」
 都内のあるゲーム開発会社役員は8月、DeNAの担当者に電話でこう告げられたという。この開発会社のゲームがモバゲータウン上でアクセスしづらい状態になったため、問い合わせた際の答えだった。
 この役員は数日前、DeNAの本社に呼び出され、「グリーにゲームを提供しないように」と求められていたという。だが、その後もグリーへの提供をやめなかった。「そういうことだったのか」とピンときたという。別の会社も「DeNAの幹部から『グリーかうちか、どちらに付くか、8月10日までに決めてほしい』と迫られた。やり過ぎだと思った」と打ち明ける。
 自社制作のソーシャルゲームを提供してきた両社は、今年に入って、外部制作のゲーム配信も始めた。「無料」を入り口にユーザーに楽しんでもらい、どれだけ有料のアイテムを購入してもらえるかが収益アップのカギを握る携帯ゲーム業界。業界関係者は「開発会社の囲い込みはお互いさまで、開発会社はどちらかの陣営に付くしかない、というのが暗黙の了解」と指摘する。
 訴訟に発展した問題もある。グリーの携帯サイト「GREE」で2007年、魚釣りゲーム「釣り★スタ」が始まると、モバゲータウンも09年に「釣りゲータウン2」を開始。その内容が酷似しているとして、グリーがDeNAなどに対し、ゲーム配信の差し止めと約3億8000万円の損害賠償を求めた訴訟は、現在も係争中だ。
 ゲーム開発者の採用を巡っても両社はしのぎを削る。DeNAが今年8月、入社予定の開発者に転居費用などとして200万円の支給制度を始めると、グリーも同様の制度を導入。グリーは「優秀な人材を採用するためには、他社の制度を参考にすることもある」と、対抗意識を隠そうとしない。
 ◆参入相次ぐ◆
  携帯ゲームを巡っては、ソフトバンクが米国の開発会社と共同で設立した会社が、農場経営ゲームの提供を今月から始め、KDDIも中国の開発会社と提携し、国づくりのゲームを10月から公式サイトで提供するなど、参入が相次いでいる。矢野経済研究所によると、国内のソーシャルゲームの市場規模は、2011年度に1171億円に達する見通しで、同研究所は「市場はゴールドラッシュの様相を呈している」とみる。ゲーム開発者でもある立命館大のサイトウ・アキヒロ教授は「スマートフォンの普及で、今後は指先で微妙な操作もできる新ゲームの開発も予想され、開発会社の獲得競争は続くだろう」と指摘している。



「Togetter」が海外進出、英語圏向けの「Chirpstory」公開
 Twitterまとめサイト「Togetter」を運営するトゥギャッター株式会社は8日、海外向けサービス「Chirpstory」を開始したと発表した。
 Togetterは、ツイートを抽出して話題ごとのまとめコンテンツを作成できるサービス。トゥギャッター株式会社代表取締役の吉田俊明氏が2009年10月に個人で開始。ユーザーの増加を受けて2010年6月に法人化した。2010年12月現在、月間200万人のユニークユーザーがいるという。
 Chirpstoryは、同社初の海外版サービス。Togetterでのノウハウをもとに、主に英語圏向けに特化したキュレーションサービスとして開発した。日本語が使えないほか、ユーザーインターフェイスを一新。米国のニュースサイトに合わせたデザインにするなど、Togetterと比べ、メディア寄りの位置付けにしているという。


ストリートビューの画像が鮮明に、再撮影でプライバシー対策も
 グーグル株式会社は8日、道路沿いの風景を360度のパノラマ写真で閲覧できるGoogleマップの「ストリートビュー」において、関東地方、関西地方、九州地方の一部の地域の画像を更新したことを明らかにした。
 グーグルによれば、今回の更新は街の移り変わりに追いついただけでなく、新しいカメラを導入し、より美しい画質の画像に切り替わったという。また、プライバシー対策のために、カメラの高さを従来の地上245cmから205cmに下げて再撮影している。
 ストリートビューの画像をめぐっては、「個人宅の塀の内側まで写っている」という批判が出たことから、グーグルは撮影車のカメラ位置を40cm低くする方針を示していた。今後はその他の地域についても順次、再撮影した画像に切り替えていく。



mixi「イイネ!」ボタンをオープン化
 ミクシィは12月8日、気に入ったニュースなどを1クリックでチェックし、マイミク(マイミクシィ)に伝えられる「イイネ!」ボタンをオープン化した。ECサイトやグルメサイト、ニュースサイトなどの運営者が、各商品やニュースのページなどに実装できる。
 ユーザーは、「イイネ!」ボタンが実装されたページにアクセスし、ボタンをクリックすれば、マイミクに気に入ったニュースや商品などを伝えられる。各対応ページには、そのページを「イイネ!」したマイミクのアイコンや人数も表示される。



AppleiPad 2を2月に出荷開始」の報道
 Appleの次期版iPadは、早ければ2月末にも製造業者Foxconn Electronicsの中国工場から出荷されると、Digitimesが12月7日に報じた。
 同紙は匿名の台湾の部品メーカー関係者からの情報として、Appleは当初「iPad 2」と呼ばれる新モデルの量産を1月に始める計画だったと伝えている。
 同紙によると、この計画は、同デバイスファームウェアがまだテスト中であるため延期されたという。
 iPad 2は主に、Hon Haiの子会社Foxconn深センの工場から供給されるとDigitimesは伝えている。初回出荷は40万〜60万台の見込み。
 Appleの広報担当者はコメントを控えた。
 同社は7〜9月期に419万台のiPadを販売した。市場の期待は下回ったが、アナリストは、Appleが供給問題を解決すれば年末商戦に売り上げが増えると見込んでいる。

ソフトバンク・米グーグル、クラウドで提携

ソフトバンク・米グーグル、クラウドで提携
 ソフトバンクと米グーグルは、インターネット経由でソフトや情報サービスを提供するクラウドコンピューティング分野で提携する。文書共有、スケジュール管理といったグーグルのサービスをソフトバンクが企業向けに販売する。グーグルの基本ソフト(OS)を使ったスマートフォン(高機能携帯電話)と組み合わせると情報漏洩リスクが減る仕組みを用意し、スマートフォンの法人需要を開拓する。
 ソフトバンクテレコムが「ホワイトクラウド」の名称で展開している企業向けクラウドサービスに、来年2月からメールや社内文書などをネット経由で閲覧したり、スケジュールを共有したりできるグーグルの「Google Apps(グーグルアップス)」を追加する。料金は年額6300円または月額525円の予定。グーグルアップスの販売は他社も手がけるが、月額課金はソフトバンクが世界で初めて。
 グーグルのOS「アンドロイド」を搭載したソフトバンクモバイルスマートフォンとの組み合わせで、端末とグーグルのサーバーを携帯電話網経由で直接つなぐ仕組みも提供する。このサービスを使うとデータがインターネットを流れないため、社内文書の漏洩などの危険性が小さくなる。スマートフォンとのセット販売も計画している。
 グーグルはクラウドサービスとスマートフォンの連携を強化しており、スマートフォンの販売に力を入れるソフトバンクと思惑が一致した。ソフトバンクはグーグルアップスの販売やサポートなどを手がける専門部隊をグーグル日本法人と共同で設置。まずは20人規模で構成し、徐々に拡大していく考え。
 クラウドサービスは国内IT(情報技術)大手が主力事業と位置付け、取り組みを強化している。通信会社ではNTTコミュニケーションズが10月にマイクロソフト日本法人と提携済み。今後も海外大手との提携が増えそうだ。



横綱に「スマートフォン」「羽田空港」 ヒット商品番付
日経MJ2010年、新たな消費けん引役生み出す
 日本経済新聞社は2010年の日経MJヒット商品番付をまとめた。横綱は高機能携帯電話「スマートフォン」と、32年ぶりに国際定期便が復活した「羽田空港」。インターネットやアジアからの観光客など、新たな消費のけん引役を生み出す装置が存在感を高めた。デフレの長期化を反映し、低価格の外食店や省エネにつながる製品も番付上位に入った。(詳細を8日付日経MJに)
 スマートフォン人気の火付け役、ソフトバンクモバイルの「iPhone(アイフォーン)4」は、発売日に行列ができ一時予約を打ち切るほど。米グーグルの基本ソフトを搭載したNTTドコモの端末や、携帯決済機能を加えたKDDIの端末も発売され、10年度の販売台数は前年度比約1.9倍の440万台(MM総研予測)に上る。
 デジタル関連では、「アバター」など「3D(3次元)」映画で興行収入100億円超のヒット作が続いた。家電各社は3D対応テレビを発売、「エコポイント」効果もあり薄型テレビの販売台数を前年比8割増へ押し上げた。省エネ性能の高い「LED電球」も普及しつつある。
 羽田空港は10月に4本目の滑走路と新国際線ターミナルが開業。国際線の就航地はそれまでの4都市から来春には17都市に広がる。国土交通省は訪日外国人の増加などによる経済効果を年間約1兆円と試算。ドラマでファンが増えた「坂本竜馬」、建設風景が注目を集める「東京スカイツリー」とともに、観光の追い風にもなっている。
 所得が上向かないなか消費者の節約志向は続き、外食では「200円台牛丼」が人気に。「低価格均一居酒屋」のつまみも、1品200円台が主流だ。一方、今夏はアイスクリームや機能性肌着が売り上げを伸ばす「猛暑特需」が発生した。



大日本印刷・NTTドコモ、電子書籍配信 1月から
 大日本印刷とNTTドコモは7日、タブレット型端末やスマートフォン(高機能携帯電話)など向けに電子書籍を配信する共同出資会社を設立すると発表した。1月上旬のスタート時に電子書籍を最大3万点そろえる。大日本が手がける書籍のオンライン販売サイトや丸善などの書店とも連動させ、顧客情報を共有する。
 大日本が51%、同社子会社のCHIグループ(東京・新宿)が9%、ドコモが40%を出資して21日に新会社を設立する。社名は「トゥ・ディファクト」。大日本が電子書籍などを配信する玄関サイト「honto(ホント)」の運営を新会社に移管。まずドコモのスマートフォンなど7機種を対象に配信を始める。
 紙の書籍販売との連携では、ジュンク堂書店などに加え、約95万点を販売する大日本のオンラインサイトと会員情報や割引ポイントを共通化。個人属性をもとに、相互に「おすすめ作品」などを表示できるようにする。
 電子書籍販売を巡っては米グーグルが6日、米国で電子書籍の販売を開始。グーグル日本法人も2011年のサービス開始に向け準備作業を始めた。縦書きなど日本語の表示機能に対応し、早期に米国と同様のサービスを始める方針だ。



シャープ、3Dコンテンツを募集 スマホ販売押し上げ目指す
 シャープは7日、スマートフォン(高機能携帯電話)向けの3D(3次元)写真や動画を募集するコンテストを開始したと発表した。来年2月28日まで、同社ホームページで作品を受け付ける。一般消費者の力も借りてコンテンツ(情報の内容)を拡充し、3Dスマートフォンの販売押し上げを目指す。
 コンテストは、シャープ製のスマートフォンなどで撮影した3Dの静止画と動画を募集し、優秀作品を毎月表彰する。シャープは、3D対応のスマートフォン「LYNX(リンクス)3D SH−03C」をNTTドコモから3日に発売したほか、ソフトバンクモバイルからも今月中に発売する計画。
 シャープの3DスマートフォンのCMキャラクターを務めるタレントの福田沙紀さんは同日の会見で「臨場感あふれる3D画像を簡単に撮影できるので驚いた。誰にでも気軽に応募してほしい」と笑顔で話した。



東芝、消費電力40%減 立体型トランジスタ 新技術を開発
 東芝は次世代半導体として開発が進む「立体型トランジスタ」の消費電力を大幅に下げる技術を開発した。シリコンにゲルマニウムを加えた化合物半導体を使ったトランジスタで、従来に比べて消費電力を約40%減らした。2015年以降の実用化を目指す。
 立体型トランジスタ半導体を垂直方向に重ねた電子素子。現在の平面に並べたトランジスタに比べて、稼働していない時に漏れる電流(リーク電流)が制御しやすく、回路の線幅を細くできる。次世代半導体として期待されるが、消費電力などが実用化の課題になっていた。
 開発したトランジスタは、電気が通る入り口の部分にシリコンとゲルマニウムの化合物半導体を使った。シリコンだけを使う立体型トランジスタに比べて電気の流れがよくなり、消費電力が大幅に減るという。東芝は消費電力が少なく小型で高性能の大規模集積回路(LSI)などに応用できるとみて、さらに改良を進めて実用化を目指す。



ユニクロ全店長に海外勤務 管理職合わせ900人
越中バングラの4極体制に
 ファーストリテイリングはカジュアル衣料品店ユニクロ」の海外事業拡大に向けて組織と人員配置を見直す。国内の店長と本部の管理職ら合わせて約900人全員を3〜5年以内に海外拠点に派遣。商品開発や生産部門の社員もバングラデシュベトナムに100人規模で異動させる。5年後にユニクロの国内外の売上高比率を逆転させる計画で、組織と人材の国際化が急務と判断した。
 海外派遣の対象は国内ユニクロ店舗約800店の店長と、東京本部などに勤務する課長職以上の管理職ら約100人。アジアや欧米の9カ国・地域で展開する約150の海外店舗などに順次異動させる。原則3年以上は駐在させる方針で、店舗運営などを通じて国際業務の経験を積ませる。
 同社は早期にグローバルで年間300店を出店できる体制を築く方針で、海外店舗を担える店長候補の養成が急務になっていた。今後は毎年、新規採用の半数以上を海外で採用する。2011年が300人、12年は1000人を現地で採用する計画だ。
 外国人社員を研修や異動の形で日本に受け入れて人事交流を促し、「グローバルで通用する人材を早期に育てる」(柳井正会長兼社長)。ファストリは国内外の人事異動をしやすくするために、米国が地盤の婦人衣料「セオリー」など、ユニクロ以外の事業も含めてグループ全体で人事評価や報酬の基準も統一する。
 ファストリ一橋大学と連携して今年、次世代の経営者を養成する教育機関を東京本部内に設置した。来年中にも米国に現地大学と提携して同様の教育機関を設ける。フランス、中国・上海、シンガポールにも順次、教育機関を整備していく。



【産経主張】民・社「復縁」 数合わせで国益害するな
 菅直人首相が社民党との連携を強化する姿勢を鮮明にしている。
 衆参「ねじれ」のまま来年の通常国会を迎えるため、衆院で3分の2以上の賛成による再議決で法案成立を図るには、連立する国民新党に加えて社民党の協力も欠かせないからだ。安定的な政権運営のための数合わせといえる。国益を害する結果を導きかねず、強い疑問を呈したい。
 社民党が5月末に政権離脱したのは、鳩山由紀夫前政権時代の米軍普天間飛行場移設問題をめぐる日米合意で、辺野古移設案が改めて決定されたことなどに反発したためだ。そうした問題の総括をすることもなく、再び連携しようという話には耳を疑う。
 社民党福島瑞穂党首は6日の首相との党首会談で「私がぶち切れなくて済むようお願いします」と首相に何度も述べたという。連携する以上は、同党の主張を尊重するよう求めたものだ。
 社民党は武器輸出三原則の見直しに反対しているほか、普天間問題では日米合意そのものの見直しを求めている。日本の防衛力整備や日米同盟の維持・強化の必要性を考えれば、きわめて現実離れした主張を展開している。
 問われるのは首相がこれにどう対応し、政策を実現していくかである。だが、首相は武器輸出三原則の見直しをあっさり先送りし、見直しに積極的だった北沢俊美防衛相も「国会を乗り切るには数がそろわないといけない」と社民党への配慮に同調し始めた。
 武器輸出三原則の見直しは、防衛装備品の国際共同開発に参加し、武器技術の世界的潮流から取り残されないために不可欠なものだ。防衛政策をゆがめ、国益を損なうことを首相と防衛相が容認したともいえ、情けない限りだ。
 普天間問題では、菅首相自身が「期限を切る形では考えていない」と述べており、社民党との連携が問題の決着をさらに遠のかせる懸念は大きい。日米同盟の空洞化がさらに進むだろう。
 首相は6日の記者会見で「会派とか、連立の復活というところまでは議論していない」と述べた。だが、予算関連法案やその他の重要法案の再議決による成立を考えれば一部の政策連携にとどまるだろうか。衆院再議決で、ねじれがすべて解消するわけではない。自民、公明など他の野党との協議の道を閉ざしてはならない。

PSPhoneは近い?Android 2.3はL/Rボタンも標準サポート

PSPhoneは近い?Android 2.3はL/Rボタンも標準サポート
 ゲーム対応強化をアピールするAndroid 2.3 "Gingerbread"について、ただの性能向上だけでなく、ゲームコントローラー用のキーコードという新要素も発見された。新OSで新しく設定されたキーは、A / B / Cボタン、X / Y / Zボタン、あるいはL1 / L2 / R1 / R2、HOMEに加えてSELECTなど。こうした新キーをなにひとつ備えないNexus Sを見ても分かるとおり、今のところただ将来のゲーム機型Android端末を見据えたかのようにキーコードが増えているよというだけの話ではあるが、PSPhone "Zeus"(あるいはAndroidベースと言われているPanasonic The Jungle)のことを思い浮かべずにはいられないネーミングだ。
 Android 2.3では加えて、コンカレントガベージコレクターの採用、イベントハンドリングの高速化、新ビデオドライバー搭載により、パフォーマンス全般の改善がはかられたほか、入力やセンサまわりのイベントのネイティブ化、3Dモーション処理向けにジャイロスコープなどセンサAPIのサポート拡大、Khronos OpenSL ES / Khronos EGLのインプリメンテーションによるオーディオ & グラフィック面の強化など、ゲームアプリ開発を強化するさまざまな新要素が加わっている。Googleが期待するとおり、ゲームを開発 / プレイするならAndroidというトレンドは生まれてくるか。



次世代Android "Honeycomb" 早くもお披露目、タブレットに最適化
 Android 2.3 "Gingerbread" 登場で一夜にして全Android端末が旧世代となった今日、Androidの父 Andy Rubin 氏はD: Dive Into Mobileにて早くも次バージョンをお披露目した。名前は予定どおり"Honeycomb"。詳細はまだまだ不明だが、タブレットに最適化されたというUIは従来とはずいぶん違ったデザインとインタフェースになり、デスクトップ風というか、GmailでいえばiPad版と似た感じになっている。リリース時期は「来年のいつか」。
 一方、新OSの紹介に利用されたのは、これまた正式発表前のチラ見せとなるモトローラタブレットのプロトタイプ。NVIDIAのプロセッサ、謎の「デュアルコア3Dプロセッサ」を搭載し、ビデオチャットに対応すると(うっかり?)カンファレンスでは説明されていた。振り返ると、今月頭にはモトローラのSanjay Jha CEOが7型 / 10型のAndroidタブレット端末を来年早々に発表すると予告しており、これが当初"Stingray"の名前で噂されていたVerizonのLTE対応タブレットになるのではと見られている。Honeycombについてはタブレット最適化バージョンとしてGingerbreadとの並行開発も噂されており、ただでさえリリースサイクルの早いAndroidの中でも特に早期のリリールも期待されるところだ。Androidの人気拡大により今年はスマートフォン戦争などと言われた一年だが、来年はiPad 2とHoneycombの本格タブレット戦争となるのかもしれない。



PSP2は発売時に既に死んでいる、3DSにも厳しい見方―Michael Pachter氏
 かねてより噂のたえないソニーの新型携帯ゲーム機、PSP2。おなじみ米国のアナリスト、Michael Pachter氏がウェブキャストのPach Attackで言及している。
 氏は「携帯端末市場は飽和状態に近づいている。PSP2はデッド・オン・アライバル(DOA、ここでは発売時に既に死亡の意)になると考えている」とコメント。
 PSP2だけでなく3DSについても悲観的で、「我々はすでにDSのハードウェアセールスの停滞も見始めており、iPhoneやアンドロイドが携帯端末市場を切り崩している」「3DSは携帯端末市場でのメーカーの延命になるだろうが、最終的には困難な状況に陥ると考える」と話している。
 人気シリーズ最新作の発売などもあり、日本では好調のPSP。一方海外では、大手小売のGameStopが「 2010年最大の期待はずれ」としてPSPを挙げ、ソフトラインアップに不満を示すなど日本と海外で違いが出てきている。
 一方でEAのCEOが「PS3と同じくらいパワフルなゲーム機をポケットに入れられるというのは魅力的だ」と期待する声も上がっている。PSP2は2011年秋に発売という噂もあるが、正式発表はまだない。



スマートフォン向け「GREE」プラットフォームの仕様がオープン化
 グリーは、スマートフォン向けの「GREE」において、「GREE Platform for smartphone」の仕様を公開した。コンテンツプロバイダーは、さまざまなアプリを同プラットフォーム向けに提供できるようになる。KDDIとグリーが共同で運営するAndroid向け「au one GREE」においても同様に仕様が公開される。
 今回の取り組みにより、スマートフォン向けの「GREE」や「au one GREE」において、アプリケーションプラットフォーム「GREE Platform for smartphone」の仕様がオープン化された。GREEの開発パートナーは、SNSGREE向けソーシャルアプリとして、iPhoneAndroid端末で利用できるWebアプリや、iPhoneアプリAndroidアプリを提供できるようになる。
 なお、ソーシャルアプリは最短で、Webでは12月15日から、Androidアプリでは2011年1月6日から提供が可能になる。


グリーやDeNA、テレビCM放送回数でトヨタを抜く・・・
 12月7日の日本経済新聞朝刊は、テレビCMに「新顔」が増えており、1年前にはほとんど露出がなかったグリーやディー・エヌ・エーDeNA)が、花王サントリーに匹敵するほどの有力な広告主となったと報じている。
 報道によれば、ビデオリサーチの10月の関東地区でのテレビCM放送回数で、グリーが2位、DeNAが4位に入り、首位の花王には及ばないものの、トヨタ自動車<7203>(5位)を上回ったそうだ。また、競争激化に伴い集客力を高めたい外食産業でも、ワタミや「すき家」のゼンショーなどが積極的にCMを投入しているとのこと。こうしたテレビCMの「新顔」の登場は、民放テレビ局にとっての業績改善の一因となっている、としている。



アップル、「iOS 4.3」をまもなく発表か--アプリで購読可能の見通し
 Gadgets and Gizmosは、Appleが米国時間12月9日に「iOS 4.3」を発表する可能性があると、うわさの話として報じている。iOS 4.3では、新しいサブスクリプションベースのアプリケーションと連携するためのアプリストアが導入されるという。
 米CNETでは、iOS 4.3は、「AirPlay」や「AirPrint」など多くの新機能が追加されたiOS 4.2の時とは異なり、このサブスクリプション関連の機能だけが追加されるとしている。同機能により、コンテンツプロバイダーは購読料を週次、月次、年次で請求可能になるという。
 米CNETはまた、iOSは現在、アプリに対する1回限りの支払いにしか対応していなかったため、電子版の雑誌や新聞の最新号を購入するたびにアプリ内購入するほかない、と説明している。
 Gadgets and Gizmosの記事によると、多くのアプリベースの雑誌や出版物、新聞が購読に対応した新しいアプリをクリスマス前にリリースする予定だという。



Mac App Store」、12月13日にも公開か--ブログが報じる
 「Mac App Store」が来週にもオープンする可能性があると、Appleの愛好者向けブログ「Appletell」が報じた。
 Appletellは「内部情報筋」の話として、Appleが米国時間12月13日にMac App Storeを公開する計画だと伝えている。同ストアは、ユーザーが「Mac」コンピュータに有料または無料の各種アプリケーションをダウンロードできるというものだ。Appletellによると、開発者はAppleから「早ければ(12月6日の)公開に向けて提供するソフトウェアの準備をしておく」よう通知を受けたという。しかし先ほどの情報筋の話では、Appleが12月6日にMac App Storeを公開する可能性は低いようだ。
 とはいえ現段階でAppletellの記事はあくまで噂にすぎず、AppleMac App Storeの公開予定日を明言していないため、その点には注意が必要だ。
 しかし仮に来週公開が事実だとすると、スケジュールが大幅に早まることになる。
 Apple最高経営責任者(CEO)を務めるSteve Jobs氏は、2010年10月末に初めてMac App Storeの計画を明らかにした際、「90日」以内に「Mac OS X 10.6 Snow Leopard」ユーザーに提供する予定だと述べ、Mac App Storeの公開が2011年1月末になることを示唆していた。さらにAppleは11月、Mac App Storeで提供するアプリケーションの審査を開始している。Mac App Storeの公開時に十分な数のアプリケーションが揃うようにするには、もう少し時間が必要かもしれない。
 Mac App Storeの正式公開予定についてAppleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。Appleから正式な発表があるまでは、今回のような公開日についてのいかなる報道も単なる噂の域を出ない。



11月の携帯電話契約者数、ソフトバンク以外も好調に
 電気通信事業者協会(TCA)は、2010年11月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。
 11月の携帯電話契約者の純増数は、ソフトバンクモバイルが27万6600件、NTTドコモが8万8100件、auが8万2300件、イー・モバイルが5万600件となった。BWA(無線ブロードバンドサービス)のUQコミュニケーションズは6万1900件の純増、PHSサービスのウィルコムは4万4500件の純減となっている。
 MNPの利用件数は、ソフトバンクが6万3300件のプラス(転入超過)。ドコモは3万3800件、auは2万5000件、イー・モバイルは700件でそれぞれマイナス(転出超過)となった。



Google eBooksは販売店や端末に縛られないオープンなサービス、グーグルが説明会
 グーグルは7日、米国でサービスが開始された電子書籍販売サービス「Google eBooks」に関する説明会を開催した。グーグルでGoogleブックス担当マネージャーを務める佐藤陽一氏は、「Google eBooksはどの小売店でも販売でき、どの端末でも読めるオープンなサービス」である点をアピール。2011年には日本でもサービスを開始する予定だとした。
 Google eBooksは、これまで「Googleエディション」という名称で開始が予告されていたサービス。今回、米国で「Google eBooks」という名称でサービスが開始され、今後各国で同様にサービスが開始される予定。
 佐藤氏はまず、「Googleブックス」と「Google eBooks」の関係を説明。「Google eBooks」で販売する電子書籍は、書籍内容の検索サービス「Googleブックス」に登録されている書籍が対象となり、出版社が許可した書籍がGoogle eBooksで電子書籍としても販売される。
 米国では既に「ほとんどの出版社がGoogle Booksのパートナープログラムに参加している」状況で、世界70カ国、3万5000社の出版社から、200万冊の提供を受けていると説明。これらの書籍のうち出版社が電子書籍として販売することを選んだ書籍と、パブリックドメインの書籍を合計して、300万冊以上がGoogle eBooksで閲覧できるようになった。
 購入した書籍は、Googleクラウド上に保存され、Googleアカウントによりどの端末からもウェブブラウザーで見ることができる。また、AndroidiOS端末向けには専用のアプリも提供。出版社が許諾した書籍とパブリックドメインの書籍については、EPUB形式またはPDF形式でのダウンロードも可能で、DRMAdobe SystemsDRM技術とその互換技術に対応する。
 現時点で、パートナープログラムによって有料で販売されているGoogle eBooksは数十万冊程度で、残りがパブリックドメインの書籍となるが、「いわゆるトップセラーの書籍はほぼカバーできている状態」(佐藤氏)と説明。日本では2011年にサービス開始の予定で、縦書きへの対応など日本市場への対応を進めるとともに、日本の出版社にもさらに参加を呼びかけていくとした。
 電子書籍の価格は出版社が設定でき、出版社が提供するタイトル数などにもよるが、Googleからは売り上げの51%以上を出版社に払っていると説明。米国での電子書籍の価格については、一般的にはエンターテインメント系は紙の書籍よりも電子書籍の方が安く、専門性の高い分野ではだいたい同じぐらいの価格になっているケースが多いように思うと語った。

Android 2.3 "Gingerbread"発表 - ゲーム向け強化、WebM対応など

Android 2.3 "Gingerbread"発表 - ゲーム向け強化、WebM対応など
 米Googleは12月6日(現地時間)、"Gingerbread"のコードネームで開発していたAndroidプラットフォームの新版「Android 2.3」を発表した。ゲーム向けにパフォーマンスが強化されており、同社は"Android最速"をアピールしている。またWebM対応、Near Field Communications (NFC) やジャイロスコープのサポートなど数多くの新機能と新APIを備える。Linuxカーネルは2.6.35。Gingerbreadの発表に伴い、Android SDKのアップデート版(r8)の提供も開始された。
 ユーザー向けの強化点から見ていくと、より素早くかつ効率的に操作できるようにユーザーインターフェイス(UI)、テキスト入力、パワー管理などが改善された。UIは、通知バーやメニューなどが目立つようにビジュアルテーマの配色を簡素化。またホーム画面のメニューにアプリケーション管理ボタンを用意するなど、システム機能にアクセスしやすくなるようにメニューや設定が改められた。
 新しいAndroid標準キーボードでは、入力候補が表示されるようになり、マルチタッチ・キーコーディングでキーボードを切り替えなくてもShift+ や?123+で数字やシンボルを入力できる。またテキスト入力やWebページで、メニュー経由ではなく、直接ワンタッチでテキストを選択できるようになった。コピーしたい部分を長押しすると選択ツールが現れる。
 新しいパワー管理を通じて、ユーザーはシステムコンポーネントやアプリの電力消費をより正確に把握できるようになった。端末のバッテリー動作時間を計画的にコントロールできる。
Gingerbreadではコミュニケーションの幅も広がる。SIPプロトコルスタックとコール管理サービスを含むため、SIPアカウントを持つ人へのVoIP通話が可能。コンタクトにインターネットコーリング番号(SIPアドレス)を追加でき、クイックコンタクトやダイヤラーからも利用できる。またNFCタグを読み取るNFC Readerアプリを備える。例えば、店頭に置かれた製品に情報ページのURLデータを含むNFCタグが付けられていれば、NFC対応のAndroid端末を接触させるだけですぐに製品の情報ページにアクセスできる。
ゲーム開発者を意識したパフォーマンス強化
 開発者向けには「ゲーム」「新しいコミュニケーション」「リッチなマルチメディア」の3つが強化点となっている。
 アプリケーションのパフォーマンスに関して、コンカレントなガベージコレクタ、イベント処理の改善、サードパーティのビデオドライバのアップデートなど、ゲーム開発者を意識した改善が施された。ゲームだけではなく、すべてのアプリケーションが従来よりも効率的かつスムースに動作するという。
 新たにVP8およびWebM、AACエンコーディング、AMRワイドバンドエンコーディングなどのメディア形式をサポート。Khronos OpenSL ESのAPIを追加、またKhronos EGLライブラリへのアクセスを提供している。
 Camera APIを通じてアプリケーションが複数のカメラにアクセスできるようになった。ジャイロスコープ、回転ベクトル、リニアアクセラレーション、重力、気圧などのセンサーをサポートするAPIを装備。アプリケーションにSIPベースのインターネット電話機能を追加できるほか、NFC APIを通じてアプリをNFCタグに対応させられる。



スマートフォンにWiMAX KDDI社長「まずは海外製、国内メーカーにも開発を委託」
 KDDI(au)の田中孝司社長は6日、日本経済新聞社の取材に応じ、2011年度の早い時期に高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」に対応したスマートフォン(高機能携帯電話)を国内で初めて発売する計画を明らかにした。ワイマックスは携帯電話回線(3G)の4〜5倍の高速通信ができる。NTTドコモが来年末にも次世代高速通信「LTE(ロング・ターム・エボリューション)」対応のスマートフォンを発売することに対抗する。
 田中社長は「ワイマックスと3Gの両方が使える端末を投入する」とした。まずは海外製製品の導入を検討し、国内メーカーにも開発を委託するとみられる。
 ワイマックスはKDDIなどが出資するUQコミュニケーションズ(東京・港)が展開し、パソコン向け通信カードが主体。米国では携帯大手スプリント・ネクステルが今夏から韓国サムスン電子や台湾HTCの対応スマートフォンを販売している。
 KDDIは11年度に新商品の半数以上をスマートフォンにする。ネット利用が多いスマートフォンの拡充で「一契約者の月平均収入(ARPU)で、11年度にデータ通信収入が音声を上回る」との見通しを示した。また「光ファイバー回線とスマートフォンタブレット情報端末が割安に利用できるサービス」を提供することも明らかにした。



グーグル携帯に動画5000本を配信 フロントメディア
 携帯電話向け動画配信のフロントメディア(東京・港、高橋利樹社長)は7日から、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)向けサービスを始める。まず映画やドラマなど5000本をそろえ、1年後に3万本以上に増やす。配信本数としては国内最大規模で、米ハリウッド映画も提供する。
 動画を視聴するためのソフトを無料でダウンロードしてもらい、民放キー局のドラマやアニメ、バラエティーなど作品ごとに課金する。視聴料金は1本あたり100〜400円。スパイ映画「ソルト」など洋画作品も100本以上配信する。邦画も同程度の本数をそろえる。
 スマートフォン向け映画配信では米アップルが11月から日米作品1000本以上の提供を「iPhone(アイフォーン)」向けに始めた。フロントメディアは映画やドラマなど多様なジャンルの作品を拡充し、利用者拡大につなげる考えだ。



グーグル、米で電子書籍の販売開始 数十万冊
 【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルは6日、米国で同日から電子書籍の販売を始めたと発表した。専用サイト「グーグル・イーブックス」を通じて数十万冊の電子書籍を提供する。米国の電子書籍市場ではアマゾン・ドット・コムが先行しているが、グーグルの参入で競争が激しくなりそうだ。
 グーグルは2004年に書籍検索「グーグル・ブックス」を立ち上げており、この機能を拡張して購入も可能にする。グーグルは専用端末を販売せず、利用者は購入した電子書籍をパソコンのネット閲覧ソフト(ブラウザー)や米アップルの「iPhone(アイフォーン)」など高機能携帯電話(スマートフォン)を通じて閲覧する。
 日本では11年にも始める見通し。



グンゼ、タッチパネル生産能力10倍に 台湾社と合弁
 グンゼは多機能携帯端末などに使うタッチパネルの生産能力を、2011年中に現在の10倍の月60万枚に引き上げる。台湾の電子部品大手コアトロニックグループ(新竹市)と提携、約20億円をかけ中国の広州市に共同で工場を設立、11年3月に生産を始める。板状のタブレット端末向けに需要が急増していることに対応、既存工場の増産投資も進める。
 7日にも提携を発表する。グンゼはコアトロ子会社のヤングライティングと年内に合弁会社を設立する予定。出資比率はヤング社51%、グンゼ49%とみられる。ヤングは元来、発光ダイオード(LED)バックライトを手掛けており、新工場もバックライト工場を転用する。
 新工場では静電容量方式と呼ぶ高性能のタッチパネルを生産する。同方式は複数の指で操作できることが特長。10インチ前後のサイズを中心に生産する。同工場での生産量は月20万枚程度の見通し。
 コアトログループのバックライトと重ね合わせてモジュール製品に仕立て、国内外の電機メーカーや電子機器の受託製造サービス(EMS)に供給する。両社で次世代タッチパネルに関する技術協力も進め、タッチパネルモジュールを薄型化した新製品を開発する。
 グンゼは同時に国内と台湾にあるタッチパネル用フィルムの工場や、中国の組み立て工場(広東省)の設備も増強する。広州の新工場も含めた総投資額は40億〜50億円を見込む。同社のタッチパネル売上高は10年3月期で100億円弱だが、早期に2倍以上に高めたい考えだ。
 グンゼはタッチパネルの事業規模で国内最大手の日本写真印刷に次ぐ。ファクトリーオートメーション(FA)の操作機やパソコン向けの中大型製品に強みを持つ。
 米アップルの「iPad(アイパッド)」やスマートフォン(高機能携帯電話)、電子書籍向けなどでタッチパネルの市場は急拡大している。調査会社のテクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)によると、10年のタッチパネルの世界市場は前年比32%増の6億1500万枚になる見通し。
 グンゼは電子機器の製造拠点が集積し、資金力や技術に関する情報も豊富な台湾企業と組むことで効率的に事業を拡大できると判断した。



オフラインでも快適操作 iアプリ版「産経新聞ニュース」提供開始
 産経デジタルは6日、NTTドコモが同日にサービスを開始したiモード向け「ドコモマーケット」に、「産経新聞ニュース」の提供を始めた。
 iアプリ版の「産経新聞ニュース」は、注目ニュースのほか、事件、政治、経済・IT、スポーツ、エンタメなど7つのジャンルで記事を配信し、ランキングや写真で見るニュースも掲載。高い視認性と軽快な操作感で読み進められるのが特徴となっている。
 iウィジェット画面に張り付ければ、iウィジェットボタンを押すだけで最新ニュースをテロップ表示でチェックすることができる。さらに、地下鉄など電波の届かない場所でも、オンライン時に蓄積した記事をオフライン状態で読めるため、忙しいビジネスマンにも最適なアプリとなっている。
 利用料は月額210円(税込み)。



オンキヨー、直営店でスマートフォン
 オンキヨーはオーディオ機器やパソコンを扱う直営店で、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などスマートフォン(高機能携帯電話)の販売を7日に始める。東京都中央区の店舗でスタートし、多店舗展開も視野に入れる。スマートフォンで音楽を聴く人が増えており、高音質のスピーカーを内蔵するパソコンなどと一緒に提案、販売増につなげる。



Jフロント、人件費削減
 J・フロントリテイリングは6日、中核部門である百貨店事業の人件費を削減する方針を明らかにした。奥田務会長兼最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞に「百貨店の売上高に占める人件費比率を(中期で)4〜5%台に抑える」と述べた。低コスト運営による採算改善を急ぐ。
 百貨店事業会社の大丸松坂屋百貨店が従業員(契約社員ら含む)を減らす。2010年2月期に同事業の売上高人件費比率は8%弱だった。
 定年退職など自然減のほか、人材派遣などグループ内の他事業への配置転換で対応、雇用は原則維持する。11年2月末の百貨店事業の従業員数は今年3月に比べ2割少ない6千人の見通しだ。



レンタル1億回突破へ 韓流ドラマ、年間で初
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は6日、運営するレンタルソフト店「TSUTAYA」で韓国ドラマのDVDがレンタルされる回数が今年1年間に初めて1億回を突破する見通しだと発表した。DVD全体のレンタル回数の16・3%を占めており、この割合は“韓流ブーム”初期の2004年の約3倍になるという。
 10〜20代の女性を中心に韓国の若手音楽グループによる“K−POP”がブームになり、彼らが登場するDVD作品に関心が集まった。初期の韓流ブームは40〜60代の女性が中心だったが、支持世代に厚みが増した。レンタル回数が最多だったのは、K−POPアーティストが出演する「美男〈イケメン〉ですね」。2位は「華麗なる遺産」だった。10年は11月までで9682万回で、年末には1億500万回を超えると予想している。

KDDI:来期にWiMAX併用のスマートフォンを投入

KDDI:来期にWiMAX併用のスマートフォンを投入
 12月6日(ブルームバーグ):国内通信2位KDDI田中孝司社長は6日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、スマートフォン(多機能携帯電話)戦略を他社と差別化するため、通信網の強化に力点を置く方針を示した。具体策として、高速である次世代無線LAN「WiMAX」と第3世代サービス(3G)との併用可能な端末を「来期の早い時期」に投入することを明らかにした。
 田中氏は、同社の携帯電話事業の収益に関して来期には「データARPU(1契約当たりの月間収入)が音声を上回る」との予想を示すとともに、来期1年間でKDDIの端末全体に占めるスマートフォンの機種の割合が過半数となると語った。さらに2012年度には携帯電話事業が増益に転じる、との予測を示した。
 KDDIは、他社に比べ出遅れていたスマートフォン戦略で巻き返す方針で、11月26日発売した同社の個人向けスマートフォン第三弾の端末は事前に同社サイト上で27万件の購入希望登録を得ていた。田中氏は1日の社長就任会見で、来年度前半にはスマートフォンKDDIの携帯全体に占める比率を半分程度とする意向を示していた。



ユーチューブでNHK人気番組を無料提供
 インターネット検索システム最大手、米グーグルの日本法人は6日、動画サイトユーチューブで日本放送協会(NHK)と提携し、「NHK特集」などNHKの番組を同日から無料で視聴できるようになったと発表した。当初、ノーカット番組を約200本、番組を3分程度に編集した動画を約30本公開し、順次増やしていく方針。
 ユーチューブとNHKエンタープライズがライセンス契約を結び、6日午前0時にユーチューブのなかに「NHK番組コレクション」を開設した。視聴は国内限定で、視聴できるのは当面、パソコンだけだが、今後は実証実験を経て携帯電話などの端末でも視聴可能にする方向で検討する。
 スタート時に視聴可能な主な番組は「NHK特集」「大河ドラマ」「名曲アルバム」「小さな旅」「その時歴史が動いた」など人気の高い紀行やエンタテインメント、料理、教養番組をそろえた。
 NHKは番組の随時配信サービス「NHKオンデマンド」で有料配信しており、それらの番組はユーチューブでは3分程度のダイジェスト版で提供される。
 ユーチューブは世界最大の動画サイトで、1日の投稿数は約4億2千万件、アクセス回数は約20億回に上る。
 ユーチューブに番組を提供することについて、NHKエンタープライズでは「ユーチューブはNHKを見ていない人も多く見ている。ぜひそういう人たちにもNHKに来てもらいたい」(関本好則上席執行役員)と説明。出演者など権利処理をすべて終えたコンテンツを無料サイトに提供することで、違法動画の排除効果にも期待している。



2010米ヤフー人気検索語ベスト10発表 1位は、あの事故で…
 米ヤフーは6日まで、今年の人気検索語ランキングを発表した。ヒット数が最も多かったのは、「BP Oil Spill」で、今年4月に発生した国際石油資本(メジャー)英BP社によるメキシコ湾原油流出事故。環境汚染と資源開発にまつわる問題に警鐘を鳴らした大事故といえ、2010年に米ヤフーでは最も検索された言葉となった。
 2位は「World Cup」。2022年の開催は逃したのもの、サッカーW杯は米国でも高い人気ぶりを示す結果に。
 3位は、全米で絶大な人気を誇るティーンアイドル、マイリー・サイラスさん(18)が、“美しすぎるセレブ”、キム・カータジアンさん(30)=4位=や派手なパフォーマンスを次々に繰り出す歌手のレディー・ガガさん(24)=5位=を押しのけて、有名人の中では最も上位にランクインした。
 6位以下は次の通り
     ◇
 6位 「iPhone」(アイフォン)
 7位 「Megan Fox」(ミーガン・フォックス=「世界で最もセクシーな女性」とも称されたファッションモデル)
 8位 「Justin Bieber」(ジャスティン・ビーバー=「ツイッター王子」とも言われるカナダの歌手)
 9位 「American Idol」(アメリカン・アイドル=人気オーディション番組)
 10位 「Britney Spears」(ブリトニー・スピアーズ=お騒がせ歌手)



ファミマとTSUTAYA 初の一体型店舗オープン
 ファミリーマートカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は6日、それぞれが運営する都市型コンビニの「ファミマ!!」とCD・DVDのレンタル・販売の「TSUTAYA(ツタヤ)」を一体化させた店舗を10日に東京都港区の「品川フロントビル」に開店すると発表した。両社の一体型店舗は初めて。
 CCCが展開するポイントカードの「Tポイントカード」へファミリーマートが参加しており、客層が重なる部分が大きいことから、共同出店による相乗効果が大きいとみている。会計は別々だが、両店舗を隔てる壁などはない。「平日の利用が多い都心型コンビニと週末利用が多いレンタル店で互いを補完したい」(ファミリーマート広報部)としている。



Ustream宇多田ヒカルのコンサートを無料ライブ中継
 Ustream Asia株式会社は、12月8日に横浜アリーナで行われる宇多田ヒカルのコンサート「WILD LIFE」の模様を「Ustream」で無料ライブ中継する。
 配信時刻は19時から終演まで。当日は、ビットレートが700kbps程度のメインチャンネルと、300kbpsのサブチャンネルを用意する。
 Ustream Asiaによれば、今回の配信はチケットが取れなかったファンや、海外のファンからのリクエストなどに応えるために実現したという。



jig.jp、Twitterアプリ「jigtwi」をドコモマーケットで提供
 jig.jpは、「ドコモマーケット(iモード)」にて、携帯電話用のTwitterクライアントアプリ「jigtwi」の提供を開始した。利用料は月額315円で、3日間の試用ができる無料版も用意されている。
 「jigtwi」(ジグツイ)は、携帯電話からTwitterを利用できるクライアントアプリ。2010年5月からiモード端末向けにiアプリ版が提供が開始されているが、今回提供が開始された「ドコモマーケット(iモード)」版では、高速性やデザインはそのままに、公式RTの表示など機能を大幅に拡大している。
 有料版では、最大5つのアカウントに対応。背景画像の使用、フルブラウザ機能の利用も可能になっている。



バンダイナムコiモード向けTwitterアプリ『TWIT-MAN』をリニューアル
 バンダイナムコゲームスは、iモード向けサイト「ドコモマーケット」においてTwitter用アプリ『PAC'N TWIT』を配信開始しました。
 『PAC'N TWIT』は、以前配信されていた『TWIT-MAN』をリニューアルしたTwitter用アプリです。
 パックマンをモチーフとした画面デザインで、リツイートやダイレクトメールの投稿、リスト、お気に入りの管理といったTwitterの基本的な機能を直感的に利用できます。アプリには、通常版とタッチパネル対応端末向けタッチ版の2種類があります。
 『PAC'N TWIT』は、iモードに対応し、ドコモマーケットにて無料にて配信中です。



アップル「Game Center」、友達リクエスト時に実名を表示する仕様に
 実名の方が安心ですか?アップルが9月のiOSアップデートで追加したオンラインゲームサービス「Game Center」。ユーザー同士で「友達」登録して一緒に遊べるわけですが、登録のリクエストをやりとりする際にお互いの実名が表示されるよう、仕様が変更されました。
 実名表示はリクエスト送信&返信時の1回のみで、それ以外の表示はすべてニックネーム。でも1回だけだとしても、相手に個人情報が開示されるのに変わりはないんですよね。
 今年の夏には、Blizzardがユーザーフォーラムで利用者の実名を表示するシステム「Real ID」を取り入れようとして、大ヒンシュクを買った話が北米で話題になりました。その後表示方法は多少変更されたものの、結局は実施されています。
 アップルは仕様変更の理由を、「Game Centerの新しい利用規約にユーザーは本人以外の個人または団体を装うことができないと定められているため」だとしています。
 「他者を装ってはいけない」っていうのと、「本名をフレンド登録相手に開示する」って、同じこと...なの?
 


フォーサイド・ドット・コム、メルマガ配信サイト最大手「まぐまぐ」と電子書籍化で事業提携
 電子書籍出版大手のフォーサイド・ドット・コムは12月6日、メールマガジン配信サイト「まぐまぐ」を手掛けるまぐまぐとの提携を発表、まぐまぐのコンテンツを電子書籍化するサービスを立ち上げることを明らかにした。
 「まぐまぐ」はメールマガジン配信CMSサイトとして、現時点で個人・法人を問わず3万誌を配信している。フォーサイド側ではメルマガの発行者がコンテンツを電子書籍ファイル/電子書籍アプリに変換するためのプラットフォームを提供し、作品によっては海外配信も検討する。
 フォーサイド・ドット・コムはこの事業提携で、幅広いカテゴリの情報を積極的に展開し、広くユーザーの獲得を狙いたいとしている。



たばこ店、廃業が3倍 コンビニ競合、後継難…10月の値上げ追い打ち
 増税に伴うたばこ価格の大幅値上げでたばこ小売店の廃業が急増し、近畿2府4県の10月の廃業数が、前年同月比で約3倍となったことが6日、近畿財務局への取材で分かった。特に「街のたばこ屋」の廃業が多いといい、禁煙ブームやコンビニエンスストアなどとの競合による売り上げ減少に、大幅値上げが追い打ちをかけたとみられる。
 近畿財務局によると、今年3月末現在、2府4県のたばこ小売販売店数は4万4642店。近年は減少傾向となっているが、大幅値上げが近づいた8月以降は、廃業数が前年同月を上回る状態が続いており、値上げ直後の10月は326店と前年同月(111店)の2.9倍となった。
 月別の廃業数をみても、7月は144店(前年同月171店)だったが、8月は282店(同142店)に急増。さらに、値上げ直前の駆け込み特需となった9月は、10月より多い378店(同160店)に達した。11月も189店(同149店)とハイペースの状態が続いている。
 たばこ店の廃業手続きは、日本たばこ産業(JT)を通じて各地域を管轄する財務局に届ける仕組みで、届け出の際には廃業理由も記入する。近畿財務局理財部の担当者は「個人商店の廃業は確かに多い」とする一方、廃業の理由については「『値上げ』とするケースも確かにあるが、高齢や病気などさまざまな事情がある」としている。
 大阪市中央区のオフィス街で50年以上もたばこ店を経営し、11月に廃業届を出した女性(80)は「たばこを販売するコンビニが近所に増え、売り上げがかなり落ち込んだ。この商売には愛着があって悩んだが、大幅値上げもあったので廃業することにした」と寂しそうに話した。
 2府4県の個人商店の多くが加盟する「関西たばこ商業協同組合連合会」の長田仁専務理事は「廃業増加の原因が値上げだけと単純には言い切れない。小さなたばこ店は経営者の高齢化が進んで後継ぎもなく、コンビニやスーパーとの競争も激しいなどかなり厳しい状況だ」と声を落とした。

アップルの埋蔵金に批判 510億ドル、投資家ら「銀行より低収益」

アップルの埋蔵金に批判 510億ドル、投資家ら「銀行より低収益」
 大量の手元資金を保有する米電子機器大手アップルに、投資家らから資本効率が悪いとの批判が出ている。同社は保有する510億ドル(約4兆2000億円)もの現金や投資を「貯金箱」で眠らせており、その収益率は一般的な米国の貯蓄預金口座の利息を下回っている。
 ◆「ジョブズ後」に懸念
 アップルの前年度(2009年10月〜10年9月)の現金・投資の収益率は0.75%。同期のS&P500種株価指数やダウ工業株30種平均のリターン(投資収益率)約10%を大きく下回る。
 金利関連情報を提供しているウェブサイト、バンクレート・ドット・コムによれば、一般的な米国人の貯蓄預金口座の利率は約0.8%。アップルのジョブズ最高経営責任者(CEO)は10月、現金の用途は明確に把握していると述べ、配当や自社株買いに使用するよりも、むしろ「戦略的機会」のために取ってあると説明している。
 同社の09年のバランスシート(貸借対照表)は約170億ドル拡大し、投資家の中には、現金のため込みは行き過ぎだとの見方もある。かといって、そうした投資家も大型で割高な買収を望んでいるわけではない。
 米運用会社キャピタル・アドバイザーズのキース・ゴダードCEOは「アップルが保有する手持ち資金は十分な活動資金として必要な水準をはるかに超えている。アップルにとっては、もう一つビジネスを増やすための買収や、すでに取り組んでいる事業を希薄化させるような買収は恥なのだろう」と続けた。
 ゴダード氏は、ジョブズCEOの金銭管理能力よりも、がん治療を受けたジョブズ氏が健康上の理由で離職した場合のアップルの今後の方がよほど心配だと指摘。「違う経営陣があれだけの流動性の責任を持つ方がよほど恐ろしい」と述べた。
 ◆慎重な判断を擁護も
 米ジェイコブ・ファンズの会長兼最高投資責任者(CIO)を務めるライアン・ジェイコブ氏は、アップルが株主に対して配当を行うべきだと指摘。「問題は、アップルがいつまでも現金を積み上げ続けるわけにはいかないということだ。なぜ、自社株買いや配当を行わないのか理解できない」と疑問を示す。
 アップルとは対照的に、大手IT(情報技術)企業の一部は配当や自社株買いに動いている。マイクロソフトは、四半期配当の23%引き上げや自社株買いの方針を明らかにしている。シスコシステムズは同社初となる配当を実施する計画だ。ただし、両社はアップルと違って年初来騰落率がマイナスだ。このため、投資家に報いるための別の方法を見つけなければならないという圧力が強まっている。
 アップルを支持する意見もある。米投資銀行ロッドマン・アンド・レンショーのアナリスト、アショク・クマー氏は「投資家は大きなリスクを取ることには慎重なアップルの判断を信用するべきだ」と語った。



アップル追い風、中国売上高3倍 モルガン2年後予測
 米電子機器大手アップルの中国事業がスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を中心に急激に拡大するとみられている。
 モルガン・スタンレーはリポートで、アップルの2012年9月期の中国売上高が90億ドル(約7250億円)に拡大する可能性があると予想した。10年9月期の29億ドルに比べると2年で3倍に増加する計算だ。iPhoneを製造する同社の中国販売網の拡充が寄与するほか、中国の消費者の可処分所得が一段と裕福になることを理由に挙げた。アップルのアジアでの利益の伸びは、他地域を上回るという。
 アップルは世界で最も成長著しい中国市場での販売強化に向け、10月にはインターネットストアを開設し、受注を開始した。同リポートは「投資家は依然としてアップルの中国での成長見通しを過小評価していると考える。収入が高めの中国の顧客は、アップル製品のブランドを選好する」と分析した。



半導体大手、汎用LSIで海外開拓 特注依存改め
 国内半導体大手がシステムLSI(大規模集積回路)事業の構成を見直す。顧客を限定し専用開発する特注品から、幅広い顧客に販売できる汎用品に軸足を移す。東芝は2012年度までに特注と汎用の売上高の割合を逆転。ルネサスエレクトロニクスは11年度から携帯端末向け製品を投入する。汎用品が主流になった海外市場の開拓を進め、収益回復につなげる。
 特注品は顧客の出す指示に従い、回路や機能、細かい仕様などを一から開発する。一方、汎用品は半導体メーカーが幅広い顧客からの意見を参考に独自で開発する提案型製品。案件の数だけ個別の開発が必要な特注品よりも開発費を削減でき、同じ製品を複数の企業に売れるため、商機を広げやすい。
 東芝はシステムLSIの売上高のうち汎用品の割合を現状の半分弱から、12年度までに60%に引き上げる。ゲーム機やデジタル家電に使う特注品への依存度を下げ、得意分野の画像処理エンジンを汎用品の柱にする。設計の手法や回路の組み方、部材などを共通化して、薄型テレビやパソコン、携帯電話向けに展開する。
 自社のテレビブランド「レグザ」シリーズで培った高精細映像を滑らかに表示する高度な処理技術を生かす。電気自動車や環境エネルギーなど成長分野を中心に、新たな機能を持たせた製品の開発も進める。
 ルネサス携帯情報端末向けのシステムLSIで、製品の基礎部分となるひな型を統一する。このひな型を使うことで、高機能携帯電話や簡易カーナビゲーションシステムといった端末向けに、様々な製品の開発を素早くできる体制を築く。
 12月1日に設立した専門会社ルネサスモバイルが開発や販売などを担当し、11年度から製品の供給を始める。携帯情報端末の新通信規格「LTE」に対応した製品などを投入し、携帯情報端末向けで世界首位の米クアルコムを追撃する。
 富士通セミコンダクターは汎用品を中心に新しい製品を開発する専門組織を立ち上げた。マーケティングや設計開発、製造部門といった組織を横断する約20人のチームで、将来の収益の柱になるような製品の開発を目指す。



海外勢と競争激しく、採算悪化のリスクも
 国内半導体大手は約20年間、デジタル家電用の特注品開発を軸にシステムLSI事業を展開してきた。だが、世界の家電業界で水平分業化によるコスト低減の動きが加速。半導体でも通信や画像処理などに分野を絞って、優れた機能を持つ汎用品を展開する米国や台湾企業が市場を席巻するようになった。システムLSIの世界出荷の7〜8割は汎用品とされる。
 こうした中、汎用品が手薄な国内勢は海外市場の開拓に行き詰まっている。頼みの国内電機メーカーの販売も落ち込み、特注品の開発費の投資回収も難しい。2008年の経済危機後、各社はシステムLSI事業で1000億円単位の赤字を計上。工場の閉鎖や開発体制の抜本的な見直しなどリストラを進めてきた。
 汎用品へのシフトはリストラから再成長へと踏み出すための一歩。国内の特注品市場への依存を断ち切り、海外開拓に活路を探る考えだ。ただ汎用品には特注品とは違った難しさもある。一定数量の購入を保証する顧客はなく、製品開発の方向性を見誤れば不採算に陥るリスクもある。
 通信や画像処理など海外企業が高いシェアを持つ分野も多く、製品を売り込むには機能や価格で違いを出さなくてはならない。徹底した市場調査と成長性の判断、迅速な製品投入、顧客の開発の技術サポート力など磨くべき要素は多い。



法人税下げ2〜3%、環境税導入…政府税調方針
 2011年度税制改正の焦点である法人税減税を巡り、政府税制調査会で引き下げ率を2〜3%程度にとどめる案が有力になっていることが5日、分かった。
 経済産業省や産業界は5%引き下げを求めるが、税収減を補う財源を十分に確保できない可能性が高まっているからだ。
 野田財務相は同日、記者団に対し、5%引き下げについて「検討はしてきているが、なかなか厳しい」と述べ、下げ幅を圧縮する可能性を示唆した。
 法人税減税にあたり、財務省は税収減を補う財源の確保を産業界に求めている。財務省の試算では、5%下げた場合、国の税収は約1兆4000億〜2兆1000億円減る。一方、産業界が6日にも政府税調に示す「財源案」は、減価償却制度の見直しなど、数千億円程度にとどまる見通しだ。
 民主党や産業界は企業の税負担を実質的に減らすことを求めている。政府税調は法人税の減税額が企業が負担する「財源額」を上回るようにして産業界などに配慮する方向だ。所得税改革などによる負担増の一部を法人税減税の財源に充て、国全体の税収が減らないようにすることも検討する。
 また、政府税調は5日、11年度税制改正で、地球温暖化対策税(環境税)を導入する方針を固めた。原油天然ガス、石炭などにかかる石油石炭税の税率を約5割引き上げ、約2400億円の税収確保を目指す。




電気自動車 技術革新促すエコカー競争(12月6日付・読売社説)
 走行中に二酸化炭素(CO2)を出さない電気自動車(EV)の競争に火ぶたが切られた。
 本格的な普及にはまだ課題も多いが、競争の結果次第で、業界の勢力図が激変する可能性がある。
 日産自動車が5人乗りEVの「リーフ」を発表した。日米で近く販売し、欧州でも売り出す。
 リーフはリチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で約200キロ・メートル走行できる。価格は約376万円で、政府の補助金を利用すると300万円を下回る計算だ。
 燃費が良いエコカーの商戦では、トヨタ自動車が1997年、ガソリンエンジンと電気モーターで走るハイブリッド車(HV)のプリウスを発売して先行した。ホンダもすぐに追随し、2社が市場を牽引(けんいん)してきた形だ。
 大きく出遅れた日産は、リーフで巻き返す狙いだろう。
 国内メーカーのEVの量産化はアイ・ミーブを昨夏発売した三菱自動車に続いて2社目だ。
 世界では、米国や中国のベンチャー企業が次々とEV市場に参入している。経営破綻から復活したゼネラル・モーターズ(GM)もシボレー・ボルトを発売する。
 エコカーの先行組と、後発のEV勢が覇権を争う業界の大変革期を迎えたと言えよう。
 トヨタとホンダも対抗上、2012年にEVを売り出す方針を決めた。独企業も投入予定で、EV新時代を予感させる。
 欧米では排ガス規制が強化されることから、各社が温暖化対策の“優等生”とされるEVの開発を急いでいる。
 しかし、EVには課題も山積する。200万円弱まで値下がりしてきたHVに比べて割高で、1回の充電で走行できる距離が短いことだ。充電設備もまだ少なく、ユーザーには不便だ。
 リチウム電池の防水対策や、どんな厳しい気象条件でも走行できる安全対策も求められよう。
 エコカーの主役は当面、HVとみられるが、いずれEVに移行するのかどうか。各社は性能を向上させる技術革新を競う必要がある。充電設備の拡充も急務で、政府の支援も欠かせない。
 様々な課題を克服して利便性を高めれば需要が伸びる。メーカーも値下げが可能になり、普及に弾みがつくだろう。
 EVはリチウム電池の競争でもある。韓国企業と争うパナソニックソニーなども正念場だ。日本企業が競争力を発揮し、新市場を主導することが期待される。